ドラマを盛り上げる役割で重要な主題歌と挿入歌。2023年の冬ドラマの放送がスタートするとともに楽曲が続々と公開される中、K‐POPグループ・アーティストの曲が使用されているのが目立つ。

そこで、本稿では今期ドラマに起用された4組のK‐POPグループ・アーティストが歌う主題歌と挿入歌を紹介する。

【写真】2023年冬ドラマの主題歌・挿入歌を歌うK-POPアイドルを一気に見る!

■『罠の戦争』 主題歌:「BETTING」/SEVENTEEN(×香取慎吾

 草なぎ剛が主演を務めるドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)の主題歌「BETTING」に携わっているのが、韓国の13人組グループ・SEVENTEENだ。「BETTING」は、SEVENTEENと香取慎吾のコラボレーション楽曲となっており、1月1日に放送された『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で、昨年の夏頃から制作がスタートしていたことが明らかに。同日には、香取やSEVENTEENのJEONGHAN(ジョンハン)がSNSで制作時の様子を公開した。

 「BETTING」は、メロディーやトラック、歌詞の制作にSEVENTEENメンバーで音楽制作をけん引するWOOZI(ウジ)が携わり、香取と意見を交わしたほか、ボーカルにジョンハン、MINGYU(ミンギュ)、SEUNGKWAN(スングァン)が参加し、香取と共にレコーディング。ドラマの初回放送前日には香取が自身のインスタグラムで、メンバー全員と撮影した集合ショットを公開し、「最高なコラボレーションの誕生です!」と、今回の共演についてコメントした。

 初回放送時に初解禁された楽曲は、聞くと高揚感を覚える仕上がりだった。ジャズの世界観にダンサンブルなトラックを融合したメロディーと、香取、ジョンハン、ミンギュ、スングァンの力強い歌声が、主人公の鷲津(草なぎ)が強気権力者への復讐を誓い、反撃するシーンで流れると、ドラマのスリリングな展開と歌詞が融合し、視聴者からも「ドラマにピッタリな曲」「主題歌おしゃれすぎる」「聴けば聴くほど良い曲」といった反響が寄せられた。

 SEVENTEENは、2022年11月9日に、SEVENTEEN JAPAN 1ST EP「DREAM」を発売。同年11月19日から12月4日までの期間には、大阪、東京、愛知の3都市で初のドームツアー「SEVENTEEN WORLD TOUR[BE THE SUN] ‐ JAPAN」を開催したほか、『第64回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)で “特別国際音楽賞”を受賞。日本でも幅広い活躍を見せている。

引用:「SEVENTEEN」グループ公式ツイッター(@pledis_17)、「香取慎吾」インスタグラム(@katorishingo_official)

■『三千円の使いかた』 主題歌:「Choices」/LE SSERAFIM

 2人の日本人メンバー・SAKURA(サクラ)とKAZUHA(カズハ)が所属する5人組ガールズグループのLE SSERAFIMが歌う「Choices」は、女優の葵わかなが主演を務め、「節約」や「貯蓄」をテーマに、家族3世代、4人の女性がお金と人生の悩みに向き合う、ホーム“マネー”ドラマ『三千円の使いかた』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜23時40分)の主題歌。


 ドラマのために書き下ろされた本作には、「どんな困難があっても前を向いて私らしく生きていく」というメッセージが込められており、第1話で主人公の御厨美帆(葵)が1ヵ月で3000円貯めることを目標に、100円玉貯金を遂行するシーンで流れる「本当に欲しいものは簡単には買えない」や、第2話で新しい生活をスタートさせた美帆と祖母・琴子(中尾ミエ)が一緒に出勤するシーンで聞えてくる「世界が変わっても揺るぎなく価値あるもの」といった歌詞とメンバーの歌声は、ストーリーとマッチしてドラマの世界観をより盛り上げていた印象だ。

 「Choices」は、LE SSERAFIMにとって初の日本オリジナル曲であり、1月25日発売の日本1stシングル「FEARLESS」に収録される。また、ドラマ初回放送終了後からは先行配信がスタートしており、FEARNOT(ピオナ=ファンの名称)から「めちゃ良くて激リピしている」「Choices最高じゃん」「ラップがたくさん聴けて早速お気に入り」などの反響が寄せられた。

 LE SSERAFIMはこれまで、「KCON 2022 JAPAN」や「2022 MAMA AWARDS」など日本で開催されるイベントやテレビ番組に積極的に出演しており、『第73回NHK紅白歌合戦』(2022)では、日本1stシングル「FEARLESS」のタイトル曲「FEARLESS ‐Japanese ver.‐」を初披露した。1月2日には、日本公式ファンクラブを開設したLE SSERAFIM。1月25日の日本デビュー以降、どのような活躍を見せてくれるのかファンの期待は高まっている。

引用:「LE SSERAFIM」グループ公式インスタグラム(@le_sserafim)

