苦しい打席の内容が続いている佐藤(C)産経新聞社

 阪神の主軸、プロ4年目シーズンの佐藤輝明がもがいている。

 阪神は5月7日の広島戦(甲子園)に0-2の完封負け。

2度の満塁機をものにできなかったことも響いた。

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 試合では昨年のゴールデン・グラブ、守備の名手で知られる中野拓夢が2失策を記録するなどエラーも足を引っ張った。

 一方、打線で注目されたのは「5番・三塁」で先発出場した佐藤輝明にもある。8回一死満塁の好機、一打逆転の場面で打席に入った佐藤はスイッチされた広島2番手、島内颯太郎の前に見逃し三振に倒れた。これで「42」三振、同記録は三振の両リーグワーストとなり、打率も両リーグワーストの「.193」と数字が厳しい現実を突きつけている。

 左打者としては史上初となる3年連続20本塁打以上をマークするなど、屈指の長打力は誰もが認めながら、佐藤が求められている点としては、安定したパフォーマンスにある。

 特に今季は開幕からここまで一時は打率も2割台に乗せたものの、現在は打率1割後半と低迷、岡田彰布監督も何度かスタメン落ちなど”カンフル剤”を打ち込みながら復調を願っているが、首脳陣の頭を悩ませる状態が続いている。

 そんな左の長距離砲に対し、アドバイスを送ったのは、同じく現役時代に左の長距離砲として数々の成績を打ち立てた、巨人OBの松井秀喜氏だった。

 同氏は球団創設90周年特別記念試合となった3日の巨人・阪神戦の試合解説(日本テレビ系列)を元巨人監督の高橋由伸氏とともに務めた。

 試合の中で左打者の先輩として佐藤の打撃の状態に関して聞かれると「同じ左バッターというよりも」と前置きしながら、「ボールの見極め、打つボール、打たなくていいボールというところで少しこの打率になってしまっているのかなという気はします」と選球眼が課題とされると話した。

 「ストライク、ボールの見極めに改善の余地があるのかなと思います」と改めて好球必打の姿勢を求めた上で、「フォアボールを進んで選べるぐらいの感じでいければいいんじゃないかと思います」とアドバイス。四球をしっかり選び取れるようになれば、自然と打率も上がってくるとした。

 松井氏は以前にも佐藤の打撃に関して、打てるボールの見極めをポイントに挙げたことがあった。

 チームにとっても球団史上初のリーグ連覇を果たすためには、「長打力」、得点力が間違いなく大事になってくる。現在のチームでは2年目の若虎、森下翔太が5本塁打と存在感を示しているが、仲の良さでも知られる佐藤、森下の「師弟コンビ」の大暴れこそ、ファンが待ち望んでいるシーンともいえる。

 現在セ・リーグは最下位のヤクルトまで3.5ゲームと混セの状態が続く。裏を返せば、連敗がつづけば、あっという間に遅れを取ることにもつながりかねないとあって、背番号8の豪快な打撃をそろそろ期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]