圧巻の歌唱力とダンスで人々を魅了するだけでなく、数々のドラマで活躍を見せるNEWS・増田貴久。現在放送中のドラマ『古見さんは、コミュ症です。
【写真】第4話では、只野(増田)は、古見さん(池田エライザ)、片居(溝端淳平)、万場木(吉川愛)らと海に出かける
◆35歳で高校生役挑戦も違和感なくすんなり
本作は、池田エライザ演じる人付き合いの苦手な古見硝子をはじめとした高校生たちが、苦悩としなやかに向き合う物語。増田はどんな人にでも優しく寄り添う主人公・只野を好演中だ。35歳の増田が高校生役を演じるということで、放送前から話題を集めていた本作。増田はオファーを受けたときの心境を「『まだ高校生の役を頂けるんだな』と、自分ではそんなに違和感なくすんなり受け入れたんです(笑)」と振り返り、「自分と只野くんの年齢差を考えて『できるかな?』と思う前に『うれしいな』と思いました」と前向きな気持ちだったことを明かす。
今の自分が高校生の只野を演じる意味についても「今の年齢だからこそ役への理解ができたと思います。人付き合いの経験値を積んだ今の年齢になっていなかったらできなかっただろうな、というのは撮影中にすごく感じていました。逆に今の年齢でこのお話を頂けたことはうれしいし、よかったなと思います」と受け止め、「そもそも自分たちが高校生に見えるかどうか、という話ではないじゃないですか。『35歳なのに…』みたいな目線を超えていきたいです」と作品の本質を伝えられるよう意気込む。
本作は“人とのコミュニケーション”を優しく丁寧に描いている。増田は自身のコミュニケーション力については「人見知りはしないです」と明かしつつも、仕事をする上で“自分が今これを言っていいのだろうか?”と考えることや、面白いことを思い付いても言えなくなってしまうこともあったという。
そんな増田が今、コミュニケーションを取るときに気をつけていることは「しっかり人の話を聞く」「自分の意見を言いすぎない」こと。「自分の正義や自分が正しいと思うことはみんなそれぞれありますよね。自分はこう思うけど、その意見も否定しないよ、というスタンスでいたいです。その人が持っている意見はリスペクトする、ということを心がけています」とポリシーを語る。◆嵐、生田斗真ら先輩からもらったアドバイスを後輩ジュニアへ
第1話の放送後には、SNSやNHKドラマのホームページ上の掲示板で「古見さんが他人に思えない」など人とうまくコミュニケーションを取れない古見さんに共感する声も集まった。
そんな思いを抱える人たちに増田は「コミュニケーションを取りたい、という気持ちがあるなら『おはよう』だけ言って逃げてもいいし、ゆっくりでも小さなことからでもいいと思います。本当は只野くんみたいに周りに分かってくれる人がいたらいいけど…いなくて、でも自分で何かを変えてみようと思えるんだったらあいさつだけでも大きな一歩」とメッセージ。
その一方で「できないことを悩みすぎない方がいい」とも話し「“適度”という意味での“適当”な状態の方が自分にも優しいと思うし、頑張りすぎないでほしい。『自分はもっとできる、うまくやらなきゃ』と思うから、より緊張してしまうこともあると思う。レベル1から始めてみる、でいいと思います」と優しく寄り添う。
“人が人に話しかける瞬間・話しかけられた瞬間”の心境を細かく描いていることも印象的な本作だが、増田はジャニーズJr.の頃に生田斗真から話しかけられたときのことは忘れないという。それは一緒に先輩のコンサートのバックについていた日のことだった。
「大先輩の斗真くんと僕が同じお茶を持っていて、斗真くんが『このお茶うまいよな』と言ってくれたのを覚えています。僕は先輩に対して自分から『ねぇねぇ先輩』と行けるようなタイプではありませんでした。斗真くんはたまたま同じお茶を持った後輩がいたから話しかけてくれたんだと思いますが、それがすごくうれしくて、『斗真くんが話しかけてくれた』ということがずっと心に残っています」と振り返る。
さらに、増田は「嵐のコンサートにバックでついているときに嵐の皆さんから言葉をかけてもらったり、ジャニーズの先輩たちは、ふとしたときにアドバイスをくれる。そういうことが自分を作っていると思います」と先輩からもらったものをかみ締める。
NEWSのコンサートには後輩の存在も欠かせない。自身が先輩という立場になり、自分たちのバックについている後輩に自分ができることはなんだろうかと思案しているという増田は「『初めまして』の状態の後輩のことも『ちゃんと見ているし、ちゃんと知っている』ということは大事にしています」と心掛けていることも明かす。後輩と話すときには「後輩にとって、先輩である自分が言ったことが大きなことになってしまう場合もあるし、力がある言葉になる可能性がある」と考え、自身が発する言葉にも責任を持っている。
30代も後半に差し掛かり、自分たちが任されることや期待されることが増えてきたと語る増田に今後の展望を聞いてみると「ひとつひとつに期待してもらった以上のものを返したい」と意気込み「『増田に頼んでよかった』『NEWSに頼んでよかった』と思ってもらえるような結果を残していかなければ、という思いが年々大きくなっています」と目を輝かせた。(取材・文:山田果奈映)
ドラマ『古見さんは、コミュ症です。