■『星降る夜に』 挿入歌:「Cry」/NCT・ドヨン

 韓国発の次世代グローバルグループ・NCTのドヨンが、挿入歌「Cry」を歌うのは、吉高由里子が主演を務め、北村匠海が共演するドラマ『星降る夜に』(テレビ朝日系/毎週火曜21時)。これまで、「NCT 127」や「NCT U」のメンバーとして活動する一方、ソロでも『リッチマン』(2018年)や主演ドラマ『深夜カフェ』(2021年)など、数々の韓国ドラマのOST(Original Sound Track)を担当してきたドヨンだが、日本のドラマ挿入歌の参加は今回が初めて。

 「Cry」のレコーディングについて、日本語の発音に徹底的にこだわり、納得がいくまで何度も歌ったというドヨン。ドラマの公式ツイッターにアップされたメッセージ動画でも、本作について「歌詞にある“泣き笑い”は僕もすごく共感できるシチュエーションですし、たくさんの方に届けたいラブソングとなっています」と話しつつ、「歌い方もその思いを表現できるようにいろいろと工夫しました」と語った。

 また、ドヨンはインスタライブで、日本人メンバーのユウタに、日本語の発音を確認してもらうため事前に楽曲を聞いてもらったことなども告白。実際、初回放送で聞こえてきたドヨンの繊細で透明感のある歌声は歌詞を丁寧に紡いでおり、主人公の雪宮鈴(吉高)と、柊一星(北村)が星空の下で運命的な出会いを果たすシーンとリンクし、スッと心に響いてきた。
SNS上でも「日本語の発音完璧!」「優しくも心を震わせるような歌声が素敵」「儚げでとても良かった」「綺麗な日本語にうっとり」などの声が視聴者から寄せられている。

 NCTは、“活動グループ、メンバー数の制限がない”新たな概念をもった、次世代グローバルグループ。そんなNCTより構成されたNCT 127は、ドヨンのほか、韓国・日本・アメリカ・カナダと多様な国籍のメンバーがそろう男性ダンス&ボーカルグループで、2022年5月・6月に、愛知・東京・大阪の3都市で日本初のドームツアーを実施。同年8月には、約3年ぶりの開催となるファンクラブイベントを実施した。ドヨンは、グループ活動に加え、11月にイベントに参加するためソロで来日。公式YouTubeや自身のインスタグラムで、来日時の様子を公開している。

引用:「NCT・ドヨン」インスタグラム(@do0_nct)、『星降る夜に』公式ツイッター(@Hoshifuru_ex)

■『リエゾン-こどものこころ診療所-』 挿入歌:「Bouquet」/TWICE・MOMO&SANA&MINA

 山崎育三郎が主演し、松本穂香がヒロインを演じるドラマ『リエゾン-こどものこころ診療所-』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分)の挿入歌「Bouquet」を歌うのは、9人組ガールズグループ・TWICEの日本人メンバー、MOMO(モモ)、SANA(サナ)、MINA(ミナ)の3人。

 「Bouquet」は、ドラマのために書き下ろされた新曲。初回放送では、研修を受けていた大学病院で大きなミスを犯してしまい落ち込む遠野志保(松本)が、子どもの頃に通っていたクリニックがあった場所を訪ねるシーンで3人の歌声が聞こえてきた。「もし時間が戻ってあの日の私に会えたら」という歌詞は、志保が思い出の場所を目指す様子とリンク。また、「そのままでいいの、私のままでいいの」「だから無理はしないよ、ダメな自分を好きになれる日まで」と前向きなメッセージと、モモ、サナ、ミナの優しい歌声が、ドラマの登場人物たちの背中を押しているようだった。

 ONCE(ワンス=ファンの名称)から“ミサモ”の愛称で親しまれているモモ、サナ、ミナの3人。
これまでグループとして韓国ドラマ『賢い医師生活2』(2021)のOSTを担当したが、ユニットで参加するのは今回が初めて。1月25日0時から「Bouquet」の配信がスタートすることから、SNSでは「ミサモの曲の配信待ち遠しい」「絶対聴く」「配信決まって嬉しい」など期待の声が寄せられている。

 2022年に、日本デビュー5周年を迎えたTWICEは、約2年ぶりの来日公演ワールドツアー「TWICE 4TH WORLD TOUR ‘III’ IN JAPAN」を皮切りに、10月には日本初のファンミーティング「ONCE DAY」を開催。また、日本デビュー5周年の節目として発売したJAPAN 4th ALBUM『Celebrate』を12月に初のアナログ盤としても発売しており、プロデューサーのJ.Y.Parkが作詞し、メンバー全員も作詞のアイデアを出したタイトル曲「Celebrate」は、3年ぶり4度目の出演となった『第73回NHK紅白歌合戦』でも披露された。

引用:「TWICE」グループ公式インスタグラム(@twicetagram)

 今回紹介した主題歌・挿入歌が起用されている冬ドラマ4作は、いずれも放送がスタートしたばかり。今後、さらにストーリーが盛り上がる中で、どんなシーンで楽曲が流れ、歌詞がどのようにリンクしているのか、確かめながらドラマを楽しむのもおすすめだ。

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