宝塚歌劇団雪組公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」の制作発表会とパフォーマンスが4日、都内で行われた。来年に控えた宝塚歌劇100周年を迎える幕開けとして、すでに公演中の月組「-オスカルとアンドレ編-」に続いての、宝塚の代名詞ともいえる「ベルサイユのばら」の上演であり、雪組の新トップスター、壮一帆(そうかずほ)と新娘役トップの愛加あゆ(まなかあゆ)の宝塚大劇場、東京劇場でのお披露目公演でもある。


<フォト特集>宝塚歌劇団雪組公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」制作発表会&パフォーマンスの様子

 発表会には壮と愛加のほか、宝塚大劇場公演にてアンドレ役で特別出演する月組トップスターの龍真咲(りゅうまさき)と星組トップスターの柚希礼音(ゆずきれおん)、アンドレ役で特別出演の宙組トップスターの凰稀かなめ(おうきかなめ)、さらに特別顧問・演出家の植田紳爾氏も登壇した。

 1974年に初演され大ヒットし、宝塚公演を観たことがない人でも宝塚と聞けば浮かぶ池田理代子原作の「ベルサイユのばら」。「-フェルゼン編-」では、幼くしてオーストリアよりフランスへと輿入れした悲劇の王妃マリー・アントワネットと、スウェーデン貴族のフェルゼンとの熱く、哀しき愛が展開する。

 実にこれが6度目の「ベルサイユのばら」出演となる壮。「6度目の出演ですが(笑)、フェルゼン役は初めてです。伝統をしっかり受け継ぎながらも新しい、情熱のある、そして品格を持ったフェルゼンを作り上げたいと思っております」と挨拶。愛加は「娘役なら誰もが憧れるマリー・アントワネットを演じさせていただくことを、嬉しく思います。アントワネットの名に恥じぬように、壮さんのフェルゼンと共に舞台の上で生き抜きたいと思います」とコメントした。

 また植田は「おかげさまで月組の『ベルばら』も好評を得ていますが、絶対にその100%以上のものを作り出さなければ失敗だと思っております」と意気込みを語り、龍、柚希、凰稀の3トップ出演に関しては心強さを感じると共に、非常に難しい決断を迫られたとも。そして特別バージョンが登場することが決定。次のように明かした。「3組のトップが出演するわけですから、オスカルとアンドレのシーンに毒殺の場面を出さないわけにはいかない。
でもそうすると、壮を中心とした雪組のバランスが崩れてしまうわけです。そのため、今回は毒殺のシーンを出しながらも、とにかく壮をカッコよく見せるために、新たなフェルゼンの場面を書き起こしました。そして3組のトップが出演しないバージョンとで、2つのバージョンを作ることにしました。2つのバージョンでの上演というのは初めてのことではないかと思います」。

 特別出演の3人は「大好きな『ベルばら』に1年に2回も出させていただいて光栄です。新作に挑む気持ちで頑張ります(龍)」「アンドレ役は3回目ですが、今の私のアンドレをお見せしたい(柚希)」「オスカルは自らの咲く場所を選ぶ一輪のバラ。宝塚に入ったら絶対にやりたいと思える役をできてとても嬉しく思います(凰稀)」と語った。

 そして壮が決意を口に。「プレッシャーもありますが、新たな力も沸いてきています。月組の公演を観て、すでに雪組の組子たちも気力十分です(笑)。月組の勢いを引き継いで、(龍を見ながら)龍さん、ごめんなさい。それ以上のものをお見せしたいと思います!」。


 宝塚大劇場の通常公演および、東京劇場公演でのオスカルに早霧せいな(さぎりせいな)、アンドレに未涼亜希(みすずあき)。また本公演は第99期生の初舞台公演となる。

 宝塚歌劇団雪組公演「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」は宝塚大劇場にて2013年4月19日(金)から5月27日(月)まで、東京宝塚劇場にて6月14日(金)から7月21日(日)まで公演。
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