4月から日生劇場ほかにて上演される坂本昌行主演のミュージカル『ザ・ミュージック・マン』より、坂本の扮装(ふんそう)ビジュアルが解禁された。また、共演キャストとして花乃まりあ小田井涼平、藤岡正明、山崎大輝、水嶋凜、六角精児森公美子、剣幸の出演が発表された。



【写真】花乃まりあ、小田井涼平ら、主演・坂本昌行と共演する『ザ・ミュージック・マン』メインキャスト

 作曲家メレディス・ウィルソンと劇作家フランクリン・レイシーによって共同制作されたブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』は、1957年にブロードウェイで初演されると、同年初演の『ウェストサイド物語』を差し置いてトニー賞最優秀ミュージカル賞他5部門とグラミー賞ベスト・ミュージカル・シアター・アルバム賞を受賞し、ロングランを記録。その勢いは止まることなく、1961年にウエストエンドで初演、翌年には劇場映画化し大ヒットを記録、2003年にもテレビ映画化されたブロードウェイの名作ミュージカル。日本でもこれまで何度も上演されており、現在ブロードウェイではヒュー・ジャックマンを主演に迎えたバージョンが大ヒット上演中(1月15日で終了予定)。

 半世紀以上にわたりさまざまな演出バージョンが世界中で上演されてきた名作ミュージカルがこの度、記念すべき日生劇場60周年イヤーの幕開けを飾る。演出にはブロードウェイのみならず世界各国の演劇シーンで活躍してきたダニエル・ゴールドスタインを、主演には約30年にわたって数多の名作ミュージカルに出演し続けてきた坂本昌行を迎え、装いを新たに上演する。

 楽器セールスマンにして実は詐欺師の主人公ハロルド・ヒル教授を演じるのは坂本昌行。そして、ハロルドが思いを寄せる図書館の司書マリアン・パルー役には元宝塚歌劇団花組トップ娘役の花乃まりあ。ハロルドの古い仲間マーセラス役には本作でミュージカル初挑戦の元純烈の小田井涼平。ハロルドの同業者チャーリー役には藤岡正明。町長の娘ザニータのボーイフレンドであるトミー役には山崎大輝。町長の娘ザニータ役には水嶋凜。リバーシティを治めるシン町長役には六角精児。
町長の妻ユーラリー役には森公美子。マリアンの母ミセス・パルー役は剣幸が務める。

 坂本は「共演者の皆さんはバラエティに富んだ方々なので、果たしてどんなミュージカルが出来上がるのか楽しみです。王道スタイルのミュージカル作品ですが、この多彩なキャストの方々が集まることで、日本版ならではの『ザ・ミュージック・マン』が出来上がるのではないでしょうか」とコメント。

 花乃は「錚々たるキャストの皆様とご一緒させていただけることに緊張もありますが、多くのことを学ばせていただける有難い機会だと感じております」と話している。

 小田井は「出演が決まった時は素直にありがたいと思いましたし、ミュージカル未経験なので自分がどうなっていくのか、ドキドキとワクワクの入り混じった不思議な緊張感の中にいる今現在ですが、とにかく思いっきり楽しみたいと思っています」と意気込んでいる。

 ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』は、東京・日生劇場にて4月11日~5月1日、愛知・御園座にて5月6・7日、大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて5月13~15日、静岡・静岡市清水文化会館マリナート大ホールにて5月20・21日、福岡・博多座にて5月26~28日上演。

 キャストコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■坂本昌行(ハロルド・ヒル教授役)

 今回お披露目するハロルド・ヒルの扮装ビジュアルは、コメディ要素とテンポ感のある作品の音楽を聴きながら臨みましたが、これからこの役を演じるにあたり「難しいことは考えず、この役を楽しむことが大事かな」と感じました。

 共演者の皆さんはバラエティに富んだ方々なので、果たしてどんなミュージカルが出来上がるのか楽しみです。王道スタイルのミュージカル作品ですが、この多彩なキャストの方々が集まることで、日本版ならではの『ザ・ミュージック・マン』が出来上がるのではないでしょうか。

 僕はいつも、「カンパニーがこの作品を愛して、楽しむ」ことが、作品をより良く成長させると思っています。
役者が心から楽しんでないと、お客様には見抜かれてしまうので、「作品を楽しむ、愛する」という想いを大切にしながら、お客様よりも誰よりも、僕がこの作品を楽しみたいと思います(笑)。

■花乃まりあ(マリアン・パルー役)

 沢山の方に愛されてきた歴史あるこの作品に携われることを心から嬉しく思います。また海外の演出家の方とお仕事をご一緒するのは、私にとって初めての経験です。お稽古場からどんな発見、経験、感動があるのか…とてもワクワクしています。錚々たるキャストの皆様とご一緒させていただけることに緊張もありますが、多くのことを学ばせていただける有難い機会だと感じております。

