4月8日スタートのドラマ『366日』でフジ“月9”初主演を務める広瀬アリス。HYの同名の代表曲をモチーフに、同級生たちをはじめとするさまざまな人間模様が描かれるオリジナルストーリーが展開される本作で、広瀬は愛する人を想い続ける主人公を演じる。

そんな広瀬が、ドラマへの意気込みや楽曲、同世代に対する思いを明かしてくれた。

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■HYの代表曲「366日」がモチーフのドラマで主演! 「同世代からの反響がすごかった」

 主人公は28歳の雪平明日香(広瀬)。高校時代の同級生と同窓会に行くことになった明日香は、当時好きだったクラスメイトの水野遥斗(眞栄田郷敦)と再会。同窓会をきっかけに実は両思いだったことを知り、12年越しに交際することになるも、遥斗を予期せぬ悲劇が襲い、彼は意識不明の重体に。目覚めない彼の近くにいる明日香は、忘れていた遥斗や同級生たちとのさまざまな日々を思い出していく―。うるう年の2024年春、『最愛』(2021年/TBS)の清水友佳子が脚本を書き下ろし、『義母と娘のブルース』(2018年ほか/TBS)、『JIN‐仁‐』(2009年、2011年/TBS)の平川雄一朗監督がタッグを組んだ純愛ストーリーが届けられる。


――広瀬さんにとって、ドラマのモチーフとなったHYの「366日」は思い出の曲だとうかがいました。

広瀬:そうですね。学生の時に基本1人でカラオケに行っていたんですけど(笑)、中学の卒業式の後に、親友とお互いの親と4人でカラオケに行って「366日」を歌いました。その頃が一番この曲を聴いていました。当時、(「366日」が主題歌となった)ドラマ『赤い糸』(2008~2009年/フジテレビ)を見ていて、そこで曲を知ったんです。

――以前、広瀬さんがカラオケでよく歌う曲に「366日」を挙げられていたと思うのですが、本作のオファーを聞いた時のお気持ちは?

広瀬:ハハハ、恥ずかしい(照)。
純粋に運命だなと思いました。昔からカラオケに行くと歌い続けてきたのは、この「366日」だけだったので(笑)。出演のお話をいただいた時は、すごくうれしかったです。

――オファー受けられてからも歌ったりしていますか?

広瀬:それは歌いますよ(笑)。家でもよく歌っています。

――「366日」がドラマ化されることに、周囲から反響はありましたか?

広瀬:(前述の)親友からは「びっくり!」「ヤバいよ!」という言葉をもらいました(笑)。
やっぱり同世代の方からの反響がすごかったです。ずっと聴いてきた楽曲でもありますし、私がこの曲が好きということも友達は知っているので、「すごく楽しみにしてる」と言ってくれました。

――楽曲に対しては、どんな印象がありましたか?

広瀬:あまり内に秘めて人に言わないような言葉がつづられている楽曲だなと、聴いていた当時も思っていました。聴いていて切なくなるような、ちょっと心がキュッとなる曲だなと思います。友達の失恋会とかで歌っていました(笑)。

――(笑)。
学生時代と、年を重ねてこの曲を聴くのとでは感じ方が違いますか?


広瀬:学生の頃は恋愛の曲だなと思っていたんです。でも、恋愛に限らず、いろいろな経験を大人になってしていくにつれて、言葉の一つ一つの重みや、人間らしさがむき出しになっている言葉が、グッと深く感じられるようになりました。

――今回演じる上でも、楽曲からヒントをもらっていますか?

広瀬:はい。聴きながら、台本を読んでいます。

――本作で楽曲のエッセンスを感じる部分は?

広瀬:「人を愛するとはどういうことなんだろう」ということです。プロデューサーの狩野(雄太)さんもおっしゃっていましたけど、恋愛をしなくても幸せになれる時代に、人を愛することに全力で向き合うということはどういうことなのかを、私は台本を読みながら、楽曲を聞きながら、すごく考えています。


■月9初座長! 「人見知りなんですけど、震えながら話しかけようかと(笑)」

――台本を読まれてどんな印象を持ちましたか?

広瀬:学生の頃と、大人になってからの物語が並行して進んでいくんです。恋だけじゃなく友情面も描かれるので、人間らしいやり取りがたくさんあるなと思いましたし、キレイごとだけではないなという感じも受けました。誰しもが、ちょっとしたことに悩んだりもしていて、それもしっかりと描かれている人間ドラマになると思います。それと、自分の学生時代のことをすごく思い出しましたね。私自身、男女関係なくみんなでワイワイやっていたタイプだったんですけど、台本を読みながら、自分はどんな感じだったかなと思い返したりしていました。

――演じる明日香はどのようなキャラクターと捉えていますか?

広瀬:自分のことよりも人の心を優先する人だなと思いました。
明日香は私以上に多分そういう考えが強くて、芯の通った女性だなと思います。少し共感できる部分もあるかなと思います。

――今回は高校生の時と28歳の現在を演じますが、演じ分けで意識していることは?

