今永は主軸を抑え、渾身のガッツポーズも(C)Getty Images

 カブスの今永昇太が5月7日(日本時間8日)、本拠地で行われたパドレス戦に先発。

 デビューから無傷の5連勝と快進撃を続けており、この日の投球も注目された。

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 初回は1死から強打者タティス・Jrに四球を与えたが無失点。3回2死からはタティス、ジェイク・クロネンワース、マニー・マチャドの主軸から3者連続三振を奪う圧巻な投球で本拠地のファンを沸かせた。

 6回にも一死一、二塁のピンチを背負ったが4番マチャド、5番、ザンダー・ボガーツから連続三振を奪うと渾身のガッツポーズ。7回終了時点で今季最多となる95球を投じており、今季最長となる8回にも登板したが、無死一塁で迎えた1番のジュリクソン・プロファーにカウント2-2から低めのスプリットを拾われて、痛恨の逆転2ランを浴び、ここで降板となった。

 しかしチームも粘り強く戦った。8回には4番手の松井裕樹から犠飛で同点に持ち込むと2ー2の同点で迎えた9回裏には先頭打者のマイケル・ブッシュが初球を振りぬき、値千金のサヨナラ本塁打を放った。

 今永は8回途中、102球を投げて7安打8奪三振、2失点という投球内容、今季7試合に先発し、未だ負けはついておらず、防御率1.08となった。 

 また開幕からここまでときに中4日の登板も経験しながらカブス先発陣の柱として安定したパフォーマンスを示しているルーキー左腕の評価も高まっている。

 MLB公式サイトは、このたび、MLB幹部を対象に行った「最高のFA契約は誰だった?」という投票内容を公表。その中でドジャース大谷翔平を抑えて今永が最多得票だったことを発表した。

 今永は正確にはFAではなくポスティング移籍だったが「契約内容(4年5300万ドル(約82億円)は妥当。市場価値以上の活躍を果たしている」とナ・リーグ球団幹部は応えている。

 昨冬の移籍市場で注目されたのは、エンゼルスからドジャースへ10年総額1000億円もの超大型契約で移籍した大谷、また投手ではオリックスから今永と同じくポスティングでドジャースへ移籍した山本由伸が12年総額3億2500万ドル(約455億円=発表当時のレート)と期待の高さをうかがわせた。

 今永に関して「評価は高かったが、山本へのスポットライトの影に隠れていた」とア・リーグ幹部も話したという。今永の現在の評価に関しては「バーゲン価格だ」と”お手頃”だったと認める幹部もいたとされる。

 気合の半袖投球でも人気を高め、着々と地位を積み上げている。シーズン序盤ながらナ・リーグ新人王最右翼とも目される左腕の引き続きの活躍を期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]