昨年9月に四期生が新加入、今年3月でデビュー5年目に突入した日向坂46。二期生・河田陽菜と三期生・高橋未来虹は、けやき坂46から続くグループの歴史を語り合う。

二期生・丹生明里が初センターを務める9thシングル「One choice」の表題曲初披露もあった「4回目のひな誕祭」では、初めて立った横浜スタジアムで新たな決意を固めた(高橋の高は正式表記は「はしごだか」)。

【写真】河田陽菜&高橋未来虹、身長差16cmの先輩後輩ショット

■声出し復活での表題曲初披露は盛大なコールで「テンションが上がった」

――今回、9thシングル「One choice」のお話を伺いますが、本題の前に…。河田さんは、2月のブログで髪色を明るくしたことを報告していましたが、落ち着いた色に戻りましたね。

河田:ふと「明るくしたい」と思った翌日に、美容院で染めてもらったんです。でも、やっぱり落ち着かなくて、暗めに戻しました(笑)。もうちょっと暗くしたいです。

――試さないと分かりませんしね。一方、高橋さんは一段と身長が伸びた印象がありまして。よく言われませんか?

高橋:お会いする方々に言われるんですけど、ここ1~2年はずっと170cmのままなんです。健康診断でも変わっていないし、何でそう言われるのか不思議で。私としては「ずっと170cmだったよ」という気持ちです(笑)。

――なるほど(笑)。
さて、それでは本題へ。最新シングルの表題曲「One choice」は、客席の声出しが復活したデビュー4周年記念公演「4回目のひな誕祭」で初披露しました。当日の心境は?


河田:MV公開から数日後の公演だったのに、おひさま(ファンの愛称)の皆さんがコールをしてくださり、驚きました。初披露なのに「どうやっていたんだろう」と思うほど一体感がすごくて。初披露でテンションが上がり、おひさまのコールでもテンションが上がったので、楽しかったです。

――高橋さんは、客席の声出しがある公演自体が初でした。

高橋:声出しができない公演が当たり前だったので、感覚が分からなかったです。(コロナ禍の公演で)手やタオルを振ってアピールしてくれるだけでもうれしかったんですけど、皆さんからの声援が、体力的に「きついかも」というときの踏ん張る力に変わりました。

――表題曲のパフォーマンスは、いかがでしょうか?

河田:日向坂らしさもありつつカッコいい曲で、メンバー同士の目が合う場面もたくさんあり、楽しいです。サビでは足のステップをみんなでカッコよく合わせて、いろいろな日向坂らしさが詰まっています。

――本作で、同期の丹生明里さんが初センターに。河田さんと丹生さんといえば、「おみそしるコンビ」ですね。


河田:毎回、レッスン後に復習用の振り入れ動画が送られてくるんですけど、にぶちゃん(丹生)をズームすると、気持ちを込めて踊っているのが伝わってくるんです。「One choice」でも、にぶちゃんの良さがたくさん詰まっているし、何よりもピカーッと光って見えるくらいの笑顔がすごくいいなと感じました。

――高橋さんが思う、本作への印象は?

高橋:歌詞は切ないけど、メロディラインがカッコいいです。丹生さんのまとう温かさ、笑顔を優先している印象もあります。振り付け師さんからは「ひたすら楽しく笑顔でやってほしい」とお言葉を頂きました。切ない歌詞を伝える気持ちを大切に、丹生さんの持つ力を生かすため、お力添えできればといつも思っています。

――笑顔が映える、MV撮影の思い出は?

河田:メンバーごとの衣装が、スーツスタイルとドレススタイルに分かれていて、ドレス姿のメンバーがお姫様みたいで「かわいいなぁ」と思いました(笑)。終盤のサビは舞踏会のようで、大勢のダンサーさんも衣装を着てくださったんです。より多くの人数で踊るのは楽しく、ダンサーさんたちのきれいな立ち姿も参考になりました。

高橋:(二期生の)小坂菜緒さんを抱きかかえて踊るペアダンスのシーンがあり、「絶対に小坂さんを落としてはいけない!」と緊張感を持ちながら頑張りました。小坂さんを落としてしまったら、大変じゃないですか(笑)。本番では強く抱きかかえて、体幹があってよかったと思いました。


■2人が明かすデビューからの変化と成長

――共通カップリング曲「恋は逃げ足が早い」のMVでは、改名前の「けやき坂46」(通称・ひらがなけやき)のメンバーもCGで登場。ひらがな時代、河田さんはすでにメンバーでした。

河田:当時はずっと泣いていた記憶があります。振り入れでは毎回のように泣いていて、先輩の一期生さん、同期のメンバーが助けてくれたのはいい思い出です。「みんなができているのに、何で自分はできないんだろう…」と思って、毎回のように泣いて。でも、寝たらポンッと忘れちゃうタイプなので、家に帰って落ち込むことはなかったです(笑)。

――(笑)。高橋さんはファンとして、坂道研修生として、ひらがなけやきを見ていたと思います。

高橋:研修生時代はメンバーになると思っていなかったし、いちファンとして『ひらがな推し』(けやき坂46の冠番組)を見ていました。バラエティ番組に積極的な先輩たちばかりで、かわいい、癒やされるというだけではなく、「なんて面白い人たちなんだろう」と思っていました。

――当時、河田さんの印象は?

