“傾国の美女”楊貴妃が皇帝・玄宗から寵愛を受けていた西暦754年に、実在した“才女”沈珍珠(=しんちんじゅ/ジン・ティエン、景甜)の運命の恋を、切なくも美しく描いた中国ドラマ『麗王別姫(れいおうべっき)~花散る永遠の愛~』。ヒロイン・沈珍珠と深い愛で結ばれる李俶(=りしゅく/後の第11代皇帝・代宗)を演じるアレン・レン(任嘉倫)が本作への思い、撮影時の裏話を語った。


【写真】美しい!『麗王別姫』主演のジン・ティエン

 本作は、製作費約43億円をかけ、チャン・イーモウのドリームスタッフが放つ超大型ラブ史劇。楊貴妃を中心とした唐の時代に、数奇な運命を辿った“幻の妃”と呼ばれる沈珍珠と李俶の見果てぬ愛を描く。宮廷内の嫉妬と陰謀に巻き込まれ、時代に引き裂かれそうになりながらも、身分の差を乗り越え、一途に愛し合った2人の切ない愛は、中国時代劇版“ロミオとジュリエット”と称され、放送と同時に多くの視聴者を釘付けにした。

 本作で大ブレイクを果たし、一躍人気俳優の座に上り詰めたアレン・レン。9歳から16歳まで卓球選手として活躍するも、怪我を機に引退し、14年に俳優デビューするという異色の経歴の持ち主だ。スポーツもできる上に、端正な顔立ちの彼が本作で見せた胸キュンシーンや華麗なアクションシーンの数々、そして、劇中、李俶のテーマ曲「栄耀」で披露した美声は、中国中の女性のハートを鷲掴みにした。


 そんなアレンは、「このドラマには不思議な縁があるんです。当初、僕は別の役を演じる予定で、衣装合わせなど準備をしていました」と明かす。しかし、監督と話す中で、アレンの性格が李俶に似ていると感じた監督がプロデューサーと協議し、李俶役に抜擢したという。「そもそもこのドラマへの出演の決め手となったのはストーリーでした。李俶と沈珍珠のカップルだけでなく一つの国家について描いている物語に心動かされたからです。そして、李俶という役は僕にとって大きなチャレンジとなりました」。


 また、アレンは撮影中を振り返り、「楽しかったことは多くの先輩俳優さんたちと共演できて、そこから学ぶことができたことです」と話す。一方で、「毎日大量のセリフ、大量の演技をこなさなければならず、ほとんど眠る時間もなかった」という苦労も。「時には睡眠時間が3時間を切ることもあり、最後のほうは疲れきった体を引きずって現場に行っていました。いくつかのシーンを万全の体調で臨めなかったことは、残念に思っています」と述懐する。

 役作りにおいては、李俶が生きた時代背景や社会背景、李俶の経歴について調べたというアレン。そして、「歴史背景を思い返して、このドラマで描かれる李俶という人物の細かい部分や気持ちの変化を考えることができました。
また、彼が相対する人物、直面するシーンによって、それぞれ表現方法を変えたりもしました」と演じる上で気をつけたことも明かしてくれた。 さらに、実在の皇帝を演じることにプレッシャーを感じたか?と質問すると、「少しプレッシャーは感じました。でも、実在の人物を演じる場合、その全体的な性格や人生の経歴などがすべて記録として残っているので、それを参考にすることができます。大きな節目やクライマックスのシーンでの行動がわかりますし、役柄になりきるための理解にも役立ちます」と語り、「いずれにせよ歴史書にもその人物のことが事細かに書かれているわけではないので、プレッシャーではありましたが、僕にとって助けにもなりました」と振り返った。

 本作を経て、「仕事の面ではさらに忙しくなりました」というアレンは「僕を好きになってくれる方が少しずつ増えていくのを実感すると同時に、プライベートの時間はなくなっていきました」と話す。そして「『麗王別姫』の後、もう2本のドラマを撮り終えて、現在『錦衣之下(原題)』の現場にいます。
今やドラマの撮影がプライベートみたいなものですね」と苦笑い。その人気を喜びながらも、多忙な日々であることが感じられた。

 最後に、アレンは、「一番の見どころは李俶と沈珍珠とのラブストーリーで、その展開も魅力的です。僕たちの演技を楽しんで、このドラマを応援していただければうれしいです」と日本のファンへメッセージを贈り、締めくくった。

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