2002年に仲間由紀恵が主演したドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)第1シリーズが特別編として放送されることが発表され、ファンを喜ばせている。作品自体の面白さはもちろんだが、生徒役がいまのドラマ、映画界を支えるような豪華メンバーであることも根強い人気の理由だろう。
いよいよ今夜に迫った第1話放送を前に、改めて本作が輩出した俳優たちを振り返りたい。

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 本作は、森本梢子の人気コミックを実写ドラマ化。任侠集団のお嬢として育った高校教師の山口久美子(通称・ヤンクミ)が、学校の問題児たちと本音でぶつかり合う姿を描いた学園ドラマだ。

■ 『花男』でもタッグ! 松本潤&小栗旬

 今回放送される第1シリーズの舞台は「白金学院高校」。ヤンクミが担任となった3年D組には、一癖も二癖もある不良たちが顔を連ねている。その中でもリーダー格の沢田慎を演じたのがアイドルグループ嵐の松本潤。慎は代議士の父親との確執から不良の道に進んでしまったが、もともとは頭脳明晰(めいせき)でスポーツ万能。しかもイケメンでクールでありつつも仲間思いという、ある意味でもっともヒーロー然とした存在だ。その後『花より男子』(TBS系)シリーズでもF4のリーダー・道明寺司を演じるなど、圧倒的なオーラを持つカリスマ性を印象づけた。

 慎と同様、3年D組の中心的存在だった内山春彦(通称・うっちー)を演じたのが小栗旬。ケンカっ早く金髪のヘアスタイルは、クラス内でもとても目立つ存在だが、母親を大切にし、義理人情に厚い部分も持つハートフルな男。小栗の高校生役と言えば『ごくせん』の4年前に放送された『GTO』(フジテレビ系)が思い出される。
同作で小栗が演じた吉川のぼるは、クラスのいじめられっ子で繊細な少年。『ごくせん』とセットでそのギャップも楽しめる。ちなみに松本とは『花より男子』シリーズでもタッグを組んでいる。

 そのほか、軟派で合コン大好きな南陽一役の石垣佑磨や、おしゃれでハイセンスの野田猛役の成宮寛貴、巨漢が自慢の人情派・熊井輝夫役の脇知弘らが3年D組のメインキャラクターとなっていたが、それ以外の生徒にも、のちのち大きな活躍を見せるメンバーがいた。■ のちに大ブレイクした“卒業生”たち 

 まず挙げられるのが、毛利研一役の松山ケンイチ。劇中ではそこまでセリフのあるシーンはなかったが、いま見返してみると身長があり、金髪の学ラン姿は印象に残る。松山にとっては本作がドラマデビュー作であるが、映画『デスノート』(2006)のL役をはじめ、『デトロイト・メタル・シティ』(2008)での弾けた演技、2012年の大河ドラマ『平清盛』での主演など、日本を代表する演技派俳優になった。

 また『ごくせん』には、のちに『クイズ!ヘキサゴン2』(フジテレビ系)での“おバカキャラ”で大ブレイクした上地雄輔(大石雄輔役)や、同じくバラエティーで現在も活躍中のウエンツ瑛士も生徒として出演。ウエンツはイジメを受け不登校になった生徒・結城正人役として存在感を見せていた。

 そのほか、のちに『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で大ブレークし、今や映画やドラマに引っ張りだこの田中圭も、第1シリーズの第10話で、自分の万引きの罪を慎や熊井らになすり付けた他校の生徒役として出演。2003年のドラマ『WATER BOYS』(フジテレビ系)で山田孝之扮する主人公・進藤勘九郎の親友・安田孝役よりも前の出演であり、第10話が今回放送されるかは未定だが、放送されれば貴重なシーンとなるだろう。

■ 第2、第3シリーズもそうそうたる顔ぶれ

 今回放送されるのは第1シリーズだが、後続のシリーズにも今ではそうそうたる面々といえる豪華キャストが集結。
2005年の第2シリーズには、亀梨和也、赤西仁をはじめ、小池徹平、小出恵介、速水もこみち、高良健吾、水嶋ヒロ、2008年の第3シリーズには三浦春馬、三浦翔平らがレギュラー出演していた。『35歳の高校生』『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(ともに日本テレビ系)など、学園ものの連続ドラマは、のちに「こんな人も出ていたんだ」と話題になることが多い。『ごくせん』も改めて見返すことで、当時とはまったく違う楽しみ方ができるだろう。(文:磯部正和)

 ドラマ『ごくせん 2002 特別編』は、日本テレビ系にて、6月3日22時(第1話)、同10日22時(第2話)放送。第3話以降については未定。
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