『嵐のあと』『憂鬱な朝』など主にボーイズラブの名作で知られる漫画家・日高ショーコ。その代表作のひとつ、『花は咲くか』実写化の提案を受けたとき、思わず「えっ、大丈夫なんですか?」とリアクションしたという日高に、仕上がった作品を観た感想を直撃。
【写真】『花は咲くか』フォトギャラリー
仕事漬けの日々を送るサラリーマン・桜井和明(天野)と、他人に興味を持てずに生きてきた大学生・水川蓉一(渡邉)という年の差カップルを主人公に、誰もが恋で経験する胸が締め付けられるような切なさや葛藤を描いた本作。演じる天野は『仮面ライダー剣』や『HiGH&LOW』シリーズ出演で知られる39歳、渡邉は『動物戦隊ジュウオウジャー』のタスク役で知られる21歳。日高は「ビジュアルはもちろん素敵でしたが、何より主役2人の年齢が良かったです。ちゃんと年の差があって」と18歳差のキャスティングを喜ぶ。
さらに、一度だけ撮影現場を訪れた際の感想として「お二人の柔らかい雰囲気や、こちらに壁をつくらない素敵な笑顔が印象的でした。天野さんは実年齢よりお若く見えるのですが、佇まいはとても落ち着いていて、ずっとニコニコされていて。計算して出せる雰囲気ではないので、桜井役をやっていただけてよかったなと思いました。また、帰り際に渡邉さんが『頑張って蓉一になります』と言ってくれたので、もうそれでお任せできるなって気分になりました。『演じます』じゃなく『なります』なのが嬉しかったです」と語る。
初号試写後には谷本佳織監督に対し「何のひねりもなく『すごく良かったです』『藤本(塩野瑛久)の涙、最高でした』『ラストが特に素敵でした』と言ってしまい…今なら監督にも役者の皆様にも細かい感想が言えるので、真面目に言い直したいです」と日高。絵やセリフが完全に頭にある原作者なため「正直、余計なことを考えてしまう瞬間がいくつかありました」としながら、「途中から自然と集中して、今作の主役である蓉一の感情に寄り添って映画を楽しめました。
実はまだキャストも決まっていないときに、出版社を通じて谷本監督、脚本の高橋ナツコから打ち合わせの機会を求められたそう。もともと「原作と映画は別派なのでお好きに使ってください」と伝えていたため驚いたそうだが、「尺の問題もあると思うので、蓉一の感情の変化を話の軸にして、柏木というキャラクターの要素を吉富というキャラクターに入れて登場人物を減らすことを提案しました」と日高。 「萌えの何たるかをよく分かっていて頼りになる」と日高に称された高橋は、その場でPCをダカダカ打ちながら「露骨なシーンを増やすようなことはしない」と明言したそう。また、谷本監督からは「水川邸にはモデルがありますか」「蓉一の絵も蓉介の絵も漫画上は敢えて描かれていませんが、こういう絵だというイメージはありますか」など多くの細かい質問を受けたという。
その結果か、「美術も予想以上に細かくて。連載してた時にこのセットの写真欲しかった…と何度も思いました」と漫画家ならではの感想も。「映像でしか表現できないシーンも多く、素晴らしかったです。最後に流れる綱希美香さんの主題歌も併せて、紙の上だけでは表現できないものをたくさん観せていただけて感謝しています」と語った。
最後に、“コミックの実写化”についての考えを聞いた。「個人的には、原作は原作、実写は実写で別物と考えています。観客として観にいった場合、原作通りに再現しすぎているとあまり楽しめなくて、がっかりするタイプかもしれないです」と分析する日高。
本作『花は咲くか』については「原作5巻分を凝縮した構成なので、原作を知っていると、どうしても駆け足に感じてしまうところもあります。ですが、観ている時に原作との答え合わせをしてしまうと、そのズレばかりが気になって楽しめなくなってしまうのでもったいないと思います」言い、「少し引いて、新しいものとして観ていただければ嬉しいです」とまとめた。
『花は咲くか』は、2月24日より全国公開。
出演者・渡邉剣と天野浩成の印象、そして漫画の実写化に取り組む映画スタッフへの思いを聞いた。
【写真】『花は咲くか』フォトギャラリー
