ローラ・チャンとか、似た名前の人はたくさんいるし、ハーフ系のモデルもたくさんいるけれど、いつの間にか淘汰され(?)、今ではこの人ばかりを日々テレビで観るようになった。
なぜローラばかりが人気なのか。
ローラ「好きな偉人は織田裕二」 “10の質問”で予測不能なローラワールドが炸裂
父はバングラデシュ人、母は日本人とロシア人のクォーター。目鼻立ちがはっきりした明るい顔の美人というのは人気の理由の一つだろうが、何より、日本+他国の「ハーフモデル」は多いけれど、ローラが異色なのは、モデルならではのプライドの高さや、スゴみ・威圧感が全くないことではないだろうか。
たとえば、「ひみつの嵐ちゃん」のファッションチェックコーナー「マネキンファイブ」でのコメントが印象的だ。
モデルやタレントなどの女性陣が嵐・芸人などに次々に辛辣なダメ出しをするなか、ローラも毒を吐くのだが、印象的だった名言が、コレ。
「NOな感じは真ん中と右と左」
残ってるマネキン全てを軽~いトーンで全否定してしまうローラ。「この○○、ありえない!」「この△が嫌!」など、アイテム1つ1つをあげつらい、細かくダメ出しを重ねていく女性ならではの攻撃法と違い、シンプルかつテキトー、でも、いちばん強力だ。口を開くと出てくる言葉のほとんどが「オッケー! いいよ~」「そうだね~」「ん~そんな感じ~」「いい感じ♪」。
上から声高に否定するでもなく、おおげさなリアクションをとるでもなく、常に明るくテキトー。
ちなみに、見るからに苦労知らずのお嬢さんだが、バラエティ番組「キカナイト」で「ちっちゃいときに、ママがなんと別れてしまったの。パパと。それで、育ててくれたのがいまの中国のお母さん♪」「7年間バングラデシュに住んでたの♪」なんて話もサラリと軽~くしていたローラ。
金髪は染めているだけで、実際の黒髪のモデル仕事写真が紹介されたときに、さまぁ~ず大竹に「これのがいいんじゃないの?」なんてツッコまれても、やっぱり「ホント? わかった♪」と軽い答え。
「ひな壇」バラエティが主流のいま、それぞれが自分の求められる役割・立ち位置で毒づいたり、ボケたり、かみついたりというチームプレイを行うのに、ローラはそれら全部を「イイ感じ♪(ペロッ)」「そんな感じ♪(ぺロッ)」の一言で大雑把に包み、壊してしまう。いちばん近い芸風は、もしかしたら、芸人同士がワチャワチャしているときでも、テキトーな一言で全部を自分の色に変えてしまうザキヤマ(アンタッチャブル山崎)かもしれない。(文:田幸和歌子)