ブルペンで熱心な投球練習を重ねている大谷。(C)Getty Images
どれだけ成功を掴もうと過信はない。
メジャー8年目のシーズンを迎えた大谷は、目下開催中の春季キャンプにおいて投球分析に余念がない。23年9月にキャリア2度目となる右ひじへの手術を執行した30歳は、約1年半に渡るリハビリに時間を費やし、「投手・大谷」の復活ひいては二刀流の再起に向けた準備を重ねてきた。
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無論、再発のリスクを鑑みながら慎重に段階を踏んではいる。その中で今春は2度もブルペンに入り、丁寧に動作を確認しながら投球感覚を養っている。
そんな大谷が熱心に取り組んでいるのが、新たな投球フォーム定着とも思える動きだ。右肘側副靭帯の損傷を負うまで、走者の有無にかかわらずセットポジションから投げていた背番号17だったが、今オフは自主トレ、春季キャンプを通じてノーワインドアップ投法をメインに練習。理論上では腕にかかる負担を軽減できるフォームにトライしている。
怪我を機に新たな取り組みに挑む背景には、本人の尽きぬ向上心がある。現地時間2月20日に地元スポーツ専門局『Sports Net LA』などの取材に応じた大谷は「常にそうですけど、変化を求めていきたいと思っているので。ここメジャーにきてからセットで投げてますけど、自分の中で打撃もそうですけど変化を求めたい」と告白。現状維持ではなく、細かな変化でスキルを高めていく意識の高さを垣間見せた。
この変化には現地メディアでも驚きの声が上がった。米紙『Orange County』は「また強度が上がった時に、(身体に)どういう反応が来るのかによって決めたい」という本人のコメントを伝えた上で「彼はメカニクスを常に探求し続けている。投球フォームの変化は非常に興味深い」と論じた。
今後は5月中の実戦復帰に向けて注力していくとみられている。それまでに大谷の投球フォームの改造はどこまで進むのか。いずれにしても、偉才の投手復帰に対する興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]