第47回菊田一夫演劇賞の授賞式が5月30日、東京会館で開催され、大賞を受賞した舞台『千と千尋の神隠し』で主演(ダブルキャスト)を務めた橋本環奈上白石萌音をはじめ、演劇賞を受賞した佐藤B作、木下晴香、森新太郎、特別賞を受賞した松本白鸚が出席した。

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 菊田一夫演劇賞は、1975年に日本の演劇界に偉大なる足跡を残した菊田一夫氏の業績を永く伝えるとともに、菊田一夫氏の念願であった演劇の発展のための一助として創設された演劇賞。

大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する。
 
 舞台『千と千尋の神隠し』は、その高い舞台成果に対して、上演関係者一同に大賞が贈られた。

 橋本は「私たちみんなで作った舞台が菊田一夫演劇賞大賞を受賞することができて大変光栄に、嬉しく思っています。『千と千尋の神隠し』という作品は誰もが知る世界的な不朽の名作で、それを舞台化するということになり、世界初演ということもあって0から1を作る作業がこんなにも大変なんだと日々の稽古で感じていて、幕を開けるために誰一人欠けても上演出来なかったと思うとカンパニー全員でこの賞を受賞できたことが嬉しいです」とあいさつ。

 上白石は「みんなで一つの賞をいただけたことがとても嬉しいです。この作品は国内のみならず海外にも上演関係者がいらっしゃいます。国境も世代も超えて大きなカンパニーが一本の映画への愛とリスペクトで強くつながっていることが素敵だなと思いますし、その輪の中に自分もいられることを幸せに思います」と述べた。

 受賞者には選考委員会より賞状と、正賞の盾と副賞の賞金(大賞:100万円、演劇賞および特別賞:50万円)が授与された。

 なお、演劇賞を受賞した土居裕子は新型コロナウイルス感染症のため欠席し、代理で所属事務所代表取締役が登壇した。

<橋本環奈・上白石萌音コメント全文>

◆橋本環奈

 私たちみんなで作った舞台が菊田一夫演劇賞大賞を受賞することができて大変光栄に、嬉しく思っています。「千と千尋の神隠し」という作品は誰もが知る世界的な不朽の名作で、それを舞台化するということになり、世界初演ということもあって0から1を作る作業がこんなにも大変なんだと日々の稽古で感じていて、幕を開けるために誰一人欠けても上演出来なかったと思うとカンパニー全員でこの賞を受賞できたことが嬉しいです。まだ北海道、愛知と公演が続くのでこの賞を励みにもっと磨きをかけて精進していきたいと思います。
本日はありがとうございました。

◆上白石萌音

 この度はありがとうございます。みんなで一つの賞をいただけたことがとても嬉しいです。この作品は国内のみならず海外にも上演関係者がいらっしゃいます。国境も世代も超えて大きなカンパニーが一本の映画への愛とリスペクトで強くつながっていることが素敵だなと思いますし、その輪の中に自分もいられることを幸せに思います。お客様の中には初めて舞台をご覧になるという方が多いそうです。そういった方々にもっと演劇を観てみたいと思っていただけるような、良い入り口になれるような作品でいられるよう努めてまいります。まだロングランが続くなかでこのような栄えある賞をいただけたことはカンパニー全体の活力になっています。賞に恥じぬよう一公演一公演を大切にお届けしたいと思います。ありがとうございました。

 第47回菊田一夫演劇賞 受賞結果は以下の通り。

第47回菊田一夫演劇賞

■演劇大賞

『千と千尋の神隠し』上演関係者一同 『千と千尋の神隠し』の高い舞台成果に対して

■演劇賞

佐藤B作 『サンシャイン・ボーイズ』のアル・ルイス役の演技に対して

土居裕子 『リトルプリンス』の王子役の演技に対して

木下晴香 『モーツァルト!』のコンスタンツェ役、『王家の紋章』のキャロル役、『彼女を笑う人がいても』の岩井梨沙/山中誠子役の演技に対して

森新太郎 『ジュリアス・シーザー』、『冬のライオン』の演出の成果に対して

■特別賞

松本白鸚 『ラ・マンチャの男』の主演を半世紀以上にわたりつとめた功績に対して

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