【写真】透け感ある衣装の有村架純 美しくかわいい別カット(全10枚)
■有村架純“本人”を演じる経験「こういう私を見たいと思ってくれているんだ」
女優・有村架純は、ドラマや映画の撮影期間に突然訪れた休日=“撮休”をどう過ごすのか? 本作は、そんな有村の知られざる姿を映画・テレビ・CMなど各界のクリエーターたちが妄想を膨らませて描き、有村本人が演じるという1話完結のオムニバスドラマ。
監督には是枝裕和や今泉力哉、脚本には「WOWOWに入りましょう」CMを手がける篠原誠など豪華な面々が顔をそろえており、有村は「全8話、どのお話もすごく面白くて。“監督や脚本家の皆さんが妄想する私ってこんなふうなんだ”“こういう私を見たいと思ってくれているんだ”と感じて、とても楽しかったです」と感激しきり。
ガサツで男っ気なしの有村(第2話「女ともだち」)、彼氏の元カノに会いたいとわがままを言う有村(第6話「好きだから不安」)など、自分の気持ちを相手にストレートにぶつける有村架純も登場する。
「普段の私はひとつひとつ、ゆっくり話す方で。まくしたてるように話したり、大きな声を出すこともあまりないので、体が慣れてなくて(笑)」とあらゆる喜怒哀楽を表現できる作品になったというが、本作のオファーが舞い込んだ2019年の春先は、「自分のお芝居について、迷いや不安を感じていたときだった」と胸の内を吐露。その迷いについて、「私は自分の思いを胸の内に秘めている役など、等身大の役を演じることが多くて。自分の幅が狭まってきているんじゃないかという不安があったんです。また新しいものに出会うためには、どうしたらいいんだろうと感じていました」と明かす。
■女優デビュー10周年 順調なキャリアの裏に苦悩「すごくしんどかった」
2010年、17歳でドラマ『ハガネの女』(テレビ朝日系)で女優デビュー。
デビューから10年、順風満帆なキャリアのように感じるが、『ひよっこ』を駆け抜けてからは「私は前に進んでいるんだろうか、次に進むためにはどうしたらいいんだろうと、ずっと考えていた」と悩むことも多かったという。「特に2019年はずっとそういうことを考え続けていて、すごくしんどかった。私は考え込んでしまうタイプで、昨年はちょっと真面目に悩みすぎたかも」とニッコリ。
「そういう悩みもある中、本作は挑戦でもあると思っていました。“有村架純役”でありながら、自分を前に出していく性格の役どころもあって、とても新鮮で。“やっぱりお芝居は楽しいな、もっといろいろなことを試してみたいな”と思いました」と改めて実感したこともあり、「やっぱりこうやって、進む道を見つけていくしかないんだなと思いました」と力をもらった。■30歳へ向けての思い「より力のある人だけが残っていく」
10周年の節目の年となり、「年齢的にも27歳になって。30歳へ向けては、より力のある人だけが残っていく年代に差し掛かっています。きっとこれからは、もっと“質”が求められてくる。そうなったときに弾かれないようにしなければと思っています。
これまでの道のりを振り返ってもらうと、「“熱量がないと役をものにできない”“気持ちがあれば目から伝わる”など、事務所の方や監督、先輩方からいろいろな言葉をもらいました。この10年、それを信じて、守ってやってきました」と述懐する。
「でももしかしたら、そうやって生真面目に考えすぎてしまうことで自分を縛ってしまうこともあったのかもしれないし、そこから旅立たないといけないのかもしれません。これまでの言葉を大切にしながらも、がんじがらめにならず、新たな出会いの中で聞いたこと、感じたことなどに身を委ねてもいいのかなと。10年目、心豊かにスタートを切られたらいいなと思っています」と笑顔を見せる。
インタビュー中もひとつひとつ、心を込めて言葉を紡ぐ。真面目な姿勢は、有村自身の“撮休”の過ごし方にもあらわれている。
「デビューして5年くらいは、 “遊ぶ時間があるなら台本を読まなきゃ”と思ったり。でも今は許容範囲が広くなって、人とコミュニケーションを取る大切さも知った。力の抜き方も覚えましたよ」と笑いながらも、「自分の性格上、役柄に悲しい出来事があった場合に、プライベートの自分もあまり楽しい時間を過ごす気持ちになれなくて。集中を切らしてはいけないなとも思うし、そうしたことで役が離れていってしまうような気がするんです。
誠実な人柄も魅力的で、柔らかなほほ笑みの中に、芝居への情熱を絶え間なく燃やしている有村架純。これからますます、進化を遂げそうだ。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
WOWOWオリジナルドラマ『有村架純の撮休』は3月20日スタート。WOWOWプライムにて毎週金曜24時より放送。全8話。