大城は悩む顔を見せることも増えていた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 5月8日のNPB(日本プロ野球機構)の公示で巨人では捕手の大城卓三が抹消となった。

 打線活性化を目指して、選手入れ替えを積極的に進めている阿部慎之助監督が大きな決断を下した。

今季ここまで23試合に出場。打率.188、3打点、最近は20打席連続ノーヒットと不振だった大城を抹消、代わって5年目捕手の山瀬慎之助が登録となった。

【動画】さすがの勝負強さ!巨人・大城が広島戦でサヨナラ打を放ったシーン

 大城は昨年チームの主戦捕手を務め、キャリアハイとなる16本塁打をマーク、3月にはWBCにも侍ジャパン代表として出場。世界一奪還にも貢献した。今季は4月13日の広島戦で延長12回に代打として登場、サヨナラ打をマークするなど勝負強さも示していた。

 一方で今季はリード面や捕手としてのふるまいを阿部監督から指摘される場面も増えていた。

 代わってベテラン小林誠司の出場機会が増えており、最近は代打での出場機会が増えていた。直近は20打席ノーヒットと打撃でも不振が目立っていた。

  昨年、山崎伊織がシーズン最終戦でプロ初完封を成し遂げたときのバッテリーは大城だったが、8日の中日戦で山崎が今季初完封を達成したバッテリーは岸田行倫だった。大城以外にも頑張りを見せている捕手がいることで、この時期の抹消となった事情もうかがえる。今回の抹消にはファンの間からもSNS上で「2軍で立て直して、戻ってきて!」「大城の打撃が必要になる場面がきっと来る!」など早期復調を願う声もあふれた。

 一方、昨年16本塁打をマークと球界屈指の「打てる捕手」として長打力が持ち味の大城が2軍降格となったことで、オフの動きにも影響を与える可能性も出てきた。

 大城は順調にいけば、今季国内FA取得年となっている。捕手は育成に時間がかかることで知られ、どの球団も打力がある捕手は求めている。仮に大城が手をあげれば複数球団による争奪戦になるとも指摘されている。

 今季は阿部監督が「守り勝つ野球」を掲げる中、ファーム調整を命じられた背番号24は何を思うのか。今後の動向も注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]