天海祐希が主演を務める新作舞台『レイディマクベス』が、10~11月に東京・よみうり大手町ホール、11月に京都・京都劇場で上演されることが決定した。天海の夫役をアダム・クーパーが演じるほか、鈴木保奈美要潤、宮下今日子、吉川愛、栗原英雄が出演する。



【写真】『レイディマクベス』期待のキャストたち

 『レイディマクベス』は、英国気鋭の若手女性作家ジュード・クリスチャンが脚本、オリヴィエ賞を受賞したウィル・タケットが演出を手掛ける新作舞台。ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』の登場人物で、悪女の代名詞のような存在であるマクベス夫人を大胆に解釈し、彼女の存在を通して「今を生きるわたしたちの物語」として紡ぎ出す。

 戦争が続いているとある国。レイディマクベスは元軍人であり、自ら戦場に赴く兵士だった。マクベスとは、ともに国を守るために闘う同志として知り合い、恋に落ち娘を授かる。しかし彼女は産後戦場へ戻れなくなり、母として家庭を守ることに専念。
「夫と共に国を治める」という夢を持っていた彼女はそんな現状に満足できないまま、人生を歩んでいく。一方、夫マクベスは戦場で次々と勝利を収め、国を導く存在となる。そんな時、統治者ダンカンが血縁者以外から後継者を選ぶと宣言。果たして2人は望むものを手に入れることができるのか…。

 出演者は7名。天海祐希がレイディマクベス役に挑み、その伴侶であるマクベスを2022年2月にミュージカル『Singin’in the Rain ~雨に唄えば』で日本の観客を幸せに包んだアダム・クーパーが演じる。
かねてより親交があった天海とアダムが、遂に本作で舞台初共演を果たす。

 レイディマクベスとマクベスを取り巻く登場人物たちにも豪華キャストが集結。統治者と血縁関係にあることから常に「特権」という安心感の中で育ち、レイディのそばでしたたかに生き抜くマクダフ役に鈴木保奈美。幼少期からのレイディを知る彼女の幼馴染であり野心家のバンコー役に要潤。マクベスとレイディマクベスと共に戦場で戦い、2人を「師」として仰ぐレノックス役に宮下今日子。そして、レイディの娘役を吉川愛、国の統治者ダンカン役を栗原英雄が演じる。


 主演の天海は「マクベス夫人といえば“悪妻”というイメージが強いと思いますが、この『レイディマクベス』を観ていただくと、新たなマクベス夫人像が見えてくるかもしれません。毎公演大事に演じていきたいと思います」と語っている。

 舞台『レイディマクベス』は、10月11日~11月12日に東京・よみうり大手町ホール、11月16日~27日に京都・京都劇場にて上演。

キャストコメント全文は以下の通り。

<舞台『レイディマクベス』キャストコメント>

■天海祐希(レイディマクベス役)

 この作品は数年前から企画され、コロナ禍で一度は諦めなければならない状況でしたが、こうして素晴らしいキャストとスタッフの皆さんが集結して形にすることができたことは、それだけこの作品が力を持っているからなのかもしれません。今は『レイディマクベス』という作品に私が引っ張られている感じですが、初日を迎える頃には私が引っ張っていけるように頑張りたいと思います。


 ポスター撮影でご一緒させていただいたときには、本当にアダム・クーパーさんだ! と(笑)。同じ舞台に立ち、作品を一緒につくることができる、こんな嘘のようなことが本当に起こるんだ! と思ったら、どんなことも叶うような気がします。だからこそ1公演1公演大事にしていきたいですし、その世界にどっぷりつかりたいと心から思います。

 また、ウィル・タケットさんの演出にも非常に興奮しています。自分の気がつかなかった一面に気づかせてもらえるかもしれないし、知らない世界にも導いてもらいたいと思います。この作品で、いつになっても夢は叶えられたり、自分を成長させられたりということを、身をもって感じたいと思います。


 マクベス夫人といえば“悪妻”というイメージが強いと思いますが、この『レイディマクベス』を観ていただくと、新たなマクベス夫人像が見えてくるかもしれません。毎公演大事に演じていきたいと思います。

■アダム・クーパー(マクベス役)

