「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」ダンジョー役宅麻伸のキャラクターショットはこちら
「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」は、昨年7月から放送され大きな反響を呼んだ「勇者ヨシヒコと魔王の城」の続編。
昨年、「勇者ヨシヒコと魔王の城」への出演依頼が来た時には、福田監督のことはよく知らなかったという宅麻だが、「自分のようなおっさんを使ってみたいと思ってくれたのなら、喜んでやってみようと思いました。内容的なことは全く気にしませんでしたが、衣装合わせの時に、こんなことがやりたかったのかと判りました(笑)」と、気持よく快諾したという。
人気ロールプレイング・ゲームを模したストーリー展開や、あえてチープさを売りにした美術やアニメーションの起用もあり、放送開始直後から大きな反響を呼んだ。宅麻自身も、街で子供たちから「ダンジョーだ!」と声をかけられて驚いたとか。「宅麻って言え、この野郎! と思いますが、ダンジョーで知っているからしょうがないなぁ(笑)」と、嬉しそうに語る。
続編の「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」も、撮影の大部分は前回と同じく山形の庄内映画村で行われた。「今年は本当に暑い時期に1ヵ月行きました。その後沖縄で1週間撮影をして、もう戻らないだろうと思ったら、撮り残しがあってまた山形に。
撮影では、気心の知れた出演者たちに対する福田監督の要求もパワーアアップ。「でも、まだ遠慮があったようですよ。ぶっちゃけで言うと、僕の離婚ネタもやりたくてしょうがなかったらしいのですが、チョコチョコと書いたぐらい。僕の方からやっても良いよとは言いませんが(笑)、最初にダンジョーのオカマキャラをやった時点で、もう何でもやっちゃおうと思っていますから」と、太っ腹なところも見せる。今年6月には、「コドモ警察」にもゲスト出演。すっかり福田組の一員となったようだが、「いや、違いますよ!(笑) やると辛い時はありますが、彼の感性は見ていて楽しいし、凄いなと思うし、それに触れることが出来るのは良いなと思いますね」と、監督との絆は更に深まったようだ。
もちろん、共演者たちとのチームワークも健在。中でも、ヨシヒコ役の山田については、「彼の集中力は、若手の中でも群を抜いているのではないでしょうか。例えば、面白いことをやるにしても、見ていて迷いがないでしょ? だから、やっているこちらも、ものすごく気持ちが良い。本当に馬鹿なことをしゃべっていながら、どんだけ文芸大作をやっているんだという時もあるし、彼とやっているとすごく気持ちが良いですね。
だが、撮影期間には、そんな若手たちとはあえて距離感を保ち、一緒に酒を飲む機会も殆ど無かったという。「普段から一緒に酒を飲んでくだらない話をしていたら、普通に会話ができるようになり、撮影の時にせっかくのおっさんとのギャップが無くなってしまうと思ったんですよ。やはり、おっさんはおっさんらしく、どこかで作らないといけない部分がありますから。おっさんと若手がツーカーみたいになっちゃうと、作品としてもつまらないと思う。本音を言えば、一緒に酒を飲んでワイワイ遊びたい部分もありましたが、その空気感だけは大事にしたいと思いました」。あくまで作品第一、冷静に分析した自らのポジションにこだわる役者・宅麻伸の存在にも、本作の人気の秘密があるのかもしれない。
「おっさんの価値観は、そろそろ無いのではないかと思っているのですが、見ている方々はどう思うのでしょうね? おっさんは、あくまで4人の中で新鮮味を保つための道具だと思っているから、その新鮮味がどうなんだろうという気持ちがありますね」と、続編希望の声にも至って謙虚。「このシリーズに出演し、やはり、若い人のエネルギーは半端じゃないなぁと感じることができました。『勇者ヨシヒコ』に出演する若手は、どんどんエネルギーを持ってきますが、そういうエネルギーを出す場所を、福田監督はちゃんと作っている。若い人のエネルギーを上手く使うことが出来る監督だなと思いました。