井上尚弥の強さに欧米メディアも称賛の声を上げた(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 5月6日に東京ドームで行われた世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチで、統一王者の井上尚弥(大橋)が、WBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回1分22秒TKOで撃破した。

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 初回に井上がネリの左フックを顔面に食らい、プロキャリア27試合の中で初のダウンを喫してしまうが、欧米メディアはそこから立て直した井上の強さを称えている。

 英紙『daily mail』(電子版)は「誰もが認める世界スーパーバンタム級チャンピオン、ナオヤ・イノウエがプロキャリア初のダウンから立ち直り、ルイス・ネリを壊滅的な形で仕留めた」と伝えている。

 また、米スポーツ専門局『ESPN』のマイク・コッピンジャー記者は、「イノウエは弱さを見せたが、それでも無敵である」というタイトルの記事を配信。その中で「ほんの一瞬、たとえほんの一瞬だったとしても、ナオヤ・イノウエは人間のように見えた」と、「モンスター」の異名をとる井上がまさかのダウンを食らったことを、驚きをもって表現している。

 初回に起きた“サプライズ”に東京ドームを埋めた4万3000人の観客もどよめいていた。しかし、井上は6回、ロープ際にネリを追い詰めると、右アッパーを叩き込み、さらに右フックが決まると、ネリは口からマウスピースを吐き出して崩れ落ちた。

 同専門局も「イノウエはネリをパンチヒット数107対54と上回り、1ラウンドのダウンの後はほとんど触られなかった」と、井上の強さを伝え、「珍しく一瞬集中力が切れたにもかかわらず、イノウエは自分がまだ無敵であることを証明した」と綴った。

 そして最後に「イノウエはおそらく126ポンドまで体重を上げ、そこで5階級制覇を目指すことになるだろう。おそらくそのとき、イノウエは自分の偉大さの限界を真に試すことができるファイターに出会うだろう」と述べている。

 今回の東京ドームでのボクシング興行は34年ぶりだった。井上は日本人として初のメインイベントを務め、観客を虜にした。次は日本人初の5階級制覇を目指すのか。新たな目標を見据えて挑戦を続けていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]