【写真】今夜放送、第4話『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』フォトギャラリー
本作で彼女が演じるのは、私立魁皇高校3年A組で学級委員を務める茅野さくら。自己主張もせず淡々と雑務をこなす様子から、影で“奴隷”と呼ばれているキャラクターだ。そんなさくらは、クラスメートで水泳部のエースでもある景山澪奈(上白石萌歌)に憧れを抱いていたことから仲良くなるものの、程なく澪奈は自殺。卒業を前にしたさくらは、ほかのクラスメートと共に、教室で担任の柊一颯(菅田将暉)から人質に取られ、澪奈の死にまつわる、さまざまな謎を解明するよう迫られる…。
第1話のクライマックスは、柊から澪奈の自殺について問われたさくらが、その理由を語るシーンが描かれる。さくらは、クラスでイジメの標的にされていた澪奈を守ることができなかった後悔を、静かなトーンで打ち明けるものの、クラスメートからは口々に「あいつは死んで当然だった」という言葉が返ってくる。大切な友人を侮辱され、怒りに震えるさくらの目には、みるみるうちに涙が。やがて涙があふれ頬をつたうと、彼女は「アンタたちに何がわかるの!?」と絶叫し、不良生徒に強烈な膝蹴りをお見舞いする。クラスで“奴隷”と呼ばれていたさくらの心身の動きを、文字通り“エモーショナル”に演じたこのシーンは、演じる永野の独壇場だった。
また第1話の回想シーンで、さくらが澪奈への憧れの気持ちを本人に伝えるシーンで「澪奈サマのくびれが尋常じゃない色気を醸し出していてしかもそこに水泳界のスターという肩書きが加わるとそれは神々しいくらいに尊いというか…」などの褒め言葉を、淀みなく早口でたたみ掛ける演技は絶妙な“オタク感”を体現。
エモさとリアリティで、物語を引っ張るヒロイン像を打ち出した永野。彼女の熱演を見れば、本作が新たな代表作となることは間違いないだろう。(文:スズキヒロシ)