『君が死ぬまであと100日』(日本テレビ/毎週月曜24時59分)でヒロイン・神崎うみを演じている豊嶋花。子役時代から数々の役を演じてキャリアはすでに10年以上、現在16歳の豊嶋だが、恋愛作品のヒロインは初めて。

これまで恋愛ものを演じる自分を想像できなかったという彼女は、「女の子らしさのギアをフル回転して頑張っています」と笑顔を見せる。

【写真】豊嶋花演じるうみのツインテール 実は肩から下はウイッグ

■うみの髪型の秘密

――先ほどまで朝から『ZIP!』『DayDay.』『ヒルナンデス!』と生放送の出演お疲れ様でした。生放送は初めてだったんですよね。

豊嶋:すごく緊張したんですけど、楽しかったです。周りの皆さんが支えてくださって、3番組楽しく出演することができました。

――今このインタビュー中も、番組に出演されていたときのうみの髪型と衣装で。
9月まで演じていた『ばらかもん』(フジテレビ系)の美和役ではボブでしたよね。今回はロングのツインテールで。


豊嶋:肩くらいまでが地毛で、そこから下はウィッグなんです。

――近くで見ても全然分からないです。

豊嶋:そうなんですよ! (待機していたヘアメイクスタッフへ元気よく)ありがとうございます!

――(笑)。

豊嶋:後ろとか細かくブロックして6ヵ所くらい結んで、ギュッとまとめてるんです。
試行錯誤して今の形になっていて。

――細かな工夫がされているんですね。先ほどの生放送も初でしたが、今回のような恋愛作品のヒロインも初めてです。

豊嶋:ヒロインでいえば、映画『都会のトム&ソーヤ』(2021年)の美晴もそうでしたけど、恋愛作品では初めてで、すごく新鮮です。

――以前、「私が恋愛ものって、自分でもイメージが湧きません」とインタビューでお話しされていたこともありました。

豊嶋:実はそのインタビューのすぐ後に、今回のお話を頂いて(笑)。
すごくワクワクしたんですけど、同時に「自分で大丈夫かな」という不安もありました。でも、完成した映像を見てくださったスタッフさんや、ティザー映像を見てくれた家族や友達から、「良かった」「楽しみ」と言ってもらえて、ホッとして。これからの放送(取材時は1話放送前)でも皆さんにキュンとしていただけるような姿を見せられたらと思っています。

■「君100エフェクト」でスイッチオン

――高橋優斗さん(高は正式には「はしごだか」)演じる、うみの幼なじみで恋人の林太郎は“死ぬまで100日間の余命”が見え、うみは彼から“余命が100日”だと告げられます。ただ、うみが“ときめく”ことで余命がのびるという設定で。うみがさまざまな形でキュンとさせられるシーンが登場しますね。


豊嶋:「君100エフェクト」っていうのがあって。うみがキュンとするシーンでは、照明さんがエフェクトを使ってカラフルな光を作ってくださるんです。現場でその準備が始まると、「よし、やるぞ!」とスイッチが入って。キュンとするシーンでは恥ずかしい気持ちもなくはないんですけど、「君100エフェクト」で気持ちを入れています。

――これもインタビューでお話しされていましたが、「演じていて難しいなと感じるのは、可愛らしい感じの子」だと。

豊嶋:『ばらかもん』の美和みたいな男勝りな役は、すっと入れるんですけど、逆だと…。
男きょうだいしかいないからなのかな。

――お兄さんが2人いらっしゃるんですよね。

豊嶋:母も兄が2人いるんです。母も私も兄が2人。周りに男の人が多いので、女の子っぽいのが恥ずかしくなっちゃうところはあるのかも。そういう意味では、今回演じるうみは自分とはちょっと離れていて、女の子らしさのギアをフル回転して頑張っています。


――“余命が見える”という設定の作品は今までにもありますが、うみのように、余命を見られる側も“自分の余命を知っている”というパターンは少ないような気がして。その分、うみの心情としては複雑ですよね。

豊嶋:そうなんです。うみが自分の余命を知らない状態なら、ずっと明るくいられるんですけど、たろー(林太郎)がうみのことで泣いたりして感情が忙しく動くので、うみはたろーのことを落ち着かせつつも一方で、「自分は死ぬかもしれない」っていう恐怖もあるから、ずっと明るくいられるわけじゃない。そういうところが難しいですね。でもやっぱり高橋さんがたろーだからこそ、できている部分もたくさんあって感謝しています。

■高校の文化祭では椎名林檎をバンド演奏

――昨年2022年には高校に進学して、出演作品も増えています。公私ともに環境の変化を感じる部分もあると思いますが。

豊嶋:高校に進学したことで、本当に大きく成長したと思って。中学生の時は“ザ・女子”って感じで、3年間、少人数の女子グループでずっと固まっていたんです。でも高校生になって、クラス全体で仲が良い雰囲気があって。中学の時は自分が少人数にこだわっていたのもあったし、男女の壁も結構あったので、本当に数人としか関わってなかったんです。

高校に入学して環境が変わったことで、他クラスの女の子と仲良くなったり、男の子とも普通に話すようになったりと、人と交流することで、自分も変わった気がします。いろんな人柄や人間性を見られることで、役づくりの参考ではないですけど、自分にとって本当に大きな変化だと思っています。

――仕事に割ける時間が増えたりも?

豊嶋:そうですね。中学3年生の時は受験でお仕事をお休みした時期があったので。

――高校で変わったというお話をお聞きした上でインスタグラムを拝見すると、確かに体育祭では応援団に、文化祭ではバンド演奏と大活躍の様子ですね。

豊嶋:体育祭で応援団をしたのは5月末で『ばらかもん』の撮影の直前で、「『ばらかもん』頑張るぞ!」と気合いも入れて(笑)。文化祭が9月で『ばらかもん』がクランクアップしてすぐでした。たまたま同じクラスにベースとキーボードとドラムができる子がいて、私のギター&ボーカルがそろってみたいな奇跡が起きて。

――偶然それだけのメンバーがそろうのはすごいですね(笑)。何を演奏したんですか?

豊嶋:椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」です。

――めちゃくちゃ難しそうです。

豊嶋:原(曲)キーが出なくて、キーを下げてやらせてもらいました。時間がなかったので、全員分簡単にしたんですけど、バンドスコアは兄に作ってもらいました。兄は音楽関係の仕事をしていて、最後のスキャットなんかも一緒に音程を考えてくれたりもしたんです。本当に兄に感謝、メンバーに感謝って感じでした(笑)。

(取材・文:編集部)

 『君が死ぬまであと100日』は、日本テレビにて毎週月曜24時59分放送。11月6日の第3話は24時4分放送(全10話)。