ドラフト4位ルーキーの泉口はオープン戦でサヨナラ打を放ったこともある(C)産経新聞社

 巨人は5月6日の中日戦(バンテリン)に今季5度目となる0-2の完封負け、連敗し勝率5割に逆戻りとなった。

 先発を託されたのは左腕・横川凱。

ここまで安定した投球を示していたが、この試合ではボール先行と苦戦。4番に入った細川成也に初回に適時打を許すなど4回6安打2失点で降板した。

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 一方、それ以上に深刻だったのは打線の湿りっぷりだった。この日は当初スタメンが予定されていた梶谷隆幸が古傷の左ひざを再び痛めるというアクシデントが勃発。代わって5番に起用されたのが、このところ好調をキープしている2年目の萩尾匡也だった。

 しかし打線は6回途中まで投げた相手先発・梅津晃大に対しわずか1安打ピッチングと封じ込められ、その後も散発4安打と7度の得点圏もすべて凡退と「男になる選手」は現れなかった。

 試合後、阿部慎之助監督は左ひざを再び痛めた梶谷、9打席連続無安打だった中山礼都、先発した横川の抹消を決断。代わって、秋広優人、泉口友汰、平内龍太の3人の昇格を決めた。
 
 秋広にとっては、これが今季初の1軍合流となる。昨年10本塁打をマークし、4年目の飛躍が期待された今季だったが、ここまでは苦しんでいる。オープン戦で結果を残せず開幕1軍入りを逃すと、イースタンでも打率.216と理想のフォームを求めて試行錯誤しながら取り組んでいるとされてきた。

 ただ昨年もGWから1軍に合流すると対応力を示し、一時はクリーンアップを任されるなどチームをけん引した時期もあった。

長打力が持ち味とあって、湿りがちの打線の起爆剤となることが期待されそうだ。

 そしてひそかに注目されるのは泉口の再昇格にもある。開幕1軍を勝ち取りながら、10試合に出場し、11打数無安打、3三振と1軍の壁にぶち当たり、ファームで調整を命じられた。

 再度力を蓄えて、再びの1軍合流となった。キャンプ、オープン戦で頭角を現し、特に内野全ポジションをこなすなど、内野のスーパーサブとして存在感を示した。

 一方、チームにとっては坂本勇人を休ませるときに安定したパフォーマンスを示せる選手が欲しいところ。

いわば”ポスト坂本”としての期待も泉口にはかかる。 

 今季から本格的にサードコンバート、先の試合でも長嶋茂雄氏に並ぶ186度目の猛打賞をマークするなど、ここぞというときの勝負強さも健在のベテランは今季、身体的負担を減らすために定期的に休養日が設けられている。

 6日の試合も坂本は休養を与えられる中、「8番・三塁」で出場した中山は2打数無安打、試合途中からサードを守った増田大輝も2打数無安打に倒れた。

 坂本の休養日にサードとして攻守ともに活躍を示せる選手が出てくれば、それだけ選手層にも厚みが生まれることになり、柔軟な起用にもつながる。

 果たして泉口、秋広、平内と新たに合流する3選手がどんな風を吹き込んでくれるのか。楽しみにしたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]