13日に公開される映画『キリエのうた』に出演するアイナ・ジ・エンド、松村北斗(SixTONES)、広瀬すず、岩井俊二監督が、韓国・釜山で開催中の釜山国際映画祭に登場。1000人の観客から大歓迎を受けた。



【写真】初めての釜山国際映画祭を満喫するアイナ&北斗&すず

 韓国でも絶大な人気で、今回の渡韓中も、何度もサインを求めるファンに囲まれた岩井俊二監督。韓国語で自己紹介をするとともに、自身のヒット作『Love Letter』より「お元気ですか」と挨拶し、会場を沸かせた。

 アイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すずは今回釜山国際映画祭への参加は初めて。韓国に来るのも初めてで、4日に開催された開会式でレッドカーペットを歩いたアイナは、「アニョハセヨ。チョヌン アイナ・ジ・エンド イムニダ」と韓国語で自己紹介。「初めての韓国が釜山でとても嬉しいです。
人生でこんな経験をさせていただけるなんて思ってもみませんでした。何より連れてきてくださった岩井俊二さん、そして映画を楽しみにしてくださっているお客さん、ファンのみなさま、今後ともよろしくお願いいたします」と初めての経験に喜びと感謝の思いを表した。

 同じく初・韓国にして、初の映画祭と初めてづくしだという松村。韓国にも多くのファンがいると紹介されると「個人事になるのですが、韓国に僕のことを応援してくださっている人がいることは知っていました。そういう意味でも楽しみでしたし、岩井俊二監督の名作が新たにひとつ生まれ、それが韓国まで上陸したというのを目の前で見れた興奮と喜びがとても強い韓国訪問となっています。この場にお集まりいただきカムサハムニダ」と述べ、愛らしい韓国語挨拶で会場を沸かせた。


 そして、数々の映画祭に出席してきた広瀬も釜山国際映画祭の出席は初。「韓国は7・8年ぶりで、前回来たときは別の映画祭だったのですが、こうして釜山国際映画祭に初めて参加できてとても嬉しく光栄に思っています。このように映画を通してお会いできる機会ができてすごく幸せに思っています。『キリエのうた』が少しでも多くの人に届いて欲しいと思います」と語った。

 グリーティングイベントの前にはアイナ・ジ・エンド、松村北斗、広瀬すず、岩井監督で記者会見にも登場。韓国でも注目を集める本作に対して、多くの現地記者から質問が寄せられた。


 歌を通して伝えたかったメッセージについて質問されたアイナは「今回、映画のなかで6曲作りました。作る時間がいつも夜中だったので、ギターを片手に、あまり大きな声も出せないので、タオルで口を塞ぎながら作曲していました。そんななかでもキリエは、歌でしか声が出せないので、シャウトや、悲鳴に近いような高音を出し続けなきゃ、誰にも届かないような気がしました。歌が上手いだとか、メロディが綺麗だというよりは、魂の叫びや、内臓が出てくるほどの感情の極みだとか、そういうところをしっかり乗せたいというのが今回の6曲のモットーでした。そのなかで一つ、岩井さんが歌詞を書いてくれた曲もあります。一人ぼっちで作ったわけではありません。
届いていたら嬉しいなと思います」と楽曲に込めた熱い思いを振り返った。

 記者会見の最後には、広瀬は「映画って、海を越えてすごく無限大なものだなと、こういう場に来させていただけると改めて実感します。そしてみなさんが想像以上に『キリエのうた』という作品を色々な視点で観られていることを聞けて楽しかったです」と思いを語り、松村は「キリエのうたは13年間の物語だからこそ、様々なことが起こります。ひとりひとりに様々なことが起こって、それは決して小さなことではありません。だからこそ映画として、ものすごく肉厚で、上映時間があっという間だと思います。彼らの人生を観たうえで、明日、明後日について考えていただける作品だと思うので、その魅力を存分に受け取っていただければと思います」とアピール。


 主演を務めるアイナは、「地面には底があるんですけど、空のてっぺんは誰も触ったことがなくて、限りがないんですよね。この映画の最後、キリエは不思議と上ばかり見て歌っていました。小林武史さんが作ってくださった歌が、岩井俊二さんが作ってくださった世界が、キリエをそうさせたんだと思います。この映画を観て、少しでも上を見上げてもらえたらいいな、なんて思いました」とメッセージを寄せた。

 映画『キリエのうた』は、10月13日公開。