 私が務めさせて頂くマリアンは清廉潔白、真面目で、傍から見ると少し「お堅い」印象の女性ではありますが、ハロルドのユーモア溢れる明るさに対して、彼女のその「堅さ」、二人のバランスが面白いと感じています。また、恋によって彼女の心のやわらかな部分が見えてくる様子を大切に演じられたらと思っています。

 役作り…という以前にですが、楽曲が本当に美しくて、聴いているだけで幸せな気持ちになれるので、ブロードウェイ版の音源を繰り返し聴いています。

 この楽曲の素晴らしさをしっかりお届けするためにも、歌のお稽古に丁寧に取り組みたいです。この作品、役を生き抜くことができたら、また新しい自分に出会えるような気がしています。私にとってとても大きな挑戦です。

 楽しく心あたたまるストーリー、美しい楽曲と見応え満載のダンス。
暖かな陽射しが降り注ぐ春にぴったりな、王道ミュージカルです! どうぞご期待ください。

■小田井涼平(マーセラス・ウォッシュバーン役)

 『ザ・ミュージック・マン』出演が決まった時は素直にありがたいと思いましたし、ミュージカル未経験なので自分がどうなっていくのか、ドキドキとワクワクの入り混じった不思議な緊張感の中にいる今現在ですが、とにかく思いっきり楽しみたいと思っています。共演者の方々はそりゃもう、「すごい!」の一言で自分がここに名を連ねることに正直ビビってます。共演の皆さんからいろんな素敵要素を盗みまくりたいと思ってます。

 僕が演じるマーセラスは、冒険心や好奇心は満たされてない気がします。だからこそ、ハロルドというワイルドカードの存在に惹かれ、色んな仕掛けや手助けをしてるのかな?と。宝物を見つけたようなキラキラ感を持った大人を演じてみたいなぁ、と直感的に思っています。

 今は日々のステージを先に控えたミュージカル本番を意識して歌ったり踊ったりしています。この作品への出演は、自分にとっての新たな一歩になるのではないかと思っています。できるだけ沢山のお客様にご覧頂きたいと思いますし、僕と同じようにミュージカル未体験のお客様にも足を運んで頂きたいと願っています。皆さんがこの作品を愛してくれるよう、日々葛藤したいと思います。皆様どうぞよろしくお願い致します。


■藤岡正明(チャーリー・カウエル役)

 世界中で永く愛されてきた『ザ・ミュージック・マン』への出演が決まった時は、また新たな扉を開けて、新しい景色と出会えるという確かな実感を感じました。錚々たる、そしておひとりおひとりが強い個性と実力、説得力のあるキャスト陣にちょっとビビりつつも、よく知っている方もたくさんいらっしゃるので、今から楽しみです!

 僕が演じるチャーリーは、まだなんとも言いづらい部分ではありますが、「コミカルとシリアスの共存」という点を意識して演じられたらと、今現在は漠然と考えております。正直稽古に入ってみないとわかりませんが、今はただただダンスが不安でたまりません(笑)。もしかしたらこの作品がきっかけでダンサーに転向するようなことがあるかもしれないとドキドキしています!

 こんな時代にわざわざ劇場まで足を運んでくださるんだから、たらふくお腹いっぱいになって帰ってもらわなくては申し訳が立たない! そんな気持ちで取り組んでいます。

 『ザ・ミュージック・マン』は、きっときっとお客様の心をほっこりと温めてお腹いっぱいにできる作品だと個人的に確信しています。どうかお楽しみいただけますよう、全力で演じさせていただきます!

■山崎大輝(トミー・ジラス役)

 今回が自分にとって初めてのブロードウェイ作品で、どのような手順や方法で作品が作られていくのか。それを一番近くで見て感じることができるのかと思うととても楽しみになりました!共演する皆さんは、どの方々も役として説得力のある方ばかりで、より自分の役を全うしていけたらと思います。

 僕が演じるトミーは、いろんな要素を持っている人物だなと思ったので、純粋なまっすぐさだったり、ハートフルさを大切に演じていけたらと思っています。この作品がなければこの後の自分は無かったと言える、そんな作品になりそうです。ミュージカルの素晴らしさ、音楽の素晴らしさをどんな人にも伝えられる、そんな作品が出来上がると思います。皆さまの心の笑顔が見れることを楽しみに作品づくりを頑張っていきます! お待ちしています!

