俳優の仲野太賀が主演を務める10月スタートのドラマ『ジャパニーズスタイル』(テレビ朝日/毎週土曜23時30分)の追加キャストとして、市川実日子、要潤、KAZMA、石崎ひゅーい、檀れい、柄本明の出演が決定した。
【写真】フラメンコダンサーのルーシーを演じる市川実日子
本作は、テレビ朝日初の本格シットコム。
舞台となるのは、さびれた温泉旅館『虹の屋』の玄関とロビー、従業員室・大浴場の入口とエレベーターのみ。その限られた空間で30分間ノンストップの群像劇が繰り広げられ、撮影自体もほぼ<本番一発>の長回し。そんなチャレンジングな試みに、市川実日子や要潤、KAZMA、石崎ひゅーい、檀れい、柄本明が仲野とともに挑戦。
物語は、温泉旅館『虹の屋』の3代目である父親に反発し家を飛び出したものの、うだつの上がらない毎日を送っていた哲郎(仲野)が10年ぶりの帰宅を果たすところから始まる。そんな彼を待ち構えていたのは、口が悪い流しのフラメンコダンサーの寺門・ルーシー・数子(市川)、温泉嫌いで潔癖症の支配人・影島駿作(要)、UNO依存症の料理長・浮野奏太(KAZMA)、息子と占いに人生を捧げるシングルマザーの仲居・浅月桃代(檀)とその母親と一輪車を愛する少年のような従業員・浅月凛吾郎(石崎)、省エネ仕事で40年も旅館にしがみつく古株・梅さんこと梅越一二四(柄本)というひとクセもふたクセもある猛者たちだった―。
仲野は今回解禁となった共演者たちについて「一緒にお芝居をするうえでこんなに頼もしい共演者の方々はいない」とコメント。一方で「皆さん個性的ですし、異種格闘技みたいになるのでは(笑)」と、<本番一発勝負>ならではの、先読み不可能な展開の様子を少し不安げに吐露した。
しかし、市川を始めとした共演者たちは皆、誰も成し遂げていない新たなドラマへチャレンジすることの意義を語り、脚本の金子へ信頼を寄せている。
要は本作の脚本に「リズムがすごくいいですね。それぞれのキャラクターが立っていますし、言葉も独特です。非常にバランスが良くて、まさに『ジャパニーズスタイル』のコンセプトに則った脚本だなと思いました」と今からワクワクしていることを明かし、石崎は「金子さんの世界観の中に自分が入ることができるという興奮がありました」と喜びを語った。
金子が得意とするスピーディーな会話劇の展開が予想されるが、KAZMAは「金子さんの理想通りにはきっと動けないので、諦めてもらって(笑)」と不敵な笑みを浮かべた。はたして物語は、誰も失敗することなく、脚本通りスムーズに進行するのか。
土曜ナイトドラマ『ジャパニーズスタイル』は、テレビ朝日系にて10月より毎週土曜23時30分放送。
※解禁キャストのコメント全文は以下の通り
<コメント全文>
■市川実日子(寺門・ルーシー・数子役)
今回の企画のお話を聞いた時は「怖い怖い怖い! 絶対ヤダ!」と思いました(笑)。でも、そういう気持ちは、何かに挑戦する時や、見たことのないものに挑む時にいつも生まれます。怖いですが、少し楽しみでもあります。でも…本当に少しだけです(笑)。
ルーシーは《流しのフラメンコダンサー》ですが、役に関しては決めすぎず、お稽古と本番とあるので、今回ならではの役の掴み方をして行けたらと思っています。心地良いルーシー像が見えてきたらいいですね。本作に登場する人物は可愛らしい、不器用なキャラクターたちばかり。きっと彼らの様々な面が回を追うごとに見えてくると思うので、金子さんの脚本が楽しみです。
仲野さんとは3回目の共演となります。加えて、各ジャンルから、いろんな個性の方々が集まっていますので、シットコムの緊張感も相まって相乗効果でどんなことになるのか…。ほかの現場ではなかなかない、役者同士の連帯感や情も生まれそうですよね。ドラマなんだけど、ドラマじゃない、しかも、撮り直しもしない…緊張感と恐怖感で震えておりますが、誰ひとり予想ができていないことがこれから始まりますので、孫を愛でるような気持ちで(笑)、観ていただければと思います。
■要潤(影島駿作役)
企画をお伺いした時に、本当に魅力的なドラマだなと思いました。ここのところ、こういったコメディに出会う機会がなかったので、お話をいただいた時はふたつ返事で「やりたい」と即答しました。もちろん、《ほぼ本番一発撮影》への不安もありますが、実は僕自身、一発本番が好きなタイプなんです。
影島という役は、「虹の屋」の支配人で潔癖キャラ。そこに今回、特徴のある髪型にしてみたり、完璧に見えて実はコンプレックスがあるような見た目にして、キャラクター自体に奥行きを持たせてみました。太賀くんは、非常に緻密で繊細なお芝居をしてくる役者。でも、どこかしら勢いもあって、こちらの呼吸にも合わせられる。今回はほぼ一発本番ですので、彼の瞬発力はいい感じで生きてくるのではないかと考えています。
金子さんの脚本は、リズムがすごくいいですね。それぞれのキャラクターが立っていますし、言葉も独特です。寄りも俯瞰も、両方の視点をお持ちなんだなと感じています。非常にバランスがよくて、まさに『ジャパニーズスタイル』のコンセプトに則った脚本だなと思いました。近年の若い人たちはYouTubeなど、ドキュメンタリー寄りのメディアを見慣れていると思うんです。そういう意味では、今まで観なかったようなドラマになっていると思いますし、役者としての力量も感じていただけると思います。今の時代にやるからこそ、新しいものになるんじゃないかと思っています。役者の力と力のぶつかり合いから生まれるエンターテインメントに期待してください!
