ミネラルウォーターやコーヒー、お茶など、毎日何気なく飲んでいる飲み物。水分はたくさん採ったほうが良いからと積極的に採っていたら「水太り」したという経験がある人も少なくないはず。
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水分はたくさん摂ったほうが良いと思っていつもより多く摂ったら、翌朝なんだか太って見えたり……。その原因、飲み物にあるかもしれません。
意識せずに飲んでいる飲み物とその摂り方を見直して、体のスッキリ感を感じてみませんか? 「飲み物習慣」を改善して、ダイエットの追い風にしましょう!
体の変化から判定!あなたの「飲み物習慣」は大丈夫?
次のうち1つでも当てはまったら、飲み物習慣を見直すべきかもしれません。早速チェックしてみましょう!
□朝は顔がむくんでいることが多い
□お腹ぽっこり。ベルトの上に贅肉がのっかる
□常に脚がむくんで、足首もふくらはぎもパンパン
□お尻が垂れ下がっている
RIZAP管理栄養士・小林愛さんがレクチャー 飲み物と体の関係

ダイエット中でもそうでなくても水はたくさん飲んだ方が良いと聞きますが、水太りはしないのでしょうか? RIZAP管理栄養士・小林さんに聞いてみました。
「上記のチェック項目にある顔、お腹、脚、お尻は、男女共に『太っているかそうでないか』を認識する部位です。中でも顔や脚は、水分摂取の影響が見た目でわかりやすいパーツ。そのために水分摂取を控えようとしますが、水分は正しく摂ればむくみ解消にもなります。RIZAPでは低糖質の場合、1日に摂取して頂く水分量を、男性3リットル、女性2リットルと指導しています。」(小林さん)
小林さんによると、たくさん水を飲んで太ってしまうのは「むくみ」が慢性化していることに原因があるのだとか。
「血液は体のすみずみまで栄養や酸素を届け、リンパは体内の老廃物の回収と運搬、細菌や異物の侵入を防御する免疫機能があります。水は血液とリンパの流れを促す大事な働きをしています。1日に必要とされる水分を摂取することで、尿や汗と一緒に老廃物が排泄されると言われています。体内に不要なもの、余計なものを溜めないことは、ダイエットにも効果的です。」(小林さん)
ポッコリお腹、脚のむくみ、垂れたお尻…… コレって、どうにかならないの?
余分なものを溜めると起こる体型崩れ。小林さんがその対策を指南します。
●ポッコリお腹

冷たい飲み物は体内に吸収されると胃腸が冷えて吸収の働きが悪くなり、血液やリンパにスムーズに流れないため、体内に溜ってしまいます。
胃は食べたものを消化する臓器ですが、冷えていればその働きが滞って、いつまでも胃の中に食べたものが残り、胃が下がるなどの原因により下腹部が出てしまいます。
日常的に冷たい飲み物を飲めば胃もたれや胃下垂の原因にもなるので、どんなに暑い日でも温かいものもしくは常温のものを摂取しましょう。
●脚のむくみ

脚のむくみとは、皮膚の下にある細胞と細胞の間に水分が溜っている状態です。 普段の生活でむくみやすくなる原因がこちら。
・運動不足や同じ姿勢が続くことで起こる血行不良
・お酒の飲み過ぎ
・塩分の摂り過ぎ
・ホルモンバランスの乱れ
・体の冷え
上位3つは、仕事をしている人たちの日常生活でよく見られます。
思い当たる人は、以下の対策方法を取り入れてみましょう。
<�運動不足などの血行不良>
運動不足だったり、立ちっぱなし&座りっぱなしという同じ姿勢が続くと、筋肉が使われず、血液やリンパの流れが滞ってむくみの原因に。ストレッチやマッサージをこまめに行って血行をよくしましょう。
<�お酒の飲み過ぎ>
お酒を飲むと血中アルコール濃度を薄めるため、血管は水分を吸収し膨張します。これがむくみにつながります。飲んだ以上に排尿してしまうこともあるので、脱水状態になると体は危機感を感じ、喉が渇き水分を欲します。
<�塩分の摂り過ぎ>
体内で摂り過ぎた塩分を排出するためには、たくさんの水分が必要となります。塩辛いものを食べると水が飲みたくなるのはそのためです。
体内の塩分濃度の調整は「カリウム」が行っていますが、不足すると血管内の水分を増やすことでバランスを取ろうと働きます。
必要以上に水分を摂ることで血管内の水分量が増え、むくみにつながります。1日の塩分摂取量を超えない食事がむくみ対策になります。
●垂れたお尻