■水嶋凜(ザニータ・シン役)

 ダニエル・ゴールドスタインさん演出の作品に出演させていただけると決まった時は、とんでもなく大きな世界にこれから1歩踏み込ませて頂くんだな、といった気持ちが大きく、まだ想像もつかない世界を想像して漠然としていました。同時に、こんな大きなチャンスを頂けたことが嬉しくて、程よい緊張感とワクワク感が混ざりあったような感覚でした。


 共演者の皆さんは様々な分野でご活躍されている方ばかりで、皆さんのお名前をお聞きした際はそれぞれの方から沢山のことを、様々な角度でめいっぱい吸収したい!と思いました。

 ザニータはとても天真爛漫で、自分の中で思ったこと感じたことをすぐハッキリと伝えられる、とても真っ直ぐなキャラクターだと感じました。少しの子供っぽさと、その中でも女性らしさを併せ持った仕草を見つけて、それを丁寧に一つ一つ作り込んでいけたらなと思っています。また、ザニータはとてもダンスの上手な女の子なので、そんな彼女の身軽さをちゃんと表現できるような体づくりを始めています。

 以前出演させて頂いたミュージカルでの役柄ではキャラクターの心情を歌ったものが多く、歌の中でストーリーが進むようないわゆるミュージカルらしい曲を歌ったことがありませんでした。なので前回とはまた異なる体験が沢山待ち受けていると思いますし、私の中ではこれから先、演者としての人生においてミュージカル作品の基盤となる作品の一つになるのは間違いないと感じています。

 歌、音楽、ダンス、笑いが満載のとっても素敵なこの作品を皆さんと共有出来ることを心から楽しみにしています。この作品を作りあげる上で欠かせないピースの一つであれるようにたくさんお稽古にも励みますので、是非観に来て頂けたら嬉しいです。劇場でお待ちしております!

■六角精児(ジョージ・シン町長役)

 自分がアメリカ発のミュージカルに出演できるなんて、夢のようだと思いました。共演者の皆さんは初めてご一緒する方が多いのですが、その分、何が出来るのか?ドキドキワクワクですね。あと、20年ぶりに坂本君と芝居をするのは楽しみです。

 この作品でも、出演者との稽古や演出家とのミーテイングを経て、出来ることをしっかり積み重ねて行きたいと思ってます。
今は舞台に立つことを維持する、最低限のウォーキングやトレーニングをやっています。ステージをやり終えたあとに、心地良い達成感が残る芝居がやれればと思っています。お客様も、私達出演者とともに劇場で「極上のひととき」をすごしましょう!

■森公美子(ユーラリー・マッケクニー・シン役)

 私は以前に博品館劇場で上演された『ザ・ミュージック・マン』(1985年)に出演しておりまして、多分カンパニーの中で、経験してるのは私だけではないでしょうか? その時はミセス・パルー役でした。兎に角楽しみです。

 六角さんとは2回目の夫婦役で御座います。藤岡君とも何度かご一緒してますが、ほぼほぼ皆さんとは初めてなので、凄く楽しみにしてます。坂本さんとは、V6の時にお会いしてました。

 今回私が演じるユーラリー・シンは真面目な人だと思うのですが、旦那さんが町長ということもあり、少し、横柄な所もあり、しかしながらハロルドの魅力に、引き込まれて行く感じでしょうか?作品としては、2回目なんですが、本当にクラシックなミュージカルなので、クラシックの要素もあり、レンジの広いミュージカルと思ってます。

 ハロルド・ヒルに扮する坂本さんの、魅力が沢山見られると思いますし、お子さんが観てウキウキする場面が沢山あると思います。是非劇場でお待ちしております!

■剣幸(ミセス・パルー役)

 私は古き良き時代のオーソドックスな作品が大好きです。ヒュー・ジャックマンの好演で盛り上がっていると聞いていたこの『ザ・ミュージック・マン』にお声をかけていたただいて、飛び上がるほど、嬉しかったです。ゴールドスタインさんがどのように演出してくださるのか、とっても楽しみです。

 そして、初めてご一緒させていただく方が多いので、新しいコミュニケーションが生まれ、どんなカンパニーになるのか、ワクワクしています。

 ミセス・パルーは、子ども思いの肝っ玉母さんに見えれば、と思っています。娘や息子には、古い慣習にとらわれず、本当の意味で幸せになって欲しいと願っている、心あたたかいお母さんでありたいです。

 色々なことを経験させていただいた私にとっては、歌やダンスが満載のミュージカルは、“ふるさと”のような気がしています。厳しいけれどあたたかく、ほっとするところです。そこから飛び出して様々に挑戦ができるのも、この原点があるからこそ、と思っています。この作品の、嘘の中にある真実…それを信じようとする、人間の強さとあたたかさを感じてください。そして象徴とも言うべきパレードのシーンは、『ME AND MY GIRL』のランベスウォークや、『ハロー・ドーリー!』のパレードのシーンと同様、心沸き立つ圧巻な場面になると確信しています。

 辛いことも多い今の世の中ですが、ひととき忘れてご一緒に楽しんでいただけたら!

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