頭が弱くてスケベだけど人情には厚い。そんな探偵役を俳優・瑛太が演じるドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)の第7話が25日に放送され、8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。

前回から1.2ポイント上昇となりました。

 さて、今回の依頼主は、主人公・七瀬五郎(瑛太)が勤める「あかつか探偵事務所」のすぐ近くにある八百屋の店員・星野健太(宇野祥平)。毎晩ネギを買い求めに来るOL・中村七菜子(橋本マナミ)のことが気になり、素性を調べて欲しいというのです。

 しかし、どう見ても七菜子と健太とでは美女と野獣、釣り合いが取れません。調査したところで健太にチャンスはないだろうと気が乗らない五郎ですが、事務所の所長・風かほる山口智子)の命令で四俵蘭子(深田恭子)とコンビを組み、七菜子を調査することになります。所長にはこの仕事を通じて、密かに好意を寄せ合っている五郎と蘭子をくっ付けてしまおうという目論みもあるんですね。


 そんな企みなど知らずに調査を開始した五郎と蘭子は、毎晩違う男とディナーを共にし、高価なプレゼントを貰い、体を重ね合わせるという七菜子の驚きの実態を目の当たりにすることになります。

 調査の結果、七菜子はパパ活サイトに登録していることが発覚。「ビッチ」と憤る五郎に対して蘭子は、七菜子が“パパたち”から貰ったブランド品を身に着けていないことや、着ている服、住んでいるアパートの家賃などが安いことに疑問を感じると指摘します。

 しかし、蘭子が元ホステスだったことを知る五郎は、いつしかその姿を七菜子と重ね合わせ、“男を騙すけど本当は純情”と正当化したいだけだと罵ってしまうのです。これに対して蘭子は、怒りのパンチ。所長の計画とは裏腹に、2人の仲はギクシャクしてしまうのです。


 五郎の失言に怒りを覚えつつ、やはり七菜子の行動が腑に落ちない蘭子は、大胆な行動に出ることに。依頼人の名前は伏せるものの、素性調査していたことを七菜子に打ち明けてしまうのです。そして、七菜子の実家がネギ農家であること、父親が体を壊して借金を作ってしまい、その返済のためにパパ活をしていたものの、その生活に疲れて地元に戻るつもりだということを知ります。そしてさらに、七菜子の地元産のネギのことを熱心に説明してくれたことをきっかけに、健太に対して好意をもっていることも知るのです。

 一晩経って頭を冷やした五郎は、蘭子に詫びて仲直りをし、健太を七菜子の地元へと連れて行きます。そして、ネギ畑の真ん中で2人の恋が成就するのを車の中で見守っているうちに感極まって、自分も蘭子に愛の告白。
車内の恋も成就したところで今回は終了となりました。

 さて、感想。今回は“国民の愛人”こと橋本マナミを、いつにも増して巨乳が際立つ服を着た深田恭子が尾行し、かつての連ドラ女王・山口智子がノースリーブのシャツで脇見せと、熟女のフェロモンが渋滞を起こした回となりました。

 3人のファンであれば、ビジュアルだけで楽しめた回となったかもしれません。しかし、筆者はいずれのファンでもないので、“美女と野獣”ものにありがちななんの捻りもない展開に、正直退屈してしまいました。最後、七菜子に告白するシーンで健太が熱烈な演技をかましていましたが、ただただクドく、暑苦しい演技だという印象しか受けませんでした。


 今回はこれまであまり目立たなかった蘭子のキャラを掘り下げ、五郎と恋仲にさせることでヒロインとしての重要性を高めるための回でもあったようですが、深田は終始キョトン顔を浮かべるだけの演技。完全にお人形状態で、今後もそこから抜け出せないような気がしました。

 第1話で深田が初登場した際には、原作コミックとは違う蘭子像を作ってくれるのではないかと期待したのですが……。とんだ見込み違いだったようですね。これだったら、原作通り蘭子役にはスレンダーでクールビューティー系の女優をキャスティングし、深田は今回の橋本の役を演じればよかったのでは、とも思ってしまいます。

 それと、今回の放送で気になったのは、蘭子が七菜子に直接会って素性調査していることを打ち明けたシーン。
こんな探偵、ありえなくないですか? 依頼主の名前は守秘義務を理由に明かしませんでしたが、これに「変な探偵さん」と笑って納得してしまう七菜子もおかしい。こういうのをご都合主義な展開というのではないでしょうか。

 さて、次回は五郎の同僚・木暮久作(森田剛)がメインの人情ものということで、今回は失敗した脇役のキャラ立ち成功なるか注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)