ハジャーもレッドブルのシートを狙っているひとり。チーム内バトルは白熱しそうだ(C)Getty Images

 F1の2025年シーズンに向け、すでにいくつかのチームではテスト走行を行っており、その様子などが各メディアより報じられている。

角田裕毅が所属するレーシング・ブルズも、チームの本拠地であるイタリア・イモラサーキットでの旧車によるテストで始動。レギュラードライバーである角田、アイザック・ハジャーによる走り込みが行われている。

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 角田の新たなチームメイトとなるハジャーは、今回のテストでも注目を集める存在だ。昨年、ドライバー交替など様々な動きをみせたレッドブルグループ内において、下部組織から抜擢され2025年にF1デビューを迎える。英メディア『F1 OVERSTEER』でも、F1の舞台に挑む20歳をフォーカスしており、今回のテストの内容なども伝えている。

 現地時間1月24日に配信となったトピックにおいて同メディアは、「昨年のF2シーズンでは安定した成績を残し、最終戦で失速しなければタイトルを奪う可能性もあった」とドライバーとしてのハジャーのポテンシャルを強調する。

 また、今月行われたイモラでのテスト走行でも、ハジャーが「印象的な走りをみせた」と評価している。『Motorsport』イタリア版でのレポートをもとに、イモラでは悪天候の中で82周を走行したと伝えながら、「ハジャーは1分34秒台後半のラップタイムを安定して記録したという。彼は“極限の安定感”を見せ、低いグリップ条件下でもミスをせずにマシンを操る“熟練ぶり”を発揮した」として、テストでの印象を綴っている。

 その上で『F1 OVERSTEER』では、ハジャーの新シーズンを展望。ルーキーイヤーについて、「チームのペアでは、より経験豊富なユウキ・ツノダが主導役を担うと予想される一方で、ハジャーにとっては、将来的にレッドブルがドライバーラインナップに変更を加える場合に備え、自身が昇格に値する存在であることを示すチャンスとなる」と説明。

 だが、すでにグループ内における“突き上げ”もあるとして、「ハジャーは、下部組織のアービッド・リンドブラッドからプレッシャーを受けることになると言われており、レッドブルはドライバーに対して容赦ないことで知られている」などと論じている。

 新人とはいえ、常に重圧を背負いながらシーズンを送ると予想するとともに、相方である角田の存在にも言及。同メディアは、「ツノダはハジャーにとって良いベンチマークとなり、レッドブルにとって彼が本物かどうかを見極め、必要であればワークスチームにステップアップできる潜在能力があるかどうかを判断することに役立つだろう」などと見通している。

 コース上でのパフォーマンスが重要視されることはもちろん、チーム内でも多くの役割を負うことが予想される中、どのような成長を遂げるか。新たにF1パイロットとして最高峰のレースを戦う若武者、ハジャーの走りに要注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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