市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化

市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化
著作権上の問題から、これまでパッケージ化されなかった幻の水谷豊主演作『幸福』。<br />市川崑監督が"銀残し"と称される現像処理で、子連れ刑事のくすんだ生活を描いている。<br /> (C)2009 FLME/フジテレビ

 2009年にピックアップしそびれた作品を紹介したい。市川崑監督、水谷豊主演の映画『幸福』(81)が28年の歳月を経て、11月に初DVD&ブルーレイ化された。劇場公開後、短縮版が一度テレビ放映されたきり、ビデオ化、DVD化されなかったことから、"幻の名作"と呼ばれていた作品だ。08年に亡くなった市川崑監督と言えば、『犬神家の一族』(76)、『悪魔の手毬唄』(77)といった"金田一耕助シリーズ"でスタイリッシュな映像美を繰り広げ、岩井俊二、庵野秀明ら後進の映像作家たちに多大な影響を与えた名匠。

 本作はエド・マクベインの原作小説をベースにした刑事ドラマだが、コン・マジックと称されたスタイリッシュさは控えめ。妻に家を出られたヤモメ刑事・村上(水谷豊)が2人の子どもたちの世話に翻弄されながらも捜査を進めるうちに、幸福の意味について思い知るという極めて地味な内容となっている。だが、市川監督の手練の演出は鍛え上げられたボクサーが放つジャブのように、観る者の心にびしっびしっと響いてくるのだ。

 刑事の村上は仕事が忙しいことを言い訳に家庭を顧みなかったため、妻は8歳の娘と5歳の息子を残したまま家を出て1カ月が経つ。泥の付いたジャガイモを洗濯機で洗う長女の実用的な考えに村上が感心していると、長女は「お父さんみたいに格好つけていないだけよ」と暗に母親の実家に頭を下げに行かない父親の態度を責める。足でドアを閉めた息子を「母親の教育がなっていない」と咎めると、いつもはケンカばかりしている姉弟は口をそろえて「お母さんの悪口を言うな!」と父親を非難する。子育てに悪戦苦闘している状況でも事件は待ってくれない。古本屋で3人の男女が射殺される事件が発生し、女性被害者は同僚の刑事・北(永島敏行)の婚約者・庭子(中原理恵)であることが判明。復讐を誓う北と共に、村上は捜査という形で社会の暗部にずぶずぶと足を踏み込んで行く。


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