山田裕貴が主演を務め、赤楚衛二上白石萌歌が共演する金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系/毎週金曜22時)。みんなで元の世界に戻ろうと絆が芽生え始めた5号車乗客の前に、同じく極限状態へと飛ばされた6号車の乗客が現れるなど、ストーリーは思いもよらない急展開を見せ、ネットでは考察も過熱中。

そんな本作で、ムードメーカーの米澤大地を演じるなにわ男子藤原丈一郎に話を聞くと、シリアスな作品とは真逆な現場の雰囲気が伝わってきた。

【写真】藤原丈一郎は、作品でも撮影現場でも場を和ませるムードメーカー!

◆なにわ男子メンバーと“ペンディング状態”になったら…「マウント取るかも(笑)」

 藤原が演じる米澤大地は、ゲームやイラスト、漫画などのポップカルチャーを学ぶ専門学校に通う明るく口達者な関西人。極限の状況下に置かれても、そのポジティブな明るさで皆の心を和ませる愛されキャラだ。

――物語は早くも6話となりますが、ここまでの撮影はいかがでしたか?

藤原:ドラマの経験があまりないので、過酷さというのがあまり分からなかったんです。(『ペンディングトレイン』が)普通だと思っていたのですが、周りに聞いたら「マジでこれ大変だね」って言われるので、「これ大変なんや!」って(笑)。

現場では監督さんをはじめ、カメラマンさん、キャストさんと1シーンをみんなで作り上げているっていう実感があるので、そこが『ペンディングトレイン』の肝なのかなと感じています。

――ネットでは考察も盛り上がりを見せていますが、周りからの反響はありますか?

藤原:『ペントレ』を見てくださるファンの方の考察をプロデューサーさんが教えてくださるんですけど、「米ちゃん、犯人になってるよ」とか、そういう声を聞くとすごくありがたいですし、楽しいです。これまでの米ちゃんの言動とかを見てそういう風に考察してくれてるんやって。事件の真実がついに6話で明らかになるので、そこも注目してほしいですね。

(なにわ男子の)メンバーも考察がハンパないです。特に、道枝(駿佑)が、「どうなるんですか?」「あれってどういう意味なんですかね?」ってめちゃめちゃ探ってくるんですよ。友達も「見てるよ」とか、「毎週金曜日が楽しみ」とか言ってくれて、すごくうれしいですね。


――米澤を演じるうえで、役作りで気を付けていることはありますか?

藤原:ああいうキャラクターですので、みんなが落ち込んだときに、みんなが10落ち込んでも僕は10に合わせずに、半分くらいでとどめて、1人だけ場を明るくしようというのは意識しています。だからこそ、米ちゃんが落ち込んでいたら、ほんまに深刻なんやって視聴者の皆さんにも伝わるかなと。そこは1話から気を付けて演じています。

――演じられる“米ちゃん”、米澤大地役は藤原さんにぴったりなキャラクターですね。

藤原:明るいという部分、よくしゃべるっていう部分では藤原丈一郎に似ているというか、ほぼそのまんまなので、ぴったりな役なのかなというのは思います。脚本の金子ありささんが調べて盛り込んでくださったのか、ドラマの中に僕自身がなにわ男子でやっているフリップ芸のようなシーンがあって、びっくりしました(笑)。

――米ちゃんには藤原さんご自身に通じる部分も多いですか?

藤原:マイナスな雰囲気になったときに、できるだけプラスな空気にもっていこうというのは、実際にもやっちゃうかな。ハードな撮影の待ち時間に、「今なに食べたい?」って話で盛り上がったり(笑)。最近は“海鮮ドラフト”っていうので、みんなで好きな具を挙げていって、かぶったらじゃんけんして、理想の海鮮丼を作るっていうゲームをやりました! みんなで「じゃ、この後、なになに食べようね」とか、そういう光が射すようなことをするかもしれませんね。みんなで希望を照らすというか…。

ちなみに、“海鮮ドラフト”ではみんなとネタがかぶってしまって、じゃんけんで全部取られて、自分では思ってもないネタばっかりになっちゃったんですよ。『ペンディングトレイン』内でもじゃんけん弱かったです(笑)。


