欲望の権化のような父親に翻弄される2人の娘の愛憎の行方を描く『復讐の渦~因縁の父娘(おやこ)~』は、大ヒット作『福寿草』の脚本家が手がけた注目の最新作。現実では考えられないようなことが次々に起こり、先を見ずにはいられなくなる“マクチャンドラマ”の魅力がたっぷり詰まっている。

想像を絶する話題の愛憎劇の見どころをDVDリリース、デジタル配信スタートにあわせて紹介していきたい。

【写真】泥沼の愛憎バトル勃発! 正反対の“娘”を演じるチョン・ヘヨン×チョン・ウヨン

■人生のどん底に追い詰められた娘×愛に飢えた上流階級の娘

 野心家のカン・チファンは財閥会長の娘チョン・ミガンと結婚するため、身ごもった恋人イ・スニョンを亡き者にしようと目論む。チファンの秘書ナ・ジョンイムの助けで密かに娘ヘインを産み落としたスニョンだが、チファンの差し向けた者たちに追われて命を落としてしまう。ヘインも一緒に死んだと報告を受けて一安心していたチファンだったが、スニョンはヘインをナ・ジョンイムに託していた。

 8年後、養護施設に預けられていたヘインは、池に落ちたところを助けたのがきっかけでハ・ジヌと知り合う。ジヌに好意を抱くチファンとミガンのわがままな娘セナは、2人の親しそうな様子が面白くない。
一方チファンは、ジョンイムが自分の姪だと言って連れてきたヘインが、死んだはずの自分の娘ではと疑いを抱く。

 間もなく、真実を知ったチファンの企みによって、再び命を狙われたヘインはジョンイムとともに事故死。ところが実は、ミガンの昔の恋人ユン・イチャンによって救われていた。その後ヘインは、夫婦となったイチャンとジョインムの養女ソルとして成長し、物語はここからまた大きく動き始める。大人になったヘインことソルは、運命に導かれるようにチファン一家やジヌと再会。チファンが経営する化粧品会社を舞台に、セナとソルは仕事と恋の両方で対立を深めていく。


■“マクチャンドラマの新星”が競演! チョン・ヘヨン×チョン・ウヨン

 出生の秘密はマクチャンドラマの定番要素の一つ。本作でも、諸悪の根源であるチファンと、ヒロインのヘインが実の父娘だという知られざる血縁関係がストーリーの主軸となる。これにミガンとイチャンの過去の関係、企業内の争いも描かれて、物語は複雑なものとなっていく。さらにマクチャンドラマに欠かせない非道な悪役の存在。実の娘に対しても容赦のない冷徹なチファンは、他に類を見ない最凶の悪人と言ってもいい。彼だけでなく、ジヌに愛され仕事でも先を行くソルに嫉妬し、手段を選ばず邪魔するセナの悪女ぶりも目を引く。


 だが、これはまだ序の口。冤罪で刑務所送りとなったソルが復讐を誓うところから幕を開ける後半は、怒涛のような展開が待ち受ける。一瞬も見逃せないドラマを彩ったキャストは実力ある若手俳優と、数々の作品で知られるベテランたち。ソル(ヘイン)役のチョン・ヘヨンは『今日のウェブトーン』や『朝鮮精神科医ユ・セプン』などを経て本作で初の主役に抜擢され、期待に応える演技を見せた。また、ソルを憎む高慢なセナ役は10年以上のキャリアをもつチョン・ウヨン。『ごはんに願いを~人生最高のレストラン~』で演じた健気なヒロインとは打って変わった悪女を好演した。


■“悪役の名手”キム・ユソクが冷徹で強欲な父親を熱演!

 彼女たちと深い縁を結ぶ2人の男性の存在にも注目。セナに執着されつつ、ヘイン(ソル)を想い続ける優しいジヌを『復讐代行人~模範タクシー~』のソ・ハンギョルが演じ、誠実な魅力を発揮した。セナへの想いを募らせ、ジヌを敵視する野心的な検事ドヒョン役は『明日も晴れ』のチン・ジュヒョン。屈折した心情を巧みに表現している。

 そして、本作を最も盛り上げた悪役チファンを演じたのは文芸作から時代劇、ホームドラマと幅広く活躍するキム・ユソク。『黄金の庭~奪われた運命~』でもおなじみの実力派俳優が披露する、徹底した悪役演技に感服させられる。
激しい愛憎の渦に巻き込まれた彼らが行き着く先とは…? 緊張感あふれるドラマチックな世界に注目だ。

 『復讐の渦~因縁の父娘(おやこ)~』は、DVDリリース中。U‐NEXTで独占先行配信中。