仕事漬けの日々を送るサラリーマン・桜井和明(天野)と、他人に興味を持てずに生きてきた大学生・水川蓉一(渡邉)という年の差カップルを主人公に、誰もが恋で経験する胸が締め付けられるような切なさや葛藤を描いた本作。演じる天野は『仮面ライダー剣』や『HiGH&LOW』シリーズ出演で知られる39歳、渡邉は『動物戦隊ジュウオウジャー』のタスク役で知られる21歳。日高は「ビジュアルはもちろん素敵でしたが、何より主役2人の年齢が良かったです。ちゃんと年の差があって」と18歳差のキャスティングを喜ぶ。
さらに、一度だけ撮影現場を訪れた際の感想として「お二人の柔らかい雰囲気や、こちらに壁をつくらない素敵な笑顔が印象的でした。天野さんは実年齢よりお若く見えるのですが、佇まいはとても落ち着いていて、ずっとニコニコされていて。計算して出せる雰囲気ではないので、桜井役をやっていただけてよかったなと思いました。また、帰り際に渡邉さんが『頑張って蓉一になります』と言ってくれたので、もうそれでお任せできるなって気分になりました。『演じます』じゃなく『なります』なのが嬉しかったです」と語る。
初号試写後には谷本佳織監督に対し「何のひねりもなく『すごく良かったです』『藤本(塩野瑛久)の涙、最高でした』『ラストが特に素敵でした』と言ってしまい…今なら監督にも役者の皆様にも細かい感想が言えるので、真面目に言い直したいです」と日高。絵やセリフが完全に頭にある原作者なため「正直、余計なことを考えてしまう瞬間がいくつかありました」としながら、「途中から自然と集中して、今作の主役である蓉一の感情に寄り添って映画を楽しめました。
きっと、谷本監督や役者さんたちが話の肝であるキャラクター像をしっかり捉えてくれたからだと思います」と感謝の面持ち。
実はまだキャストも決まっていないときに、出版社を通じて谷本監督、脚本の高橋ナツコから打ち合わせの機会を求められたそう。もともと「原作と映画は別派なのでお好きに使ってください」と伝えていたため驚いたそうだが、「尺の問題もあると思うので、蓉一の感情の変化を話の軸にして、柏木というキャラクターの要素を吉富というキャラクターに入れて登場人物を減らすことを提案しました」と日高。 「萌えの何たるかをよく分かっていて頼りになる」と日高に称された高橋は、その場でPCをダカダカ打ちながら「露骨なシーンを増やすようなことはしない」と明言したそう。また、谷本監督からは「水川邸にはモデルがありますか」「蓉一の絵も蓉介の絵も漫画上は敢えて描かれていませんが、こういう絵だというイメージはありますか」など多くの細かい質問を受けたという。
その結果か、「美術も予想以上に細かくて。連載してた時にこのセットの写真欲しかった…と何度も思いました」と漫画家ならではの感想も。「映像でしか表現できないシーンも多く、素晴らしかったです。最後に流れる綱希美香さんの主題歌も併せて、紙の上だけでは表現できないものをたくさん観せていただけて感謝しています」と語った。
最後に、“コミックの実写化”についての考えを聞いた。「個人的には、原作は原作、実写は実写で別物と考えています。観客として観にいった場合、原作通りに再現しすぎているとあまり楽しめなくて、がっかりするタイプかもしれないです」と分析する日高。
「よく原作との差異ばかりを指摘されがちな実写化ですが、逆にその差異が楽しみどころだと常々思っていて、『えっ、ぜんぜん違うね?(笑)』『どうしてあれをこうしたの?』とか、そういうことをみんなで話すのも楽しいんです」とも。
本作『花は咲くか』については「原作5巻分を凝縮した構成なので、原作を知っていると、どうしても駆け足に感じてしまうところもあります。ですが、観ている時に原作との答え合わせをしてしまうと、そのズレばかりが気になって楽しめなくなってしまうのでもったいないと思います」言い、「少し引いて、新しいものとして観ていただければ嬉しいです」とまとめた。
『花は咲くか』は、2月24日より全国公開。
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