4月17日スタートの深夜ドラマ「コドモ警察」で、連ドラ初主演の鈴木福くん。「見た目は子供だが実は中年のベテラン刑事」という設定で、子役たちをたくさん集めて、良い子はもう寝ている時間帯のドラマを作るということがすでに「異色」なわけだが、脚本・演出を「勇者ヨシヒコと魔王の城」などの福田雄一が手掛けていると聞くと、納得&期待大である。


鈴木福がまさかのベテラン刑事役に挑戦、「コドモ警察」でドラマ初主演
ところで、芦田愛菜ちゃんを筆頭に、たくさんの「子役」たちが活躍している現在において、実は福くんはまた「異色」な存在ではないかと思う。

というのも、「子役」というと、「大人顔負けのプロ根性」「ハキハキしたご挨拶&上手な笑顔」が基本スペックで、近年はオプションとして「お小遣いは○百円」と宣言するなどの“子どもアピール”がつきものだ。

なのに、福くんの場合、“子どもアピール”もなく、本当にフツウの子どもに見える。というか、むしろ一般の同年齢の子よりも「スレてない」感があって、「子ども」に見えるのだ。なぜなのか。

一時期ネット上で話題になった、「大好きな仮面ライダー1号藤岡弘と会った時の福くん」(ひまわりが咲いたような、大きな輝かしい笑顔!)⇔「大好きなK-POPアイドルAFTERSCHOOLのパフォーマンスを眺める福くん」(シーン……)の「対比」に見える計算のなさ、 “感情”を隠さない素直さが理由として1つ挙げられるだろう。 また、太い眉毛と小さく真っ黒な目は、雪ダルマのようにも、子犬のようにも見える。子犬といっても、「可愛いでしょ?」と小首を傾げてみせる流行の室内犬の空気ではなく、外につながれて家の中を尻尾を振りながら観ていそうなところが、実に良い。

加えて、滑舌の悪さ+前歯のないフガフガ感+スローな喋りも、本当に良い。

そういえば、「徹子の部屋」に一人で出演した際、「体育座り」とか様々なことを無茶ぶりされつつ、自分の話はさっぱり理解してくれない徹子に対し、「だからあ」「んっと、だからっ!」と、珍しくイラッとした様子を素直に見せていたのも、印象的だった。

これが計算だったら、喜んで騙されてやろうと思えるくらい、「子ども」らしい子ども・鈴木福くん。

「子ども」を演じないからこそ、今回のドラマのヘンテコな役柄も非常にハマりそうな予感だ。
(文:田幸和歌子
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