川村元気が手掛けた小説『百花』が、菅田将暉と原田美枝子のダブル主演で映画化されることが決定した。監督・脚本は原作者の川村元気が務める。
併せて、夕暮れ時の諏訪湖を背に母と息子を演じる菅田と原田を写したビジュアルと、40秒の超特報映像も解禁された。
【動画】菅田将暉×原田美枝子『百花』超特報
監督・脚本を手掛けるのは、原作者である川村元気自身。監督としては2018年カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に出品された『どちらを(英題:Duality)』などを手掛けてきたが、今作で初の長編監督デビューを果たす。
本作は、映画プロデューサー・脚本家の川村元気が、映画製作の一方で2019年に執筆した4作目の同名小説(文春文庫)を実写化した感動作。川村自身の体験から生まれた作品で、発表後は発行部数18万部を突破、映画監督・山田洋次、女優・吉永小百合をはじめ各界から絶賛を受けている。
記憶を失っていく母と向き合い、思い出をよみがえらせていく息子・葛西泉を演じるのは若手屈指の演技派俳優・菅田。全てを忘れていくなか、さまざまな時代の記憶を交錯させていく母・百合子を演じるのは、日本を代表する女優・原田。親子とは? 愛とは? 人の記憶の正体とは? ダブル主演の2人が記憶という謎に挑み、現代に新たな光を投げかける。
40秒の超特報映像は、「また、母が遠くへ行ってしまいそうな気がした」という菅田のナレーションから始まる。花火を見つめる2人、幼少の頃の記憶、お互いを探し駆け出す姿、そして随所に映し出される“花”。現在と過去の記憶が入り混じった映像から、記憶を失っていく母の行く末を予感させる、切なくも美しい映像となっている。
菅田は、原作について「初めて読んだ時にびっくりしました。
こんなにも小さな、小さな小さな物語。誰もが通る、親子の、家族の、褪せていく記憶の世界。どうしようもない人間の性が溢れていて、原作小説を読みながら気づいたら泣いてました」と語る。撮影については「一生忘れられないテイクが生まれました。原田さんとふたり、ボロボロになりました。ふと思い出してはニヤニヤしています」と過酷な現場を明かす。
原田は、共演した菅田について「すごく素直で頼れる方で、たくさん支えてもらいました。川村監督は俳優のことをちゃんと見てくださる方で、信頼して身を任せることができました」と振り返った。
<菅田将暉、原田美枝子コメント全文>
■菅田将暉(葛西泉役)
川村元気さんとはこれまで色んな現場でお会いし、何本もお世話になっているのですが、世界中を飛び回り常に新しいものを探し続けるその姿勢に、どこか超人めいた華やかさを感じていました。しかし今回ご自身で書き、監督する「百花」を初めて読んだ時にびっくりしました。こんなにも小さな、小さな小さな物語。誰もが通る、親子の、家族の、褪せていく記憶の世界。
どうしようもない人間の性が溢れていて、原作小説を読みながら気づいたら泣いてました。今、川村元気さん本人の手で残すべき作品だと思いました。自分の曖昧な記憶と向き合い、忘れていく人間を自覚し、足掻いていこうと思いました。
そして、一生忘れられないテイクが生まれました。原田さんとふたり、ボロボロになりました。ふと思い出してはニヤニヤしています。公開が楽しみです。皆さまの記憶にこびりつき、明日がより豊かになる事を願っています。
■原田美枝子(葛西百合子役)
私自身、母の記憶にまつわるドキュメンタリー映画をつくっていたので、この本をすごく面白く読ませていただきました。当たり前だったことが次の瞬間分からなくなる、記憶を失っていく様をリアルにみせていくのは、非常に難しく大変でした。また現在の自分と20歳以上若い過去の自分の両方を演じたりと、いろいろなチャレンジがあり、冒険をさせてもらった現場です。
菅田さんは個性の強い方という印象だったんですけど、話し始めたらすごく素直で頼れる方で、たくさん支えてもらいました。
川村監督は俳優のことをちゃんと見てくださる方で、信頼して身を任せることができました。
なかなかOKが出なかったシーンのロケで、ふと空を見た時、黒澤(明)さんや溝口(健二)さん、私の恩師である増村(保造)さんたちが並んで見守ってくれているような、不思議な感覚を味わいました。みんなで魂を込めて作った作品です。楽しみに待っていてください!
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