【写真】大島優子、赤のシースルードレス姿が美しい インタビュー撮り下ろしショット集
グループを卒業し、「アイドルではなく、完全に女優という仕事ひとつに絞ってやるという覚悟はしましたが、ではどういった色で、どういった方向で、どんな女優としてやっていけばいいのかがはっきり見えなかった」という大島。「演じるって何だろう、芝居をするってなんだろう」と悩むことに。強くなったもがき。だが、そもそも20代を通じて、自らを見つめ、悩むことを選択してきた。
「20歳になったときから思っていたんです。“30歳までは修行だ”と。30歳まではとにかく悩んで、苦しい思いをたくさんしながら頑張ろうと。だから、苦しいし大変だという思いは、楽しさでもあったんです。修行がつらければつらいだけ、頑張れば頑張るだけ、30歳になったときに、何かがパッと開けるはずだと」。
そうして昨年の秋、30歳に。「シンプルに、『よく頑張ったな、よかったな』と感じられて、そこから意識が変わりました。30代はもう楽しむだけです」と笑う。実際、変化が起きているという。
「お芝居するのが楽しいです。昔は楽しみ方が分からなかった。いい作品や人に出会えている実感はありましたが、“楽しむ”という感覚にはならなかったんですよね。舞台『No.9 -不滅の旋律-』(2015)に出演したときに、共演者の方々から、『芝居で遊んだらいいよ』と言われたんです。でも当時は『演じるってなんだろう』とずっと考えていた時期で、『遊ぶ?』という感じで分からなかったんです。でも、いまはその言葉が分かるようになりました」。 すっきりした表情を見せる大島。そんな、芝居が楽しくて仕方がないという今、ドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(2013)で兄妹役だった木村と、『教場』で再共演した。
「本当に大変な撮影でしたが、しのぶとして風間教官と魂をぶつけ合わないといけないシーンだったので、最後まで気力を振り絞って演じました。実は木村さんと面と向かってぶつかるお芝居をしたのは初めてだったんです。木村さんが本気でぶつかってきてくれたので、しのぶとして心が動きました」と思い返す。
風間教場のもと、共に過ごした共演者たちとは、本当の絆が出来ていったとも。
「警察学校の生徒としての訓練などもそうですが、実際の映像に映るワンショットのためのプロセスが、ものすごく多い作品なんです。それもひとりでの精度をあげつつ、生徒たちみんなでの精度もあげる必要がある。ここまでチームワークがいるというのは、ほかの作品と違いました。前編の完成披露試写会の舞台あいさつで、共演者と再会したんです。そのとき、本当にうれしくて、『同級生に会えた!』という感覚がすごくありました」。
そして改めて本作を分析。
最後に、「(前編から後編にかけて)みんなの絆や、風間教官との関係性が変わっていくので、ラストを見届けるのを、私も楽しみにしています」と目を輝かせた。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
フジテレビ開局60周年特別企画『教場』は、フジテレビ系にて1月4日、5日2夜連続で21時より放送。