現在放送中の連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)で、ヒロイン・岩倉舞(福原遥)の幼なじみ・梅津貴司を演じているのが話題作への出演が続く赤楚衛二だ。初めての朝ドラ出演となる彼に、自身の役柄のことや、関西弁での演技、さらに物語の舞台でもある“大阪”について話を聞いた。



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■貴司の“感性”や“行動”は理解できる

 「今日は五島の帽子を被りながら参加させていただきたいなと思います。短い時間ですがどうぞよろしくお願いします」と笑顔で取材場所にやって来た赤楚。彼は“GOTO ISLANDS”と本作の舞台の1つである五島列島の文字がデザインされたキャップを被っていた。

 『舞いあがれ!』は、主人公の舞がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島という“2つの故郷”で、周囲の人々との絆を育みながら夢に向かっていく姿を描く物語だ。本作で赤楚が演じる貴司は、東大阪のお好み焼き屋「うめづ」の一人息子。舞にとって心のオアシスのような存在になる心優しい青年だ。

――初めてとなる連続テレビ小説への出演が決まったときの心境は?

赤楚:僕も学生時代には通学前に見ていましたし、僕のおじいちゃんやおばあちゃんも見ていますので、老若男女問わず見られる作品に携わることができるのがうれしいです。

――ちなみに赤楚さんがご覧になっていた朝ドラ作品についても教えてください。

赤楚:一番ドンピシャで見ていたのが『あまちゃん』(2013)です。あの作品が放送されているときは、学校でも家でもみんな「じぇじぇじぇ!」と言っていましたね。

――本作で演じられる貴司という青年はどんな人物ですか?

赤楚:東大阪にある「うめづ」というお好み焼き屋に生まれた青年です。自分と向き合うことが好きな性格で、詩や本に出合うことで、自分が本当にしたいことを深く考えていくというキャラクターですね。


――貴司に共感できるところはありますか?

赤楚:貴司は世間で“普通”や“当たり前”と思われていることに違和感を抱えるんですが、そんな中で少し“生きづらさ”も感じてしまう。そこから詩や本と出合って、自分が抱える漠然とした思いに当てはまる言葉を集めていく。彼の感性や行動というのは理解できますね。

■生まれは大阪 「関西弁ヘタやなぁ」と言われないように

――赤楚さんはご出身が愛知県ですが、大阪でお生まれになったと聞いています。今回、貴司を演じる上で、関西弁にもチャレンジされていますね。

赤楚:僕自身、生まれは大阪で、両親も関西人なので、関西の血を引くからには視聴者の皆さんから「関西弁ヘタやなぁ」と言われないようにしたいなぁと思っています(笑)。

――実際に関西弁でお芝居をされてみていかがでしたか?

赤楚:両親から関西弁を聞いてはいたんですけど、僕自身は全然しゃべれなかったんです。イントネーションの微妙な変化、半音が上がったり下がったりというのが難しかったですね。でも関西弁でお芝居すると、標準語よりも気持ちが届けられたりする瞬間が何度かありました。

――貴司の両親を演じている山口智充さんとくわばたりえさんは、お2人とも大阪出身ですよね。

赤楚:山口さんとくわばたさんがもう最高で。お2人とも隙あればアドリブという雰囲気で。
今の1番の目標としては、僕も関西弁でアドリブに参加して、山口さん、くわばたさんとバチバチの関西弁で話せるようになりたいです。

――『舞いあがれ!』はNHK大阪放送局が制作しているということで、撮影中は大阪に滞在されることも多いと思います。

赤楚:幼い頃は夏休みの間、大阪で過ごすことが多かったんですけど、ショッピングモールや市民プールで遊んだ思い出があります。大阪の街も、撮影現場も、僕にとっての“オアシス”になりつつありますね(笑)。

(取材・文:スズキヒロシ 写真・上野留加)

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』はNHK総合にて毎週月曜~土曜8時ほか放送(土曜は1週間を振り返り)。

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