“理想の上司”として、同性から絶大な支持を受けている天海祐希が、10月期にフジテレビ系連続ドラマ『CHEF~三ツ星の給食~』(木曜午後10時~)で主演を務めることがわかった。

 しかし、周囲では、低迷するフジの「木10」枠とあって、視聴率を心配する声も多いという。

現在、放送中のフジ「木10」ドラマ『営業部長 吉良奈津子』は、“高視聴率女優”の松嶋菜々子が主演しているにもかかわらず、視聴率は5、6%台を記録するなど爆死しており、松嶋としては立つ瀬がない状態だ。

 同枠では、昨年10月期、同じく“高視聴率女優”の篠原涼子が『オトナ女子』で主演したものの、視聴率は8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同=全話平均)と惨敗し、篠原は赤っ恥をかく格好となってしまった。

 前クールは、松下奈緒が初の三枚目にチャレンジした『早子先生、結婚するって本当ですか?』が5.6%(同)と爆死するなど、フジ「木10」ドラマは、2015年1月期以降、視聴率1ケタ台が続いており、今や“鬼門”となっているのだ。

 天海は同年10月期に主演した『偽装の夫婦』(日本テレビ系)が12.2%(同)、14年1月期の主演ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)が12.9%(同)と好視聴率をマークしており、安定した数字を残すことで定評がある女優だ。

『CHEF』は、世界中から注目される三ツ星レストランの天才女性シェフ・星野光子(天海)が、オーナーとトラブルを起こしてクビになってしまい、テレビ番組の企画で学校給食を作ることになる。栄養、経費、味覚の違いなどで、多くの壁にぶつかり失敗が続くが、子どもたちに「美味しい」と言ってもらうため、給食作りに奮闘する物語。
脚本は、『ナオミとカナコ』(16年=フジテレビ系)、『医龍-Team Medical Dragon-4』(14年=同)などを手掛けた浜田秀哉氏のオリジナル作品。

 フジでは、ここ最近、前述の松嶋、篠原らの主演作を始め、福山雅治主演『ラヴソング』(今年4月期)、西島秀俊主演『無痛~診える眼~』(昨年10月期)など、大物俳優(女優)が主演する連ドラが爆死続き。なかには低視聴率や脚本への不満などを理由に「フジのドラマには2度と出ない」と怒り心頭の俳優もいるという。

 天海がフジの連ドラに出演するのは、12年10月期『結婚しない』(菅野美穂とのW主演)以来、4年ぶりとなるが、業界内では、「この流れの中で、大物の天海がよくフジのオファーを受けたものだ」との声も聞かれる。しかも、よりによって、脚本家は全話平均3.9%で、“伝説の低視聴率ドラマ”となった『家族のうた』(12年4月期/オダギリジョー主演/フジテレビ系)の浜田氏だ。

 これまで、コンスタントに主演ドラマで好視聴率を取ってきた天海にとって、『CHEF』が爆死すれば、各局からの厚い信頼も揺らいでしまう。
同ドラマの成功を願いたいものだが、最悪の事態ともなれば、フジは天海をも潰してしまうことになってしまう。
(文=森田英雄)