 昨年の『雨に唄えば』では来日するだけでも大変なことで、長い隔離期間直後の私たちのステージを日本の皆さんはとてもあたたかく迎えてくれました。新作でしかも100%日本プロダクションへの参加はもちろん初めてで、とても楽しみです。

 レイディマクベス役の天海さんとはこれまでにも何度かお会いしていますが、この作品で改めてお会いして、一緒に仕事をするのがますます楽しみになりました。とても多才で、強く、あたたかい女性。
もっと色々な話をしたいし、共に舞台に立つことも夢のようです。

 また、演出のウィル・タケットとは約35年の付き合いで、お互いとてもよく知っています。ウィルの演出は、ビジョンが明確で、予想外の視点から物事をとらえる。俳優として彼の演出のもとで演じるのはやりがいがあります。

 新作のストレートプレイに俳優として出演するのは初めてで、ほかにも私にとって初めてづくしの作品になりますが、日本のすばらしいキャストの皆さんとウィル・タケットが一緒であれば、新しい、すばらしい作品が出来上がると思います。お客様にも気に入っていただけることを願っています。

■鈴木保奈美(マクダフ役)

 あまりにもワクワクする、大き過ぎるプロジェクトで、半信半疑でしたが、本当にやるんだなと実感しています。初めて観た宝塚が天海さんの作品ですし、アダムさんの『スワン・レイク』も拝見していますし、この憧れのお2人と一緒の作品というのは何かに騙されているんではないかと思っていました。ただ憧れは抑えて闘いに行かねばと思います。

 非常に現代的で挑戦的でお客様には少し頭を使って頂くことになるかもしれませんが、でもそれ以上に何か力強い新しいものを感じていただける作品になると思います、お楽しみに。

■要潤(バンクォー役)

 私が演じるバンクォーは、レイディマクベスの幼馴染で弁が立ち、うまく翻弄しながら自分の手を汚さない、したたかでずるい役です。生命力のある役だと思いますが、自分とはまったく違うタイプなので、そこが難しくもあります。

 今までなかなかご縁がなくて、ほとんど舞台の経験がないので、自分の中でプレッシャーをかけているような感覚もありますが、憧れの俳優の1人である天海さんに気持ちを委ねて、役を通して寄り添っていけたらいいなと思っています。気合を入れて、精一杯演じます。劇場でお待ちしております。

■宮下今日子(レノックス役)

 このメンバーで演じさせて頂く嬉しさを感じています。マクベス夫妻を心から崇拝しているレノックスという役を演じます。一つの舞台を共演すると戦友という感覚が芽生えるのですが、以前にも共演させていただいたことのある天海さんには本能的に崇拝の気持ちがありますので、役作りは心配ないと思います。

 皆さんが楽しみのように私もすごく楽しみです! 素敵な役が皆さんに伝わるように、そしてマクベス、レイディマクベス、そして素敵な役が皆さんに伝わるようにしていきたいです。

■吉川愛(娘役)

 今回が2度目の舞台出演なので不安はありますが、レイディマクベスの娘役に選んで頂いたからには、精一杯楽しみながら演じたいです。私が演じる娘は、悲しそうな子に見えるが客観的にはクールに見える、という女の子です。自分が生まれたことによってレイディマクベスが社会復帰できなくなり、辛い思いをしていることを感じ取っているので、申し訳ないという気持ちを持ちながらも、母からの愛を欲している娘なのかなと思います。

 一番大好きな女優さんである天海さんの娘役を演じさせていただけることは光栄なことなので、全力で楽しみます。原作には登場しない役ということでプレッシャーはありますが、少しでも皆さまの気持ちを動かすことが出来たら嬉しいです。

■栗原英雄(ダンカン役)

 新作に参加出来る事に感謝しております。初共演の方々ばかりなので緊張してますが、皆さん力のある方なので期待感の方が大きいです。私の役はダンカンという、レイディやマクベスたちのかつての軍隊での上官であり今は国王です。父性がありながらも元軍人としての勝者のメンタリティ、また王としての冷徹さがレイディに他のキャラクターにどう影響を与えるのか楽しみです。

 演出のウィルはとてもクレバーかつユーモアで役者に寄り添ってくれる演出家だと思いますので、その点では信頼して楽しみにしています。このメンバーでどんな化学反応が起きるのか是非劇場に観にいらしてください、世界初演です! そこに立ち会えるのはあなたです。