『インディ・ジョーンズ』が、ハリソン・フォードの主演で復活することになった。北米公開予定日は、2019年7月19日。
フォードは、77歳になっていることになる。フォードはつい最近、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で32年ぶりにハン・ソロを演じて好評を得たばかり。現在は、『ブレードランナー』続編の製作準備もなされている。

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 シルバー世代になってもヒーローとして活躍し続ける男優は、彼だけではない。69歳のシルヴェスター・スタローンは、『クリード チャンプを継ぐ男』で、今年、39年ぶりにオスカーにノミネートされた。68歳のアーノルド・シュワルツェネッガーも、昨年、12年ぶりにターミネーターを演じている。61歳のブルース・ウィリスも、次の『ダイ・ハード』を作る可能性を考え続けているようだ。

 残念なことに、女優に関して、同じことは言えない。60代はおろか、40代であっても、ハリウッドが女優をアクション映画の主役に据えることは、ありえない。次の『トゥームレイダー』の企画は、アンジェリーナ・ジョリーではなく若手女優を起用する方向で進んでいるし(もっとも、今のジョリーは、話が来たところで断るだろうが)筋書き上とはいえ、昨年の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』では、リンダ・ハミルトンではなく、28歳のエミリア・クラークがサラ・コナーを演じた。 40歳を過ぎると女優には役がないと昔からハリウッドでは言われてきたが、21世紀になっても、状況はあまり変わっておらず、男は年寄りでもいいが、女は若くなければいけないという、不平等な美学がまかり通っている。98年の『6デイズ/7ナイツ』で、当時56歳だったハリソン・フォードの恋のお相手に、29歳だったアン・ヘッシュがキャストされた時は批判の声が出たが、2013年の『アメリカン・ハッスル』でも、クリスチャン・ベイル(当時39歳)の妻はジェニファー・ローレンス(当時23歳)だった。


 2012年の『テッド』で、マーク・ウォールバーグ(当時41歳)の恋人はミラ・クニス(当時29歳)。『テッド2』での新しい恋人も、14歳年下のアマンダ・セイフライドだ。現在32歳のオリヴィア・ワイルドですら、「歳を取りすぎている」という理由で、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオ(現在41歳)の妻役を落とされたと告白している。

 状況が改善されないのは、スタジオのトップを占めるのが、今も圧倒的に男性だということが大きいだろう。今年の演技部門のオスカー候補者が全員白人だったことへ非難が集中した直後に発表された調査では、ハリウッドのスタジオのトップが圧倒的に白人で、男性であるという事実が、あらためて明らかになっている。「白すぎるオスカー」非難に教訓を受けたアカデミーは、すでに、会員の多様化に向けて動き出した。スタジオも同じように、女性やマイノリティを積極的にトップに招き入れない限り、このゆがんだキャスティングの視点は、変わらないだろう。(文:猿渡由紀)
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