広瀬:意識するのは、見た目ですかね。話すペースも自然と変わっていくのかな、と。演じていくなかでも、どんどんいろいろなアイデアが生まれてくるのかなと思っています。

――月9ドラマへの出演は『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(2021年/フジテレビ)以来、3年ぶりですね。

広瀬:何度か月9ドラマには出させていただいていましたが、まさか主演をやるとは思ってもみなかったですし、いまだに信じられない気持ちでいっぱいです。プレッシャーももちろんありますけど、なるべくあまり考えないようにして、楽しい現場を作れたらいいなと思っています。自分たちの面白いと思うものを作りたいなっていう気持ちの方が大きいかもしれないです。

――座長としてどういう現場にしていきたいですか?

広瀬:どんなドラマであっても、私はやっぱりお芝居しやすい環境を作りたいなと思うんです。本作では、恋愛だけでなく、友情も描かれるので、皆さんと、学生時代と大人になった時にご一緒するシーンがすごく増えてくると思うので、まず仲良くなりたいです。役者同士の距離感というよりも、普段からたくさんしゃべって、そんな空気がそのままお芝居に出たらいいなと考えています。

――現場で共演者の方々と仲良くなるコツは?

広瀬:私、実は人見知りなんです。だからもう震えながら話しかけようと思っています(笑)。自分が今29歳で、結構、現場でも年下の方が増えてきたなかで、もう「人見知り」って言っていられないなって、最近、思いまして…(苦笑)。

――話題作りで気を付けていることは?

広瀬:そうですね…私は音楽が好きなので、「今、どんなのが流行ってる?」とか、聞いちゃうと思います。意外とそれで、これまで仲良くなれたんです。盛り上がれる曲の話があればいいかなと思っています。積極的に…と思いつつ、少しずつ掘っていければ(笑)。

――共演者の方とお芝居の話や相談をしたりしますか?

広瀬:逆にそれはしないかもしれないです。本当に全然お芝居とは違うことを話して盛り上がった方が、距離感的にすごくいいというか。お芝居って、お互いやりながら少しずつ寄り添っていくものだと思っているので、あまり話さないようにはしています。

■同世代は94年生まれの大谷翔平/羽生結弦世代! 「そこはすごく掲げてます(笑)」

――本作では「想いがあれば困難は乗り越えることができるのか」が描かれますが、広瀬さん自身、困難に直面した時はどうされていますか?

広瀬:私は体育会系の家庭で育ってきたんです。なので、「まず100本ノックを受けろ」と言わんばかりに、困難や壁があっても、強制的に切り替えさせられていました(笑)。「当たって砕けろ!」「弱肉強食だ!」みたいな感じなんです、うちの家族は(笑)。なので、あまり落ち込む暇もないまま、「とりあえず、次」「もう1回」「諦めて見切りをつける」みたいな感じでした。落ち込んだとしても30分だけ。立ち直るのも早いです。

――30分は早いですね!

広瀬:起きてしまったことは、もうしょうがないですし。でも、20代の時は何十回失敗しても、私はそれが成功への近道だと思ってるんです。荒削りなままで進んでいって、余分なものを少しずつ削ぎ落としていくという作業は、10年かけてもいいと思っています。壁は「ないわけないじゃん!」という感じです(苦笑)。きっとこの先も、仕事に限らず、きっとたくさん壁があって、そのたびにもがいて、自分にイライラすると思うんですけど、その時は30分だけ思いの丈を吐き出して、もう1回挑戦すると思います。今の年齢になると、いろいろと経験をしているからこそ、選択肢がどんどん減っていくものだと思うんです。だから、これからは一つのものを極めて追求していくという作業にはなっていくと思います。

――そんな広瀬さんの同世代は「94年組」世代ですよね?

広瀬:わかります!(笑) 「大谷翔平世代」「羽生結弦世代」です! お会いしたことはないんですが、そこはすごく掲げてます(笑)。

――(笑)。俳優仲間でも多いですよね。

広瀬:多いですね。西野七瀬ちゃん、清野菜名ちゃんも、川栄李奈ちゃん、川口春奈ちゃん、松岡茉優ちゃん…二階堂ふみちゃんも同級生ですし。

――同世代だからこそ、刺激や影響を受けたりすることはありますか?

広瀬:みんな、10代の時にたくさん一緒に仕事をしたメンバーなんです。だから今も変わらず、10代の時の“友達のまま”という感じなんです。伊藤沙莉ちゃんも同い年なんですけど、沙莉ちゃんと会う時も仕事の話は一切しないです(笑)。「最近、食べ物が胃に入ってこないんだー」「あの時は食べられたのにね」とか(笑)、そんな感じで他愛もないことを話しています(笑)。同じ仕事をしているから励まし合うとかよりも、友達のまま、ありのままのプライベートな自分でいられています。それが、私にとって一番穏やかになれる時間だなと思います。

(取材・文:齊藤恵 撮影:高野広美)

 ドラマ『366日』は、フジテレビ系にて4月8日より毎週月曜21時放送(初回15分拡大)。