――もしなにわ男子のメンバーで荒廃した未来へと“ペンディング”されてしまったとしたら、どんな感じになりそうでしょうか。

藤原:まず笑っちゃいそう(笑)。帰れないとかは考えず、帰れた時にどんな話する?みたいな。記者会見の練習しようぜ!とかやっちゃうと思います。

おなかがすいたら、リーダーの大橋(和也)が毒見して、「いける!」ってなったらみんなで食べる! 食のファーストペンギンは大橋ですね。

僕は、『ペンディングトレイン』に出てたっていうことで、マウントを取るかも。「俺、“ペンディング”経験あるから。おまえらないやろ。俺はいっぺん2~3ヵ月ペンディングしちゃってるから、なんでも聞いて!」って(笑)。

◆作品の世界観とは真逆な雰囲気の撮影現場 山田×赤楚にクレームも?

――物語では極限下に置かれた人間の本質が描かれるなど、シリアスな展開を見せますが、撮影現場の雰囲気はいかがですか?

藤原:生きるか死ぬかっていうお話なので、ピリついた感じなのかなと思ったら、ほんまに真逆なんです。SNSとか見ていただいたら分かるんですけど、『ペンディングトレイン』とか言って電車ごっこしてるんですよ! そんなシーン一切ないんで、「俺ら、これしていいんかな?」って言いながら(笑)。

最近は、山田さんと赤楚さんが僕の関西弁をなんかめっちゃ違うイントネーションで言ってきて惑わすっていう…。
エセ関西弁で変に米ちゃんを真似してくるんですよ。しかも本番始まるギリギリまで! ちょっとクレーム言いたいくらいです(笑)。そういった和気あいあいとした温かい雰囲気で撮影は進んでいます(笑)。

――主演の山田さんの印象はいかがでしょう。

藤原:山田さんの座長ぶりっていうのはクランクインから感じているのですが、特にすごいなって感じたのは、周りにレギュラー乗客の方もいらっしゃって、総勢50~60人、みんなでお芝居をしないといけない中で、ちゃんと舵を取ってくださるんです。ご自分が出ていないシーンでも映像チェックをして、アドバイスをくださったり。

感動したのは、1日撮影が終わったあと、山田さんは他の作品にも出られていたりラジオもあったりとお忙しいのが分かっているので、僕らからすると先に帰ってください!なんですよ。なのに、レギュラー乗客の皆さんに先にどうぞどうぞっておっしゃって、自分が最後に帰られるのは、「うわ!この人かっこいい!」って思いました。そういう姿を見ると、ついていきたくなるっていうか。

ほかにも、4月に始球式のお仕事があったんですけど、「藤原君、始球式やるんでしょ? 練習しようよ」って声をかけてくださって、撮影の合間にキャッチボールの練習相手をしてくださったのもうれしかったですね。

――現場のいい雰囲気が伝わってきます。劇中では井之脇海さんが演じられる加藤と米澤のコンビも見どころですね。


藤原:回を追うごとに、脚本的にも加藤×米澤の絆がだんだん深まっていくんですけど、それとは別に藤原×井之脇も、撮影の間にお互い好きな野球の話で盛り上がったり、どっちが加藤でどっちが井之脇か分からなくなるくらい、常にバディとして一緒にいる感じです。視聴者の皆さんにも、「加藤&米ちゃんのペアいいよね」と、楽しみにしていただきたいです。

現場では僕ら2人のシーンを周りがめっちゃほほえましく見てくださるんです。「2人めっちゃ仲いいじゃん!」「加藤さんの横には米澤くん座るよね?」って完全にペア扱いで。それをめっちゃニヤニヤ見てくるのが赤楚さんなんですけど(笑)。ちょっと恥ずかしくもなってきますが、それくらい井之脇さんとはお互いにいい関係になってるかなと思います!

――物語も後半戦となり、米澤たちの運命からますます目が離せませんが、今夜放送の第6話の見どころを教えてください。

藤原:5号車だけじゃなく6号車もいるということになり、ほかにも人がいるというのは希望なのかなと思いきや、実は違ったのかとか、人と人との葛藤だったりが凝縮された回になっています。いい意味で裏切られるというか、人間性が問われるなと感じました。その中で、米澤はキーパーソンにもなっているので、ぜひ期待してください!

(取材・文:編集部)

 金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。

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