剛腕が生きる場所は果たして、どことなるのか(C)Getty Images

 メジャー2年目シーズンを迎えている藤浪晋太郎が苦しんでいる。

 昨年オリオールズ在籍時代にリリーフとして快進撃を見せた時期もあったが、今季メッツと契約したものの、オープン戦では防御率12.27と振るわず、まもなく3Aに降格となった。

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 メッツ傘下3Aシラキュースでも、ここまで9試合の登板で防御率14.09と悪癖ともいえる制球難に悩まされている。

 今季は今永昇太(カブス)、山本由伸(ドジャース)、松井裕樹(パドレス)など投手陣では新たな顔ぶれの日本人メジャーリーガーの活躍が日々伝えられる中、やや寂しい現状となっている。

 調子が悪くなると課題の制球難が顔をのぞかせるとあって、安定したパフォーマンスが期待されている。

 一方で現在でも直球の球速は155キロ超、昨年〝ゾーン〟に入ったときは160キロ超を記録するなど、日本人離れした球威あるパワーピッチングが持ち味でもある。

 日本球界では先にメジャー挑戦しながら、古巣DeNAへ5季ぶりの復帰を選んだ筒香嘉智の存在も大きく話題を呼んだ。

 開幕からすでに1か月が経過。

どの球団もウイークポイントは見えつつある。投手人材に苦しむチームからすれば、魅力的な存在ともなりえそうだ。

 その意味でひそかに注目されているのは、新庄剛志監督率いる日本ハムにもある。新庄監督といえば、未完の大器ともされる藤浪の素材にほれ込み、自身が再生してみせると断言。過去にはプロ野球OBのYouTubeに出演した際に「藤浪獲得」を強く訴えたこともあった。

 また、逆に古巣の阪神復帰の可能性は現状では高いとはいえなそうだ。

守護神にはハービー・ゲラ、岩崎優のダブルストッパー体制を敷き、先発陣も若手含め、安定したパフォーマンスを示す選手が多いとあって、「椅子」はないかもしれない。

 阪神の宿敵、巨人では守護神・大勢がコンディション不良で先に抹消になったばかり。早期復帰が期待されているが、昨年も一定期間、離脱したとあって、ブルペン充実は常に念頭にあるだろう。

 そして藤浪といえば阪神に入団から3年連続で10勝以上をマーク、高身長から繰り出される伸びやかな直球、野性味あふれる投球術は多くの野球ファンの心に残っている。先発、救援と様々な役割も経験していることは強みともなる。

 年齢も30歳とこれからが脂の乗った投球が期待される時期でもある。

 ロマン砲ならぬ、屈指の"ロマン投"ともいえる藤浪のスイッチが入る時期はいつとなるのか、また新たな展開は出てくるか。今後夏場のトレード締め切りに向けて日米ともに活発化してくる移籍情報とあわせて、引き続き水面下でも注目を集める存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]