【写真】稲垣吾郎、『スカーレット』初登場シーン
■約30年前、15歳のドラマデビュー作は「今でも忘れられない思い出」
今回、稲垣が演じるのは喜美子(戸田恵梨香)が病院で出会う医師の大崎茂義。難病を抱えることになる武志(伊藤健太郎)と、母として彼を支える喜美子の精神的な支えになっていくというキャラクターだ。
視聴者として『スカーレット』を観ていたという稲垣は、初共演の戸田を「本当に自分の芯がしっかりされていて、それでいて周りを受け止める許容力がある」と絶賛。一方、こちらも初共演という伊藤については「こんなこと言うとおじさんみたいですけど」と前置きしながら「自分が伊藤さんと同じぐらいの年代の時にはここまでしっかりとお芝居できなかったなぁと思っています」と笑顔を見せる。
そんな稲垣が約30年前にテレビドラマデビューを果たしたのは、連続テレビ小説第42作として1989年に放送された『青春家族』だ。15歳だった。「そんなに時間が経ったんだなぁっていう感じなんですけど」と懐かしむと、「『青春家族』で生まれて初めてお芝居をしました。少年時代の自分にとっての“原体験”として、今でも忘れられないすごくキラキラした思い出ですね」と振り返る。
当時、CDデビュー前にドラマ出演を果たした10代の稲垣にとって、『青春家族』は俳優活動の原点。「学生の頃も目立つような子でもなかったですし、それまであまり人に褒められたことがなかったんです」と明かすと、「でも演技をしたことですごく褒めていただいて、芸能界で生きていく人間として、初めて認められた感じがしてうれしかったですね」と思い出を語る。
『スカーレット』は、稲垣が「新しい地図」として再スタートを切って以降、初の地上波連続テレビドラマへの出演作となる。筆者がその点を指摘すると、稲垣は少し驚いたような表情で「あ、そうですね!」とポツリ。稲垣は続けて「お芝居をしている時というのは、映画も舞台も連続ドラマも、その違いを意識していないので、今言われて自分でも“そうなんだなぁ”って気付きました」と穏やかに笑う。
「新しい地図」としての活動は稲垣にさまざまな変化をもたらした。YouTubeやSNSなどのインターネットへの進出もその変化の1つだ。稲垣は「本当にリアルに視聴者の方やファンの方の声が聞こえてくるようになりました。それはすごく大きなことでしたね」とその影響力に舌を巻く。「『スカーレット』もツイッターのトレンドに頻繁に上がっていますよね。そこへ僕が出演することで、さらに話題にしてくださる方もいるわけで。その話題の広がりが“地図を広げていくこと”につながるのかなとも思います」と前のめりに語る。
キャリアを重ねるごとに、活動の幅やステージを広げていく稲垣だが「やっぱり演じることは、僕にとっての一番の軸になっている」と明言した上で「多くの方々が見てくださる朝ドラに出演できるという“縁”をこれからもつなげていきたいことですね。
連続テレビ小説『スカーレット』はNHK総合テレビにて毎週月曜~土曜8時放送。