『民王』を始め、数々の映画・ドラマに出演、TBS系列の『王様のブランチ』では見事な司会ぶりも見せ、女優としての幅をますます広げる本仮屋ユイカが、12月3日に放送されるドラマスペシャル『検事の本懐』で、自身初となる検察事務官役を務める。初めての検事という役柄に「ピンと来なかった」と明かした本仮屋。
役作りについて、そして初共演となる上川隆也について語った。

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 本作は、第154回直木三十五賞にもノミネートされた作家・柚月裕子の同名小説を原作としたドラマ。ヤメ検弁護士・佐方貞人が殺人事件の驚愕の真実を暴いた『最後の証人』、検事時代の佐方が痴漢冤罪事件の真相を明らかにした『検事の死命』に続く、「佐方シリーズ」第3弾で、大物政治家が絡んだ贈収賄事件の真相を追う。佐方役は、前二作で大きな感動を巻き起こした上川隆也が引き続き熱演し、佐方に反発しながらも補佐する東京地検の事務官・加東栞役を本仮屋が務める。

 「前作をリアルタイムで自宅で見ていて、素敵な作品だと思っていたので、とても嬉しかったです」と、オファー時を笑顔で明かした本仮屋。しかし、役作りでは苦労もあったようで、「これまでに、弁護士役はシリーズでやっていたので、その人たちの使命感、何を思って進んでいけばいいかは理解できていたんですが、以前演じた弁護士役が残っていて、検事ってどんな感じなのか自分の中で役の軸を探していました。仕事内容は、もちろん資料を見れば分かるんですが、実際彼らは何を思って、何を生き甲斐として進んでいるのだろうと…」と振り返る。

 そんな悩みを本仮屋は上川に相談。上川からは「もっとシンプルにやっても大丈夫だよ」というアドバイスを受けたそうで、「気持ちが楽になりました。検事だから、事務官だからと考えていたんですが、私は今、なぜここにいるのかということに、立ち返ることができました」と笑顔を見せた。 そもそも、本仮屋と上川は、本格的な共演は本作が初。「現場を端から端まで見ている。
それは俳優さんのお仕事じゃないんじゃなかろうか?っていうことまで積極的にされていて、現場で立ち働いているイメージでした」。
 
 さらに、暑い夏の京都での撮影だったことから、「上川さんは、ずっとダークスーツを着ていらしたので、本当に暑かったと思うのですが、そんな中でも、集中力が途切れない。難しい事件を描いた作品なので、うっかりすると落としちゃうようなつじつま合わせにも、気づかれることがとても多くて、やっぱり、この人に付いていって良かったと思いました」と絶賛した。

 絶妙なチームワークを感じさせる、上川と本仮屋が作り上げた本作は、複雑に絡み合った贈収賄事件の真相と、佐方の亡き父が残した29年前の謎も明らかになっていくという大きな2つの柱を軸に、物語が進んでいく。その謎が深く絡み合い、重厚な物語を紡いでいくのだが、そんな物語の中にあって、上川と本仮屋のやり取りは一種の、ホッとできるひと時ともなっている。「動揺したりきゃんきゃん怒ったりする加東と、決して動揺せず、ブレず、冷静に進んでいく強さを持つ佐方の対比は見どころです。2人がいることでよりコントラストが強くなっていると思うので、2人一緒のシーンを楽しんでいただきたいです」。

 上川が作り上げた佐方という魅力的な人物と、その相棒として活躍する本仮屋の演技に注目だ。(取材・文・写真:嶋田真己)

 ドラマスペシャル『検事の本懐』は、テレビ朝日系列で12月3日21時より放送。
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