河合優実が主演する山中瑶子監督の映画『ナミビアの砂漠』が、第77回カンヌ国際映画祭・監督週間に正式出品されることが決まった。

【写真】黒のワンピース姿で艶やかな表情を見せる河合優実 撮りおろしカット

 初監督作『あみこ』(2017年)で第39回ぴあフィルムフェスティバルのPFFアワード観客賞を受賞した山中監督。

初監督作品、しかも撮影当時わずか19歳という若さと異例の経歴で、その名を世に知らしめた。さらに、偶然『あみこ』をニューヨークの映画祭で観た坂本龍一もその才能にほれ込み、「60年代初頭に登場したヌーヴェル・ヴァーグの映画のような軽さと滑稽さ、痛さとテンポが感じられる。今後の作品が楽しみだなあ」とコメントを寄せた。本作はそんな山中監督の本格的な長編第1作。

 主役に抜てきされたのは、2021年に公開された『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』の演技で数々の映画賞の新人賞を総なめにし、最近ではテレビドラマ『不適切にもほどがある!』で話題となった河合優実。彼女もまた『あみこ』を見て衝撃を受けた一人。
公開当時学生だった彼女は『あみこ』を見て女優になりたいと思い、山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行った。そしてついに、本作でその思いがかなえられた。本作では、無為に生活を送る、現代に生きる主人公カナが持つ爆発寸前のエネルギーをみずみずしく演じている。

 カンヌ国際映画祭・監督週間への正式出品を受け、山中監督は「あのときのわたしたちでしか作れなかった、この苦しくて自由で愛おしい映画の旅が、ラディカルな監督週間からスタートすることをうれしく思います。お目が高い!! スタッフ、キャスト全員が天才的でした! 関わり、見守ってくださった皆さまに大きな感謝と敬意でいっぱいです」と喜びの声を。「そして主演、河合優実さんの圧倒的な身体の煌めきよ! 毎カットご褒美のように撮っていました。
ひと足早く見ていただけるカンヌの観客の皆さんの反応が楽しみです」と言葉を寄せた。

 主演の河合は「心の底から嬉しいです。映画に実りをもたらし続けてきたカンヌの景色を、この作品と共に見られることに、胸の内がキラキラ燃えています。山中瑶子監督を信じて良かったです。信じて作れば絶対に豊かなものができるし、伝わるはずだ、と思い続けていました。同じように、監督や、映画のことを信じていた人が沢山いました。
一緒に映画を作った皆さんの顔が早く見たい思いでいます。この巡り合わせに感謝しています。世界に届くことがとにかく楽しみです」としている。

 映画『ナミビアの砂漠』は、本年公開予定。