先月、俳優のベン・アフレックがアルコール依存症を治療するため、元妻で女優のジェニファー・ガーナーに伴われてリハビリ施設に入所した。ベンはこれまでも施設に入所しており、これが3度目。
ベンだけではない。これまでもハリウッドでは、俳優らのアルコール問題がたびたび世間をにぎわせている。アルコールに溺れ、失ったものは何か。どのように立ち直ったのか。彼らの場合を紹介しよう。

【写真】アルコール問題を抱えた経験のあるハリウッドスターたち

 先月22日にリハビリ施設に入所したベン。前回、治療を終えたのは昨年3月のことで、自身のフェイスブックで発表していた。それから1年半に満たない期間での再入所となってしまった。

 今回、彼に救いの手を差し伸べたジェニファーとは、10年間の結婚生活で3人の子どもに恵まれたが、2015年に離婚を申請。ベンのアルコールやギャンブル癖が原因だといわれている。その後、ベンは米バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のプロデューサー、リンジー・シューカスと交際していたが、今回の騒動の直前に破局。そのころから米プレイボーイ誌のモデルとのパーティや、自宅に酒と思しき荷物が届けられる様子など、荒れた生活が報じられており、見かねたジェニファーが介入したようだ。


 ベンに限らずこれまでも、アルコール問題を抱えるハリウッド俳優のスキャンダルはたびたび話題になっている。その一例を挙げてみよう。

■飲酒運転&スピード違反で逮捕、警官に暴言 メル・ギブソン

 映画『リーサル・ウェポン』シリーズで知られ、『ブレイブハート 』(1995)でアカデミー監督賞を受賞したメル・ギブソン。彼は2006年に飲酒運転とスピード違反で逮捕された際、警官に対して反ユダヤ的な暴言を吐くなど、アルコールによるトラブルを抱えていた。

 しかしその後リハビリプログラムに出席し、プロの手を借りて克服。ユダヤ人団体を支援するなど、言動を悔い改めリカバリーに務めた。キャリアの上でも、アンドリュー・ガーフィールド主演の映画『ハクソー・リッジ』(2016)でアカデミー監督賞にノミネートされるなど、復活を遂げている。

■“お騒がせセレブ”の代表格 シャイア・ラブーフ

 かつてはディズニーチャンネルのスターで、映画『トランスフォーマー』シリーズなど大作映画で活躍していたシャイア・ラブーフもアルコールに溺れ、キャリアを失墜させた1人。泥酔状態で迷惑行為を行い逮捕されるなど、アルコールが原因の事件をたびたび起こし、すっかり“お騒がせセレブ”の代表格に。

 現在は、アルコール依存患者の自助団体AAに参加し、仕事の上ではインディー映画にフォーカスしているとされる。テニス選手、ジョン・マッケンローを演じた映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』が現在日本で公開されているほか、自ら脚本を手掛けた自伝的映画『Honey Boy(原題)』など、小粒ながら注目作品の公開が控えている。 そのほか、映画『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフや、『グレイテスト・ショーマン』(2017)のザック・エフロンなども、かつてアルコールを断とうと決意し、成功している俳優である。


■ベンの依存症 原因は仕事のスケジュール?

 ベンは、仕事がない期間に酒に手を出す傾向があったという。今回も、彼は5月にチャーリー・ハナム、オスカー・アイザックと共演する映画『Triple Frontier(原題)』を撮り終え、アン・ハサウェイと共演する『The Last Thing He Wanted(原題)』の撮影を7月に終えたばかりだった。大きなプレッシャーやストレスのほかに、一定期間集中して撮影をこなし、休暇を挟んで次の作品へ移行するというイレギュラーなスケジュールにも、アルコールに溺れやすい落とし穴が隠されているのかもしれない。

 ベンはクランクイン中こそ酒に溺れなかったこともあり、キャリアでは評判を保っていたが、ここにきて暗雲が。今回の騒動を受け、映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、『ジャスティス・リーグ』(2017)で演じたバットマン役に降板の噂があるのだ。依存症の再発で映画制作が滞ることに備え、彼に掛けられる保険料が高騰したという。だとしたらファンにもベン自身にも、こんなに残念なことはない。ここで悔い改めて、ぜひとも克服してもらいたいものである。(文・寺井多恵)
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