厳しい残暑もようやく終わりが見え、いよいよ秋ドラマの季節がやってくる。今期は豪華俳優陣がトリプル主演で“たった1日”の出来事を描くドラマや、大人気ドラマのseason2、“9笑って、1泣ける”ラブコメディーなど注目したい作品が目白押し。

この記事では期待のドラマ3作品を紹介する。

【写真】10月期「期待の秋ドラマ」ランキングTOP10に輝いた作品、出演者フォトギャラリー

二宮和也中谷美紀大沢たかおがトリプル主演『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』

 今期のフジテレビの月曜9時・通称“月9”は、二宮和也、中谷美紀、大沢たかおという豪華俳優陣がトリプル主演を務める『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系/毎週月曜21時)。本作は、1年の中で最もロマンティックで、誰もが心躍らせる特別なクリスマスイブの“たった1日”の出来事を1クールかけて描く謎と愛と奇跡の物語。主人公は別々の人生を歩んできた、全く関わりを持たない3人の男女だ。ドラマでは3人の1日の出来事が同時並行で進行していき、次第に運命の交錯へと導かれていく。

 二宮、中谷、大沢は全員月9初主演。中谷と大沢は大人気ドラマ『JIN-仁-』シリーズ(TBS系)以来12年ぶりの共演だ。二宮は銃殺事件の容疑をかけられた記憶喪失の男・勝呂寺誠司を、中谷は報道キャスターの倉内桔梗を、大沢は慎重でありながら頑固な孤高のシェフ・立葵時生を演じる。

 メガホンを取るのは『HERO』シリーズ、映画『マスカレードホテル』シリーズなどを手がけた鈴木雅之監督。脚本は『翔んで埼玉』で第43回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した徳永友一が書き下ろすオリジナル脚本だ。

 3人の主人公の“たった1日”の出来事を同時並行で描くという、これまでにあまり目にしたことがない設定の本作。“月9”といえば恋愛ドラマが多く放送されてきた枠ではあるが、設定を見ただけでも本作はそれだけでは収まらない予感がする。
1話ごとに張られるであろう伏線にも注目したいところ。公式ホームページには「謎をひもとく伏線は第1話から張られ最終話ですべて回収されるので、映像、セリフ、表情すべてにご注目を!」とあり、SNSでも考察合戦が繰り広げられそうな作品だ。

 公開されているティザー映像では、勝呂寺(二宮)が「一体誰を信じればいいんだ?」、倉内(中谷)が「これは私の最後のわがまま」、立葵(大沢)が「あの人との約束だ」という言葉を発している。この3人の人生がどのように交わっていくのか、第1話から目が離せない。

シロさん&ケンジが帰ってきた! 『きのう何食べた? season2』

 次に挙げたいのは、大人気ドラマ『きのう何食べた?』の続編『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系/毎週金曜24時12分)。本作はシリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる大人気漫画を、西島秀俊内野聖陽のダブル主演で実写化した作品。2019年に放送されると、深夜ドラマにも関わらず見逃し配信全12話100万再生超え、第16回「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」作品賞&主演男優賞、第101回「ザテレビジョンドラマアカデミー賞」4冠達成など、数々の記録を樹立した。

 2020年にはスペシャルドラマの放送、2021年には映画化もされ興行収入14.1億円の大ヒット。そして今期、待望のseason2がやってくる。本作の主人公は、料理上手で几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん/西島)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ/内野)。作品では2人の毎日の食を通して浮かび上がる、男2人暮らしの人生の機微が表現されている。

 season2ではアラフィフに突入したシロさんとケンジの日常が描かれる。
今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れるちょっとした変化。生きていれば誰もが経験する環境の変化や身体的・精神的な変化をシロさんとケンジも経験していく。脚本はseason1や映画に引き続き、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)を手掛けた安達奈緒子が担当する。

 シロさんとケンジを取り巻く他の登場人物も個性豊か。ほろ苦い展開があることもあるが、この物語には優しさと愛が詰まっている。また、本作のもうひとつの主役とも言えるのが、2人の食卓を飾る「おいしく安上がりな手料理」。画面を通して見るだけでも思わず顔がほころんでしまうような料理の数々と、それを幸せそうに食べるシロさんとケンジの姿は、season2でも私たちを癒やしてくれるに違いない。

 15日に行われた「テレビ東京・BSテレ東10月編成説明会」で阿部真士プロデューサーは「スタッフ、キャストの作品への愛がとても深いです」とチームの作品に対する深い愛を告白し「神回が連発するのでぜひご期待いただければ」とアピールしていた。作品に関わる人たちの愛が詰まった本作を、しっかりと見届けたい。

“9笑って、1泣ける”ラブコメディー『セクシー田中さん』

 最後に挙げたいのは、木南晴夏が主演を務める『セクシー田中さん』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)。本作は芦原妃名子の大人気マンガ『セクシー田中さん』(小学館「姉系プチコミック」連載中)のドラマ化。マンガは第9回ananマンガ大賞を受賞、発行部数100万部を誇る話題作だ。


 主人公であるアラフォーOL・田中京子を演じるのは、話題作『ブラッシュアップライフ』でもその素晴らしい演技力を見せつけた木南。今作がGP帯連続ドラマ初主演となる。脚本は、2022年の連続ドラマ、2023年9月公開の映画『ミステリと言う勿れ』の相沢友子が手がける。

 主人公の田中さんは、仕事は優秀ながら友達も恋人もおらず、周囲からは変人扱いされている経理部のアラフォーOL。しかし、実は田中さんには誰も知らない“裏の顔”超セクシーなベリーダンサーという一面がある。田中さんがベリーダンスを始めたのは、胸を張って生きたい、変わりたいと思ったから。なお、ベリーダンサーの顔は会社や周囲には秘密でありひた隠しにしている。

 そしてもう1人の注目人物は生見愛瑠が演じる愛され系の派遣OL・倉橋朱里。愛され女子でありながら「本当に好かれたことがない」と感じ、モヤモヤした生きづらさ、虚しさを抱えている。あるとき、朱里は田中さんの“正体”を知ることになり、“我が道”を行く生き様に惹かれ憧れていく。

 木南の演技力は言わずもがな、生見もまたその演技力に注目が集まり、近年では『風間公親ー教場0ー』(フジテレビ系)、『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)など話題作に出演。この2人の演技がどのように化学反応を起こすのか、そこにも注目したいところだ。
公開されているティザー映像では、バッチリメイクで煌びやかな衣装に身を包み、レストランでベリーダンスを踊っている田中さんの姿や、それとは正反対の控えめなメイクにメガネという田中さんの姿、かわいらしく「田中さん!」と笑っている朱里の姿が映し出されている。

 ビジュアルだけでも「見てみたい」という気にさせる本作は、公式ホームページによると「『私も明日、背筋を伸ばして頑張ろう』と元気をもらえる“9笑って、1泣ける”ラブコメディー」。日曜の夜には、田中さんと朱里に背中を押してもらえるに違いない。

 『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』はフジテレビ系にて10月9日より毎週月曜21時、『きのう何食べた? season2』はテレビ東京系にて10月6日より毎週金曜24時12分、『セクシー田中さん』は日本テレビ系にて10月22日より毎週日曜22時30分放送。

編集部おすすめ