カメレオン俳優、名脇役として知られる俳優・吉田鋼太郎。『半沢直樹』や『MOZU』、連続テレビ小説『花子とアン』など、大ヒットしたテレビドラマに出演して以降、人気は急上昇。
熱狂的ファンを生み出すほどとなった。そんな吉田が、テレビ東京系列の年末特別単発ドラマ『東京センチメンタル』でドラマ初主演を飾る。そこで、吉田の起用理由や俳優としての魅力、撮影現場での様子などを、『東京センチメンタル』の井関勇人プロデューサーに聞いた。

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 井関氏は、「舞台『ムサシ』の柳生宗矩役を拝見したときから、吉田鋼太郎さんに注目していました。というのも、当時、『ソロモン流』という番組で藤原竜也さんを密着していた際、(同舞台で藤原と共演する)吉田さんを目にして、なんて存在感のある演技をされる方なんだと感じていました」と、初めて吉田と出会ったときのことを振り返る。

 そして、『東京センチメンタル』で主人公・久留里卓三役をオファーすることに。その起用理由とは?

 「『半沢直樹』『MOZU』など、どんなドラマでも独自の存在感を出されていたからです。また、『孤独のグルメ』の松重豊さんの成功例が示しているように、存在感のあるバイプレーヤーでドラマを作るというのは、非常にテレビ東京っぽいな、と思いまして。その後、最初に直接挨拶に行ったとき、“俺でいいんですか?”と笑顔ながら謙遜されていて、こちらが逆に恐縮してしまいました。そして、面白いのでぜひやらせて欲しいと…吉田さんありきの企画だったので、あの時は本当にほっとしました。久留里卓三の設定“いい仕事はするけど酒好き、女性に惚れっぽい”等は、その後吉田さんと話して、吉田さんの地のキャラクターから頂いたものです(笑)」。 主役が決まり、高畑充希片桐仁高岡早紀、黒川芽以といった脇を固めるキャストも決定。
撮影がスタートした。

 「今や吉田さんのスケジュールは本当に過密です。同じ日に舞台の稽古や別の撮影が入っていることも多い。そんな中でも疲れた素振り一つ見せずに現場にいらっしゃいます。ですので、現場の雰囲気は終始なごやか。あと、本作の『深川の恋』編で日本酒がたくさんある酒屋に行ったのですが、撮影後、きっちり自分のお気に入りのお酒を一本買っていました。本当にお酒好きなんですよ。あと、“それだけ色々なドラマや舞台の仕事があるのに、どうやってセリフを覚えられるんですか?”と聞いたことがあるのですが、“覚えるのも早いんだが、忘れるのも早いんだ。だから覚えられるのかな?”と、言われていました。まさに熟練された方ならではの特殊技能ですね」。

 最期に、俳優・吉田鋼太郎の魅力を聞いた。

 「役者としても1人の男性としても、いろんな人生を生きてこられて、それが積み重なって、ぶつかり合って、にじみ出ている方だと思います。
気さくで、話しやすくて、やさしくて、でもその中にちょっとした大人の色気だったり、表に出せない悲哀を秘めていたり…。だから、あれだけいろんな役を演じてこられたのかな、とも感じます。久留里卓三から素の吉田鋼太郎さんに近いものを感じていただければ嬉しいです」。

 12月30日23時放送の『東京センチメンタル』。吉田ファンも、初・吉田の人も、吉田鋼太郎の魅力を存分に味わえる作品だ。
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