女優の吉岡里帆が舞台初主演を務める、パルコ・プロデュース2022『スルメが丘は花の匂い』が、7月に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演されることが発表された。かもめんたるの岩崎う大が作・演出を務め、共演には伊藤あさひ鞘師里保らが顔をそろえる。



【写真】共演には伊藤あさひ、鞘師里保、ふせえりら

 本作は、童話の世界を舞台に、幸せとは何か、価値観の違う者同士が共存するにはどうすればよいか、という普遍的テーマに触れた、唯一無二の「岩崎う大流」ファンタジー・コメディー。

 ある日、縁緑(吉岡里帆)はスルメの匂いに満ちた「スルメが丘」という名の集落に迷い込んでしまう。そこはシンデレラや浦島太郎など童話の主人公が生まれる不思議な世界だった。スルメが丘で暮らす人々は、ファンタジーな世界で自由に生きていると思われたが、「スルメ姫」という物語の主人公として生きることを運命づけられた少女クロエや、物語を成立させようと必死に生きる人々と会い、自由の影を見る緑。ハッピーエンドを求める町の人々の気持ちとは裏腹に緑の登場で少しずつ物語に異変が生じていく―。果たして「スルメ姫」の物語は無事結末を迎えることができるのか? 緑は元の世界に戻れるのか?

 『FORTUNE』(2020年)や劇団☆新感線『いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩」』(2021年)など話題作への出演が続く吉岡が本作で満を持して舞台初主演。「岩崎う大さんとは一度共演させていただいたことがあり、独特な空気が漂っていて面白い方だなと直感的に感じました。岩崎さんの世界観を体現できるように、一緒に丁寧にものづくりしていきたいなと思っています」と意気込みを語る吉岡。「可愛らしい世界観の中にもどこか奇妙な空気が常に漂っているような作品で、皆さんには『なんだこの作品は!』と今までにない体験をしていただけるのではないかと思います」と語る。

 お笑いコンビ・かもめんたるとしての顔のほか、主宰する『劇団かもめんたる』の作品で2度岸田國士戯曲賞にノミネートされるなど、劇作家・演出家としても高い評価を集める岩崎が本作を書き下ろし、演出も担当。岩崎がプロデュース公演の作・演出を手掛けるのは、今回が初となる。「以前共演させていただいて、とにかくセンスの良い方だと感じました」と吉岡の印象を語る岩崎は、「単純にこの仕事が成功するか否かで、私の今後の演劇生活が変わると思っています。
なので、今、目はかなり血走っています。意気込み半端じゃないですね」と熱いメッセージを寄せた。

 共演には、伊藤あさひ、鞘師里保、牧野莉佳、もりももこ、小椋大輔、ふせえりら実力派キャストがそろった。岩崎もクロエ(鞘師)の父親役で出演する。また、本作のビジュアル制作では、「Heaven by Marc Jacobs」のセカンドシーズンにコントリビューターとして参加するなど、国内外で広くクリエイションを行っているanccoをキャラクターデザインに起用。そのほか、気鋭のクリエイター陣が集結し、POPで不思議な「スルメが丘」ワールド全開なビジュアルが完成した。

 パルコ・プロデュース2022『スルメが丘は花の匂い』は、7月22日~31日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。その後、8月6日~7日に大阪・松下IMPホール、8月11日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、8月12日に広島・JMSアステールプラザ 大ホール、8月14日に高知県立県民文化ホール オレンジホール、8月17日に愛知・東海市芸術劇場 大ホール、8月26日に福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホールにて上演。

※岩崎う大、吉岡里帆コメント全文は以下の通り

<コメント全文>

◆作・演出:岩崎う大(かもめんたる)

 「物語」という、人間が生み出した楽しい魔法のような存在に、真正面から向きあったら、知らないうちに中に飛び込んでしまったようなお話です。結果、笑いあり涙あり、笑い多めの舞台になったと思っています。フィクションの持つ強さを全方向に広げて皆さんを包み込みたい・・・と、色々言ってますが、王道にしてオンリーワンな舞台になるでしょう!
 
 吉岡里帆さんとは、以前共演させていただいて、とにかくセンスの良い方だと感じました。こんな人と何か作れたら、面白いだろうなあと思っていたら、今回こんな機会に巡りあって、幸せです。
皆さま、一流の方々なので、そこでの化学反応を最大限にするようにみなさんの顔色を伺いながら頑張ります。私が手掛けるコメディーですから、それぞれのファンの方には『推し』の新たな表情を観て頂けると思います。
 
 単純にこの仕事が成功するか否かで、私の今後の演劇生活が変わると思っています。なので、今、目はかなり血走っています。意気込み半端じゃないですね。とは言えこのエネルギーも、最大の化学反応のために出力を調整しなくてはいけないことも理解しています。さらに、とは言え倒れるなら前のめりがいいですね。と言いつつ、最初で最後のメンバーですから、みんなに「あの舞台最高だったなぁ」って後々振り返ってもらえる舞台にしたいです。それは観劇してくれる皆様にも同じです。期待してください。

◆主演:吉岡里帆

 「スルメが丘は花の匂い」で異世界からやってきた女の子、緑を演じさせていただきます。
 
 岩崎う大さんとは一度共演させていただいたことがあり、独特な空気が漂っていて面白い方だなと直感的に感じました。
岩崎さんの世界観を体現できるように、一緒に丁寧にものづくりしていきたいなと思っています。

 可愛らしい世界観の中にもどこか奇妙な空気が常に漂っているような作品で、皆さんには「なんだこの作品は!」と今までにない体験をしていただけるのではないかと思います。
 
 ぜひお楽しみに!

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