人気アニメと実写の融合で映画化した映画『トムとジェリー』で、キュートな魅力を振りまいているクロエ・グレース・モレッツ。大のトムジェリファンという彼女は、アニメと実写の橋渡しとなるキャラクターの筆頭を演じ、見事なコメディエンヌぶりを発揮している。
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誕生80周年を迎えるアニメ『トムとジェリー』を、実写とクラシックな2Dアニメの融合でスクリーンに登場させる本作。お調子者でドジなネコのトムと、外見はかわいいがずる賢いネズミのジェリーは、会えばケンカばかり。そんな最強ライバルの2人が、ニューヨークの高級ホテルを舞台に大騒動を巻き起こす。
■トムジェリの大ファンゆえに、脚本を読むのが怖い!?
オリジナルの大ファンというクロエは、出演が決まり大興奮。
そんな作品への愛ゆえに、はじめは脚本を読むのが怖かったという。「すごくナーバスになっていたわ。私は、『これが良い脚本でありますように。オリジナルのカートゥーンや、私がこの作品を大好きな全ての理由に、ちゃんと敬意が払われていますように』と思っていたの。
■何もないところに向かって演技 「すばらしい経験。とても楽しかったし、難しかったわ」
クロエが演じるのは、成功を夢見てニューヨークに出てきた女性ケイラ。
劇中ではアニメ姿のトムとジェリーを相手に、息の合ったやりとりを天真らんまんに繰り広げる。その姿はとても生き生きとして魅力的だ。「私は幼い時、『ロジャー・ラビット』(1988年公開の実写とアニメーションが融合したコメディ映画)のボブ・ホスキンスと共に育ったの。また、特にコメディアンのルシル・ボールの、大げさでワイルドなコメディスタイルも見て育った。
実際の演技では困難もあったという。
クロエ演じるケイラは、自身と同世代。クロエがこの役を楽しんで演じることができたのは、「ドジなところが普段の私にそっくりだから。もちろん、私はケイラと違ってウソつきじゃないけど(笑)、リアクションがオーバーだったりそそっかしいところはたしかに似ているわ」と明かす。「自分の地を演技に生かしたのは今回が初めてかもしれない。ケイラが軽口をたたいたりするのは、家族といるときの私そのものね」。
自分と同じ世代の活躍に焦りを感じるケイラは、「力を認めてほしいのに、機会がない」と悩み、つい出まかせを言っていきなり全く身の丈に合わない職をゲットしてしまう。子役時代から活躍するクロエにも、他人と自分を比べることでプレッシャーを感じる瞬間はあるのだろうか。「自分を誰かと比較したりはしないわ。比較し始めたら、プレッシャーしか感じないでしょ? 重要なのは、それぞれの人生やキャリアには、それぞれのペースがあるということなの。自分自身を他人と比較することはできない。私たちはみんな、それぞれ唯一の人生のストーリーを歩んでいて、前に進もうとしているの。他人と比較することは、正直言って、精神面での安定を損なうことになるわ(笑)」と、達観した答えをしてみせた。
10代の終わりに休業説で映画業界を騒然とさせた際には、それを否定しつつ、「自分を見つめ直し、自分が何者なのか、何を望んでいるのか、この業界が自分にとってどういう意味を持つのかを見い出す時期なのよ」と語っていたクロエ。自分にとって満足できる仕事を選び、今しっかりと自身の道を歩んでいる彼女が最新作で見せるのは、心から楽しそうに演じる姿。見事なコメディエンヌぶりを発揮し、全身を使ってトムとジェリーと掛け合うクロエのキュートな魅力をスクリーンで堪能してほしい!(取材・文:編集部)
映画『トムとジェリー』は3月19日より全国公開。