第76回カンヌ国際映画祭が現地時間5月16日に開幕し、同映画祭のコンペティション部門に出品されている『怪物(インターナショナルタイトル:MONSTER)』の是枝裕和監督がオープニングレッドカーペットに参加。観客やマスコミからの「コレ・エダー」コールに笑顔で応えた。



【写真】レッドカーペットで「コレ・エダー」コールに手を振る是枝裕和監督

 『怪物』は、是枝監督と『花束みたいな恋をした』『大豆田とわ子と三人の元夫』などの脚本家・坂元裕二、そして音楽には坂本龍一さんというコラボレーションで紡がれるヒューマンドラマ。出演は、安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子ら実力派と、二人の少年をみずみずしく演じる黒川想矢と柊木陽太。その他、高畑充希、角田晃広、中村獅童など多彩なキャストが集結した。

 現地時間5月16日に第76回カンヌ国際映画祭が開幕し、コンペティション部門での公式上映を控える『怪物』の是枝裕和監督がオープニングレッドカーペットに参加。プラダのネイビーのタキシードに身を包んだ是枝監督は、一般客や世界各国から集まったカメラマンたちから「コレ・エダー」と呼びかけられ、笑顔で手を振るなど撮影に応じた。

 この日のオープニングレッドカーペットには、坂本龍一さんが手掛けた「戦場のメリークリスマス/Merry Christmas Mr.Lawrence」などの楽曲が流れる中、是枝監督作『真実』で主演を務めたカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、ユマ・サーマン、マッツ・ミケルセン、エル・ファニング、ヘレン・ミレン、エマニュエル・べアール、ファン・ビンビン、コン・リー、ジョン・C・ライリーなどが続々レッドカーペットに登場。


 さらに、オープニングを飾るフランスの監督マイウェンの新作『Jeanne du Barry(原題)』で主演を務めたジョニー・デップがポニーテールにサングラスのタキシード姿で降り立つと、黄色い歓声とどよめきが沸き起こった。また、今回の映画祭で名誉パルムドールの受賞が決まっているマイケル・ダグラスが妻のキャサリン・ゼタ=ジョーンズと共に登場した際にも、会場は熱気に包まれた。

 今年度の審査員長を務めるのは、昨年のカンヌで2度目となる最高賞パルム・ドールを受賞した『ザ・スクエア 思いやりの聖域』『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド監督。審査員には俳優のブリー・ラーソンやポール・ダノらが名を連ねる。フランス時間5月27日の授賞式で、コンペティション部門に選出された計21作品の中から最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞が発表される予定。

 是枝監督作品がカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出されるのは、昨年の韓国映画『ベイビー・ブローカー』以来2年連続、7回目の選出(カンヌ国際映画祭への出品自体は9回目)。
なお『ベイビー・ブローカー』では、エキュメニカル審査員賞、最優秀男優賞(ソン・ガンホ)を受賞した。

 これまでも、2004年の『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年の『そして父になる』では審査員賞を受賞、2018年の『万引き家族』では最高賞であるパルム・ドールを受賞している。

 なお今後も同映画祭では、是枝監督をはじめ、脚本を手掛けた坂元裕二、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太が現地入りし、公式イベントに参加する予定だ。

 映画『怪物』は6月2日より全国公開。