高橋:グループの妹キャラ。でも今は、周りに壁を作らずフレンドリーで、接しやすい空気を作ってくださる先輩のイメージです(笑)。


河田:ありがとう(照)。先輩の感覚はないし、素の自分でみんなと接しています。

――互いの関係性も見えました。「4回目のひな誕祭」では、ひらがなけやきの楽曲も披露しました。

河田:素直にうれしかったです。ひらがな時代の楽曲は特に好きな曲が多く、今でも披露できることに安心しました。

高橋:ひらがな時代を経験していないので、申し訳なさがあり、おひさまの皆さんに「どう思われるか」も気になりました。今年の「ひな誕祭」では、ひらがな時代の楽曲だけではなく、日向坂46で参加していない表題曲も先輩方と一緒に披露したので、せっかく頂いたチャンスを大事にしたかったんです。ひらがな時代があってこその日向坂46なので、楽曲を大事にしているのがこのグループを好きな理由だと改めて思いました。

――日向坂46は、デビューから5年目に突入。これまでを振り返って、河田さんの変化は?

河田:昔は気持ちの浮き沈みが激しくて。でも、気持ちは伝染しちゃうじゃないですか。
よくないと思い、変にずっと落ち込むのはなくなりました。何がきっかけかは分からないんですけど、今はずっと明るく過ごせています。「話しかけるなオーラ」も出さなくなったし(笑)。沈んだ気持ちを忘れて、人と話すのが楽しくなりました。

――高橋さんは坂道研修生を経て、2020年2月に三期生として途中加入しました。

高橋:私もすごいネガティブで、過去の自分を受け入れられなかったんです。根本的にネガテイブなのはあんまり変わっていないけど、今は、自分を受け入れられるようになりました。加入初期は個性のなさに悩んで、番組(『日向坂で会いましょう』)で一言もしゃべれず沈んでしまうことも多かったんですけど、それも受け入れつつ「次はどうしたらいいか」と考えられるようになりました。

――何か変わるきっかけが?

高橋:先輩へ相談できるようになったんです。加入初期は相談するのは「申し訳ない」と思っていたんですけど、一期生さんや二期生さんが、私たち三期生がのびのびと活動しやすい環境を作ってくださったので。分からないことは聞いた方が学びになるし、特に、よく相談する(一期生の)影山(優佳)さんに教わったことが多いです。

■新たな地・横浜スタジアムで開催した「ひな誕祭」の意義

――互いの成長もありながら、昨年は東京ドームで「ひな誕祭」を開催。
今年は新たに、横浜スタジアムで開催しました。


河田:「ひな誕祭」は、ほかのライブとは違った感情もあるんです。昨年の東京ドームは、2020年の開催予定が2度も延期となり、みんなで「約束の卵」を歌ってたどり着いた目標の場所だったので、達成感がありました。その後、目標を達成してから「次はどうする?」とみんなで話し合ったんですけど、今年は横浜スタジアムでライブができて、野外ライブも好きだからうれしかったです。

高橋:1年間のライブの集大成が「ひな誕祭」なので、毎年、緊張感があります。昨年の東京ドーム公演が終わってから「ここで止まってはいけない。グループとして停滞してはいけない」と思って、メンバーで新たな目標を話し合い、新たな第一歩としてのライブができたのは大きな挑戦でした。来年も横浜スタジアムへ帰れるように、頑張ります。

――四期生の加入も経て、新たな一歩を踏み始めたグループ。互いに描く未来像は?

河田:今もたくさんのおひさまの皆さんが応援してくださっていますけど、もっと多くの方に好きになってもらえるように頑張りたいです。グループでも頑張るし、個人でも頑張るぞという気持ちで、5年目を進んでいきます。あと…そのために修行へ行きたいです(笑)。

高橋:(笑)。四期生の加入がグループの追い風になっているので、ただ人数が増えただけと思われないよう、より個々の存在感を発揮していければ。外番組への出演も力に、グループだけではなく、個も強いグループになりたいです。

(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:上野留加)

 日向坂46 9thシングル「One choice」は発売中。

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