皆さんは、毎日良質な睡眠を取れていると感じていますか?
「ぐっすり眠れない」「寝つきが悪い」「寝ても疲れが取れない」など、睡眠に関する悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「疲れないカラダ大図鑑」(アスコム社)から、そんな悩みを一気に解消できるかもしれない、夜の過ごし方について、ご紹介します。
ぐっすり眠るためには自律神経がカギを握る
なぜ、寝つきが悪いのか?ぐっすり眠れないのか?
その理由の一端は、「自律神経」にあります。
自律神経は、私たちの体をアクティブにしたり、リラックスさせたりしている神経です。
自律神経には2種類あり、交感神経が活発に働くとアクティブになり、副交感神経が活発に働くと体はリラックスします。
夜が近づくと、健康な人なら副交感神経の働きが高まり、自然と眠くなってきます。
しかし、ストレスを過剰に抱えている現代人は、夜になっても副交感神経の働きが高まらず、それが原因で不眠になっている人が非常に多いのです。
では、夜に副交感神経の働きを高めるためにはどうしたら良いのでしょうか?
ここでは、2つの方法を紹介します。
1つは、夕食をとる時間です。
ベッドに入る3時間前には夕食を終えることが、副交感神経の働きを高めるのに有効だとされています。
咀嚼(そしゃく)する動作は、交感神経を活発にします。
一方、消化や吸収は副交感神経がつかさどっています。食事をしてから最低でも3時間は交感神経が優位になっているため、副交感神経を優位にするには、眠る3時間前までに食べ終えるのがいいとされています。
2つ目は入浴法についてです。
40~42℃のお湯に入り、頭頂部から汗が出てきた頃合いに、30℃くらいの、ぬるま湯のシャワーを30秒ほど浴びるようにしましょう。
これを5回、繰り返してみてください。

熱いお湯は交感神経を刺激し、ぬるま湯のシャワーは副交感神経を刺激します。
交感神経と副交感神経の両方が刺激されると、全身の血流が格段によくなり、その結果、ぐっすり眠れて、朝はスッキリ目覚めることができます。
筋肉はマッサージを受けたように軟らかくなり、肉体的な疲労は驚くほど軽減します。
ちょっとした筋肉痛なら、一瞬ですっかりよくなるでしょう。
本来であれば、「熱いお湯」と「ぬるま湯」に交互に入ることができればベストですが、湯船は一つしかない家がほとんどだと思います。ですので、ぬるま湯のシャワーでの代用で実践してみてください。
質の良い睡眠は、心身の健康をコントロールする自律神経系のバランスを安定させます。
是非、この入浴法を実践し。質の良い睡眠を手に入れてみてください!
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【参考文献】
『疲れないカラダ大図鑑』(アスコム刊)
【著者】
夏嶋 隆(なつしま・たかし)
メディカルトレーナー。動作解析専門家。大阪体育大学サッカー部、関西国際大学サッカー部トレーナー。
1957年、大阪府出身。大学を卒業後、実業団バレーボール部の指導者としてキャリアをスタート。
当時無名だった久光製薬バレーボール部をいきなり国体優勝に導き一躍注目されるが、道半ばにして医師に完治不能と言われた怪我を負う。だが、最後の望みをかけて訪ねた、かつて旧日本軍の軍医も務めていた医師のもとで治療を受けるとみるみる回復。
その治療方法と、患者に真摯に向き合う姿勢に感銘を受け、同医師に師事。手技療法の道に進む。
そこでの経験をもとに、人間の動作を観察・記録し、科学的アプローチを背景にした、人間が本来持つ力を十分に引き出す指導する、動作解析の専門家として活躍を始める。
とくにアスリートからの支持は絶大で、指導を受け活躍する現役のプロ選手は、サッカー界だけでも30名以上。
また、知る人ぞ知る存在から、突然、夏嶋氏のもとを訪れる人が多く、自身の治療院のドアを開けたら、日本代表選手が立ち尽くしていて驚いた、ということもしばしば。
現在も、スポーツ界の発展に尽力し、また、医者もあきらめる怪我を負った人を救い続けている。