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真野といえば「モーニング娘。」に代表されるハロー!プロジェクトのメンバーで、アイドル歌手としてデビューし活動していたが、AKB48はじめ“アイドル戦国時代”突入でソロアイドルとして不遇の時代も過ごす。そんな中、ハロプロ時代から堤幸彦監督が主宰する演劇ユニット「キバコの会」公演、同じく堤監督作『SPEC』への出演など、並行して演技経験を積んでいった真野。2013年2月に同プロジェクトを卒業後、女優活動を本格的に開始した。
そんな真野にとってターニングポイントとなる大きな出会いが待っていた。一つは押井守監督が手掛けた『機動警察パトレイバー』実写版プロジェクト『THE NEXT GENERATION パトレイバー』だ。この作品で真野は主人公・泉野明役に抜擢された。約半年という長期間にわたって作品に携わるようになり、現場でのチームワークや技術スタッフとのコミュニケーション、作品作りの一体感を味わったという。
知名度の高いマンガやアニメ作品の実写化には賛否が付きまとう。当然『パトレイバー』実写化も大きな反響を呼んだ。
劇中の真野の等身大の演技に対し、当時ネットでは「主役は真野恵里菜で良かった」「目の演技に魅せられた」と好評の声もあがり女優としての知名度も上がった。それでも「『まだアイドルだもんね』って言われることもありますし、みんなが思い描いている真野恵里菜を壊したいです」と意識の高さを語っていた。 もう一つの大きな出会いは、ドラマ『みんな!エスパーだよ!』で演出を務めた園子温監督だろう。真野は本作で、清楚な美少女だが、実は腹黒いというヒロイン浅見紗英を演じている。その後、園監督は『新宿スワン』、『ラブ&ピース』、『リアル鬼ごっこ』『みんな!エスパーだよ』と映画4作連続で真野を起用。その期待に応えるべく「毎回、これまでとは違う新しい一面、成長した姿を見せないといけないという危機感があります」と表現力の幅を磨いた。さまざまな役柄を演じることにより「元アイドル」という枕詞はだんだんと薄れていったのだ。
そして『とと姉ちゃん』では前述のとおり、男性優位が当たり前のように横行している会社で、ポリシーを貫き立ち向かう女性を演じ、強い存在感を示している。そんな真野が目標にしている女優が満島ひかりだ。満島もアイドルユニットから女優業に転身。園監督の『愛のむきだし』で強烈な個性を発揮すると、朝ドラ『おひさま』では主演の井上真央演じる陽子のクラスメイトとして注目を集めた。