一年に一度開催される米ファッション界の祭典「メットガラ」が現地時間5月6日にニューヨークで開催された。世界中の視線を集める中、会場を彩ったセレブたちのドレス姿をピックアップしてご紹介。



【写真】ドージャ・キャットのびしょ濡れルック

 毎年5月の第一月曜日に、米ニューヨークのメトロポリタン美術館を舞台に開催されるメットガラ。例年、特別展のテーマと紐づいたドレスコードに応じて、華麗なるファッションに身を包んだセレブたちがメトロポリタン美術館の大階段でポーズを取り、大きな注目を集める。今年は「The Garden of Time(時間の庭)」をドレスコードに、セレブたちが色とりどりに着飾った。

■共同ホストのゼンデイヤは2パターンで圧倒

 今年、米版VOGUEの編集長アナ・ウィンターとともに共同ホストを務めたのは、クリス・ヘムズワースとゼンデイヤ、ジェニファー・ロペス、バッド・バニーの4人。ファッションアイコンとして注目のゼンデイヤは、ジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラのドレスを纏い、ミステリアスなメイクをたたえて登場。その後、同じくジョン・ガリアーノがデザインしたジバンシィのヴィンテージ・オートクチュールコレクションから、長いトレーンが圧巻のオフショルダーの黒いドレスと生花をあしらった大きなヘッドピースを纏い、この日のレッドカーペットのトリを務めた。


 ジェニファー・ロペスは、スキャパレリによるシルバーのビーズを250万個もあしらったシャンパンカラーのドラマティックなネイキッドドレスを纏って出席。残念ながら、夫のベン・アフレックは映画『ザ・コンサルタント2』撮影のためロサンゼルスに滞在しており、一人での参加となった。

 バッド・バニーもジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラから、仕付け糸の残ったようなデザインのネイビーのスーツをチョイス。ルネッサンススタイルのハットとファブリック製ブーケ、ビジューの付いた四角いサングラスをプラスし、メットガラ常連の風格を見せつけた。

 今年がメットガラ初参加のクリス・ヘムズワースは、妻のエルサ・パタキーとともにトム・フォードで登場。クリスはクリーム色のスーツ姿。
エルサはゴールドのロングスリーブドレスに同色の冠を合わせ、まるで女神のようなルック。お揃いでショパールによるジュエリーをプラスしている。

キム・カーダシアンは細すぎるウェストが話題に

 メットガラの常連キム・カーダシアン。今年はコルセットドレスで豊満なバスト&ヒップと極細のウェストを強調し、話題を集めた。ドレスはジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラのもので、花や葉をモチーフにしたトレーンが美しいデザイン。ニットのシュラッグを重ね、ロレイン・シュワルツのピンキーリングでさらに格上げ。


 エミリー・ラタコウスキーも、過去のルックに負けないセクシーなドレスで登場。ヴェルサーチェの2001年秋冬コレクションによるもので、スパンコール刺繍をあしらい、ボディが透けてみえる。シューズはRene Caovilla、ジュエリーはショパールとBriony Raymond。

 カーディ・Bは、圧巻の黒いチュールドレスをチョイス。裾ペプラムにボリュームを持たせ、まるで魔法の渦に巻かれているかのようなデザインで、ビーハイブスタイルのハットと長いターコイズのネイル、大きなブルーの石をあしらったジュエリーを纏い、お伽話の世界から飛び出したようなルックを実現させた。

 2018年以来久しぶりの出席となったラナ・デル・レイは、アレクサンダー・マックイーンによるベージュのドレスを選んだ。
ツタが張ったような立体的な刺繍とベールで、今年のテーマを見事に具現化。デミ・ムーアは、大きなフラワープリントが目を引くハリス・リードのドレスにカルティエのジュエリーをプラスし、ラナとは違う方向性でテーマを表現している。

■カップルコーデも見逃せない

 2022年に結婚し、昨年も夫妻で出席していたタイカ・ワイティティ監督とシンガーのリタ・オラ。リタは、マルニによるアンティークビーズを使用したドレスをチョイス。ヌードカラーのボディスーツに色とりどりのビーズをあしらったデザインで、まるでドレスを纏っていないかのよう。これに合わせ、ワイティティ監督は茶色いレザースーツにレザーのシャツとネクタイ、グローブを合わせ、パーフェクトなカップルコーデを見せた。


 ダヴ・キャメロンは、かねてから交際中のマネスキンのリードボーカル、ダミアーノ・ダヴィドとメットガラでレッドカーペットデビューを果たした。ダヴはディーゼルによるフラワーモチーフのシアードレス姿。ダミアーノも同じくディーゼルから、ところどころにシアー素材を用いた黒いスーツをチョイスし、ボディとタトゥが覗く印象的なルックを披露。

■びしょ濡れルック

 昨年、オスカー・デ・ラ・レンタによるドレスと特殊メイクで、カール・ラガーフェルドの愛猫に扮したドージャ・キャットは今年、濡れたTシャツを纏ったような、ウェットな質感の白いドレスを纏い、アイメイクが水で流れ落ちたようなメイクをプラス。唯一無二の存在感を見せつけた。

 ドラマ『ウェンズデー』や『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られるグウェンドリン・クリスティーは、ジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラによる深紅のベルベットドレスに黒いチュール素材のケープを合わせ、クリスチャン・ルブタンとマルジェラのコラボヒールをコーデ。
ブロンドのヘアをボリューミーなアップスタイルにし、圧巻のルックを実現した。

 毎年ここでしか見られない、思い切ったファッションが注目を集めるメットガラ。今年もデザイナーとスタイリスト、そしてセレブたちが想像をはるかに超える美しい装いで魅了してくれた。