女優の有村架純主演のドラマ『中学聖日記』(TBS系/毎週火曜22時)の最終話が18日に放送された。

【写真】有村架純&岡田健史が抱き合う『中学聖日記』ラストシーン(写真14枚)

 最終話。
「未成年者誘拐罪の疑い」で警察署に連行される聖(有村)。のちに釈放されるが、翌日、愛子(夏川結衣)の代理弁護士から示談を持ちかけられ、代わりに誓約書へのサインを求められる。そこには「今後、晶との連絡、接触を断つこと」「万が一誓約事項に違反した場合、損害賠償500万円を支払うこと」といった厳しい条項が書かれていた。
  
 一緒にいた晶(岡田健史)も取り調べを受け、聖をかばう主張を続けるが、未成年ゆえに相手にされない。ようやく解放された後も愛子から携帯を取り上げられ、聖の連絡先を消されてしまう。

 最終話も9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東)と2ケタには届かず、また全話平均も6.9%で終わったが、ちょうど2年前の『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットにより、その後、TBS火曜22時はずっと“逃げ恥枠”とまで呼ばれていたが、この1作で完全に払しょくできたのではないか。
 
 そんな「心に刺さる」ドラマになったのは、聖の、まだ飛び立てない、未熟な魅力にあった。10歳年下の教え子に引きずられ、中学校の教師から小学校の教師になり、街で見かけた求人募集で花屋のバイトをし、バンコクの日本語教師へと変えていくその「危うさ」がこのドラマの鍵だった。本当に悩んでいるそれがかえって視聴者に受け入れられない原因にもなったが、逆を言えば一度ハマればそれが「中毒性」に変わっていった。
 
 そんな「未熟な魅力」は有村架純本人がたたえる雰囲気にもある。風が吹けば飛んでいきそうな華奢(きゃしゃ)な体に、どこか物憂げな笑顔。朝の連続テレビ小説あまちゃん』でブレイクし、『ひよっこ』で国民的女優になった彼女だが、いまだに良い意味で、作品名通り、『あまちゃん』で『ひよっこ』のような未完成の魅力にあふれている。


 聖は先述のように流転の人生を歩んでいったが、そんな役を演じられるのは石原さとみでも綾瀬はるかでもなく、いつも何かに「心揺れている」印象の彼女にしかできなかったのではないか。(文:塚田均)
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