体の中でも脂肪が多いお尻は、筋力が低下しやすく、脂肪が消費されずに余分な脂肪として残りやすいパーツ。運動不足や座る時間が長い姿勢は、お尻の筋肉をあまり使わないため垂れ尻の原因に。筋肉をこまめに動かして脂肪を燃やすような運動の継続や正しい姿勢が、垂れ尻対策に役立ちます。
コーヒー、1日何杯飲んでますか? ダイエットに効果的な飲み物とは?

小林さんが水分補給と不要物を体外に排出するためにオススメしたいのが、「飲み物と摂り方の工夫」。
「利尿作用が高い飲み物では、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などのカフェイン入りの飲み物がオススメです。
毎日飲んでいるコーヒー。朝起きて1杯、出社して缶コーヒー1本、ランチに、午後の眠気覚ましに……と、働いている人は特にコーヒーを飲む機会って多いんですよね。 そこで、ダイエット向きのコーヒーの飲み方を教えて頂きました!
ドリップ? それともエスプレッソ?
飲み物の中でもコーヒーはカフェインが多く、利尿作用があります。コーヒーの種類や抽出する時の温度などによってカフェインの量に違いがあります。1日に飲んでも良い量の目安として、濃いものはコーヒーカップ3杯程度、薄いものは4杯程度。缶コーヒーの場合は「無糖」を選んで2本まで。飲み過ぎは胃腸に負担をかけることもあります。また、長期的なカフェイン摂取は高血圧リスクが高くなる可能性もありますので気を付けましょう。
ミルクは入れてもいい?
牛乳には「乳糖(ラクトース)」と呼ばれる「糖」が入っています。甘さ控えめなので摂り過ぎてカロリー過多を招いたり、特に男性は乳糖が分解されずにお腹がゆるみやすくなることもあります。コーヒーに入れるなら、牛乳よりは脂肪も糖質も少なめの「無調整豆乳」がオススメ。
炭酸水は、量によって食欲を増進させる!

炭酸水は満腹感が得られるし、ダイエットに良さそうと好んで飲んでいませんか?
「むしろ逆です。人によっては、炭酸水は食欲を増加させる作用があります。炭酸水で満腹感を得たいと思ったら、ペットボトル500mlくらいは飲む必要があります。少しずつ飲むと、かえってお腹が空いてしまいます。」(小林さん)
逆にたくさん食べたい時は、お店に行く前にコップ1杯の炭酸水を飲んでおくと胃が活発になってたくさん食べることが出来るほど、炭酸水には食欲増進効果があるのだとか。口当たりがよくてサッパリしているから飲みやすいけど、ダイエット中は注意が必要ってことですね。
運動の後はスポーツドリンクが良いというのも勘違い!

炭酸水ダイエットと同じように勘違いしていることがもうひとつあります、と小林さん。
「スポーツドリンクは運動をした後に飲むものと思っている人、多いですよね。実は、スポーツドリンクには多量の砂糖が入っています。だから飲みやすいし、飲みすぎちゃうことも。軽いウォーキングや1時間程度の軽い運動の後は、水を飲むことをオススメします。汗だくになるようなトレーニングの後は、ナトリウムを含んだスポーツドリンクがおすすめです。砂糖の多い甘いスポーツドリンクは必ず水で薄めて飲むようにしましょう。」(小林さん)
日常的に飲んでいた飲み物を少し変えるだけでダイエット効果がグンとアップ!
さらに運動をプラスして、むくみの原因となる「重力」に負けない筋肉をしっかりつけておくことも大切。
身近にできることからすぐに取り入れて、かしこくダイエットしましょう。
小林さんからのアドバイス
体に取り入れた飲み物はダイエットと密接な関係があるということを、日々の生活の中で意識するだけで太りにくい体づくりに役立ちます。
[文:HOWZAP 【ハウザップ】 ライザップが運営するボディメイク情報マガジン)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。