■KAZMA(浮野奏太役)
月並みなのですが、最初にお話を伺った時はドッキリだと思いました。本読みの段階で、すごく叱られたり、追い詰められたりするのかなぁと。
ドラマは初めてですので、本当によくわかっていないのですが、浮野という役に関しては、僕に依頼があったくらいだから、素のままでそんなに作らなくてもいいのかなと思っていました。きっと、僕に合う役をいただいたと思っていたので。しかし、監督さんから「日焼けをしてくれ」と言われ、眉毛も剃られました。今までやったことのないタイプの役柄だったんです。ですが、どんな役柄でも徹底した役作りでこなすロバート・デ・ニーロが好きなので、眉毛くらい剃っても問題ありません! なるべく、金子さんの台本通りにお芝居をして、周りに迷惑をかけないようにということだけ心がけますが、金子さんの理想通りにはきっと動けないので、諦めてもらって(笑)。でも、なんとか理想に近づけるように頑張ります!
共演者の方々も、仲野さんをはじめ、テレビで観ていた方たちばかりです。仲野さんはめちゃくちゃ腰が低くて「あんなに売れてるのに…もはや勝てるところねぇな」って思いました(笑)。皆さん、いい人そうですので、どのくらい僕が混ざっていけるのかは期待したいし、試したいですね。でも、これで爪あとを残そうとか、これで売れるんだ!という気持ちは極力抑えます(笑)。うまい具合に作品の《歯車》になれるようにできたらと思っています!
■石崎ひゅーい(浅月凛吾郎役)
『ジャパニーズスタイル』への出演が決まった時は、まず、(仲野)太賀とこうやって同じフィールドで仕事ができるのが嬉しいと思いました。
個人的には久しぶりのドラマ出演ですので、半分は不安な気持ちもあります。しかも、すごくクセのある役ですし…深川監督とご一緒したこともあるのですが、その時もクセのある役だったので、監督は僕のことをこういうふうに見ているのだろうなと感じています(笑)。深川監督から、「凛吾郎はネジが1、2本外れてぶっ飛んでいるけど、いつも幸せを感じてニコニコしている」とお伺いしていましたので、実は昨日、リハーサルスタジオに入っていたのですが、バンドのメンバーに趣旨を説明して、凛吾郎の状態で音楽のリハをしていました(笑)。
また、金子さんの作品は『プロポーズ大作戦』(2007年)や『コントが始まる』(2021年)とかを好きで観ていましたので、金子さんの世界観の中に自分が入ることができるという興奮がありました。シットコムに関しては、僕は普段、音楽をやっていてライブをしているので、その時にしか生まれない空気とかを感覚的に求めているところがあります。表現者としてそういう空気を作り出すのが喜びであり、とてもスリリングなことだと思っています。ですので、楽しめればいいなと思いますが…正直、いっぱいいっぱいです(笑)。風情があって、侘び寂び(わびさび)があって、情緒があって、そして、笑いがある…これが日本式のコメディなんだというふうにできたらいいなと思っています。
■檀れい(浅月桃代役)
このお話をいただいた時に、まず最初に思ったのが「面白そう!」ということでした。
桃代は仲居頭であり代理女将。社長と女将の信頼を得て『虹の屋』を任されていることに悦を感じています。大事なところはピシッとまとめていくような女性でありたいと思いますが、ある側面では真面目すぎて融通が利かないところもあるのかなと感じています。金子さんの脚本自体がすでに面白いので、それをどういうふうに演者が、与えられた役を演じるのかがすごく大事だと思っています。それがぶつかり合った時に、どういうものが生まれるのかが、本番当日でしかわからないところなので、どんなことでも柔軟に対応できる自分でありたいですね。自分の中にしっかりとセリフや役の感情を叩きこんだとしても、どんなハプニングがあるか予想もつきません。でも、あまり不安ばかり考えないように、その場を楽しみたいなと思うようにしています。
俳優陣が必死になって30分のドラマを作り上げようとする姿を見ることができるドラマだと思います。良いところも悪いところもさらけ出され、恥ずかしい部分を見られてしまうような作品になるんじゃないでしょうか。丸裸になって挑んでいる私たちの姿を応援してください!
■柄本明(梅越一二四役)
ほぼ本番一発撮りっていうのは、ほとんどやったことはないですけど、とてもスリリングですね。仲野くんは、お父さんもよく知ってますけど、役者としてとてもいいんじゃないですか。共演が楽しみです。それにしても、こういったドラマは、最近はないですね。昔は、『お笑いオンステージ』(1972年~1982年)のような公開コメディ番組なんてありましたけど、観ていただく方には新しく映るんじゃないでしょうか。
とにもかくにも、やっぱり大事なのは脚本ですよね。いざ始まったら、その肌触りでいろいろと変わってくるとは思いますし、視聴者もいるわけですから、その中から模索していく感じになるんでしょうね。
深川監督とは長いんですよ。僕の出演を希望してくれたみたいで、有り難いですね。大変、優秀な監督で、チャレンジャーですね。こういうスタイルのものに挑むんですから。これは誉め言葉ですが、あの人は《ヘンタイ》ですから(笑)。面白い監督なので、どうなるか楽しみです。見どころは、せっかくこういう撮影スタイルでやっているんだから、いろいろと失敗が起これば面白いと思いますよ。人がセリフを忘れたりするのを見るの、面白いでしょ(笑)。ハプニングが今作の醍醐味でもあると思いますので、ぜひ期待してください。